オープンハイスクールでの出会い⑧
「ここが万屋部の部室だよ」
冬馬はそう言うと部室の扉をガラガラッと開けた。
「わー!広いんだね!あ、見て見て三七姫ちゃん!ソファーがあるよ!」
「わかったから、落ち着いて虹」
「フッカフカだよ!」
木目さんはソファーに腰掛けたり寝転んだりクッションをもふもふしたりしている。ソファーが気に入ったみたいだ。
「虹〜、あんまりはしゃがないで」
「大丈夫ですよ三七姫ちゃん。三七姫ちゃんもゆっくりしていって下さいね」
「ありがとうございます雨宮さん、すみません、じゃあお言葉に甘えて」
そう言うと果川さんはちょこんとソファーに腰をかけた。
「じゃあ今日の依頼の報酬のケーキ食べよっか」
「わーい!ケーキ!なにがあるの?」
「えっとね洋物だとショートケーキ、モンブラン、タルトにブリュレ…色々あるから好きなもの取っていいよ」
「すごいよ三七姫ちゃん!ケーキ屋さんみたい!」
「川神さん、洋物ってことは和のものもあるんですか!?」
これまで大人しかった果川さんが食い気味に質問してきた。
「う、うん。あるよ、えっと…抹茶ティラミスとかほうじ茶のシフォンケーキとか…あとは和菓子っぽいのが何個かあるかな」
「うち和菓子がいいです!」
木目さん並みに目を輝かせながら果川さんはそういった。和菓子が好きみたいだ。
「私いちごのタルト〜♪」
「私はショートケーキで、冬馬くんはモンブランですよね」
「うん、ありがとう、僕お茶入れるから美月ちゃんも座ってていいよ」
3人分の紅茶と果川さんには和菓子にあう緑茶を入れて席へと持っていく。
「ありがとう冬馬!」
「ありがとうございますシロくん」
「すみません川神さん、わざわざ私だけ緑茶にしてもらって」
「ううん、いいんだ。じゃあ食べよっか」
全員でいただきますをしてケーキを食べる。
「ん〜っ!美味しい!お店で売ってるやつみたい!」
足をパタパタさせながら木目さんは満足げにケーキを口に運んでいく。今日一日頑張ったからかその味は格別なんだろう。
果川さんもなにも言わないがニコニコしながら生どら焼きを頬張っている。こちらも美味しいみたいでよかった。
「ねぇねぇもう一個食べてもい〜い?今度は洋梨のムースがいい!」
「こら虹、あんまり調子に乗らないの」
「こんなにたくさんありますし大丈夫ですよ。チーズケーキだけ残してもらえてたらあとは好きにして良いみたいなので」
「いいんですか雨宮さん」
「はい!来る前に部長さんに確認済みですから」
さすが美月ちゃん。抜け目ないな。
「じゃあうちも、今度は抹茶ティラミスいただいていいですか?」
「どうぞどうぞ♪」
こうして4人は楽しくお茶の時間を楽しだのだった。