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お困りごとは万屋部へ!  作者: soul chiter
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万屋部に初めて来た日①

「そう言えばもうすぐ入学式か…」


部室のカレンダーを眺めながら冬馬はぼそっとつぶやいた。 

 

「どうしたんだい冬馬くん、ボーッとして」


後ろから優斗先輩に声をかけられる。


「あぁ、いえ、ちょっとカレンダー見てて、もうすぐ4月で入学式だなってふと考えちゃって」


「そっか、もうそんな時期なんだったね」


「僕や美月ちゃんもこの部に入ってもうすぐ1年経つんですね」


「早いね、1年経つのって」


「あの頃の事は今でも思い出します。初めて部長と会った時は胡散臭いと思っちゃってましたし」


クスッと笑いながら冬馬は言った。

そうだ、部長に声をかけられたあの時に全てが始まったんだ。



〜1年とちょっと前〜



桜の花びらが散る4月の某日。

学校の入り口では部活動の部員獲得のため学内にある部活全てが入り口に集結していた。

その中に、一際身長の高い人物がその中を歩いていた。


「ねぇ君!バスケ部どう!?君の身長があればすぐレギュラーになれるよ!」


「いやいやバレー部はどう!?身長高いとバレーは有利だよ!」


やっぱりここでもこうなるのか…。

はぁ…とため息を吐きながら、いろんな部活からとりあえずと部活概要が書かれた用紙を渡されまくられ冬馬はうんざりしていた。


別に嫌ってわけじゃない。それだけ自分の力を求めてくれているという事だから決して嫌な気はしないんだけど…どこもかしこも身長身長って、それしか言ってこないのがな〜。まぁそれも1つの個性だから仕方ないんだけどさ。


そう自分自身に言い聞かせ、渡された部活概要に一応目を通してみる。バレー部、バスケ部、剣道部、ラクロス部etc etc…


国内屈指のマンモス校だけあって流石にラインナップは多いな…はてさて、どの部活に入ったものか…どうせ決めとかないと後々しつこく粘着されるのもやだしなー…。


用紙を眺めながら靴箱に靴をしまい、校舎の中に入る。

どうせ今日はすぐ終わるし、そのあとに気になる部活にでも見にいくか…バレーとバスケはやったことあるから別に除外でもいいし…


そんなことを考えながら校内を進んでいると、


「ちょっと君」


後ろから声が聞こえた。振り向くと2人の男子生徒が立っていた。1人は黒茶の髪でスマートな細目の生徒、身長は冬馬ほどではないけどそこそこ高かった。もう1人の方は黒髪でメガネの丸っこい体型。なんかいかにもオタクって感じがする。完全に偏見だけど…


「ねぇ君、その大量の用紙はもらったのか?」


さっき呼び止めてきた声とおんなじ声だった。どうやらオタクの人(偏見)だったみたいだ。


「はい、まぁ、そうですけど」


「どこに入るかは決まってるのか?」


「別にまだ決まってませんけど…なんですか?」


結構ずけずけ聞いてくるなこの人…おんなじ学年ってわけじゃなさそうだから先輩…なんだろうけど…


「いや、もしそれだけの部活に誘われたんなら我々の部活に入らないか?」


この一言から冬馬の万屋部生活が始まるのだった。

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