冬休みの万屋部
「戻りました〜」
今は冬休み期間中。それでも依頼は入ってきます。今日は公務員の人からの依頼できれてる電灯の交換の手伝いをしていました。
「おかえり冬馬くん」
「おかえり〜筋肉痛は大丈夫かシロ〜」
「まだ若干痛いですけどもう大丈夫ですよ」
「おかえりなさいシロ君」
「ただいま美月ちゃん。美月も筋肉痛大丈夫?」
「私はまだ痛いままです…」
「みーちゃんは運動あんまりしないからシロよりダメージ残りやすいんだろな」
「これを機に運動したほうがいいんでしょうか……」
「はじめは軽いことから始めてみたらいいんじゃないかな」
「軽いのですか…」
「ジョギングとかサイクリングとかウォーキングとかそこらへんじゃない?それなら私も付き合うよ」
「ありがとうございます!じゃあちょっとはじめてみようかな…」
今回の合宿は美月ちゃんにとっても影響力が強かったみたいだ。美月ちゃんと杏果さんとで部活の日軽く運動をすることになった。
そんな2人の決定を尻目に冬馬はひとつ気になることがあった。
「そう言えば部長、部活っていつまでするんですか?」
もう数日すれば年末に入る。もうすぐ学校も閉まるしそうすれば部活もできなくなる。それがいつになるのか冬馬は気になっていた。
「ん〜?明日でとりあえず今年の部活は最後だぞ〜」
「明日ですか……」
「明後日には学校内での部活が終わるからな。それに乗っかって万屋部も締めようかなって。どうかしたのか?」
「いえ……ただちょっと寂しいなって」
「だったら誰かん家で鍋会でもするか?冬だし」
「いいじゃん鍋会!そのまま年越して初詣いきたいな!」
聞きつけたのか杏果さんが乗り気で混ざってきた。
「じゃあ年末年始でやるか?他のみんなも問題なければだが」
「僕は大丈夫だけど…美月ちゃんはどう?」
「お母さんに相談しなきゃですけど反対はされないと思います」
「じゃああとは場所だが…年末年始大人数だからなぁ…」
「あの、だったら僕のところ来ますか?言い出しっぺですし」
「いいのかい冬馬くん?」
「大丈夫ですよ。僕一人暮らしですから」
「シロ君一人暮らしだったんですか!」
「そうだよ〜。と言っても実家から自転車で10分くらいの近場だけどね」
「じゃあシロの家で年末年始鍋パだな!」
「なに鍋する予定ですか?」
「そうだなぁ…無難によせなb…」
「そんなの闇鍋に決まってるだろ!!」
部長が言うのに被せるように杏果さんが闇鍋を押した。
「闇鍋ですか……」
「闇鍋ってなんですか?」
「お、みーちゃんは知らないか。闇鍋はね、自分が好きなやつを鍋に入れて、真っ暗にした部屋の中で鍋の中のものを適当に取って取ったやつは絶対に食べるっていうルールの鍋なんだ」
「自分の好きなものを入れていいんですか!!」
「そういう鍋だからな」
「素敵な鍋ですね!」
「だろ!」
「美月ちゃん一応言っておくけどなんでも入れていいわけじゃ……」
「是非闇鍋しましょう!」
あ、ダメだ。これは話を聞いてくれないやつだ。
「じゃあ1人3品持って当日学校の校門集合にするか」
「3品は絶対見せないようにな!」
不安だ…。
そんな冬馬の方を優斗先輩が優しく叩いて、「大丈夫だよ、きっと」とにっこり笑って言ってくれた。
一抹の不安はあるものの年末年始も退屈しなさそうだと心の中では楽しみになっていた。