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お困りごとは万屋部へ!  作者: soul chiter
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合宿計画

文化祭が終わり、忙しい日々からいつもの日常に戻った学校生活。


万屋部もいつもの日常に戻り、あれだけ来ていた依頼も終わった反動からか今日は0件だった。

先輩方3人はというとなにかの本に夢中になっている。


あの杏果さんでさえ本を読んでいる。どちらかというと、本なんて読まないでお菓子だー、ケーキだー、と言いそうなあの杏果さんでさえ読書に夢中になっていた。


部長は本を読みながら時折、パソコンをカタカタと打っている。優斗先輩も読書に夢中になっている。


それにしても・・・一体何を読んでいるんだろうか。

表紙はカバーがされていて何を読んでいるのかわからない。


ファッション誌・・・なわけないしな~。


部室に沈黙が続く。


美月ちゃんに聞いて欲しくて美月ちゃんの方に目をやる。

美月ちゃんは先日のビンゴ大会で当たった抱き枕ぬいぐるみを抱いてソファーに横になりウトウトしていた。どうやらお気に入りになったみたいだ。


見ていてすごく和む。


「なぁ美月ちゃん、冬馬君、山と川と湖と平地ならどこがいい?」


不意打ちのように沈黙を破り部長が変なことを聞いてきた。


「なんですかその質問」


「うん?まあ心理テストみたいなもんだと思ってくれ」


「はぁ・・・」


心理テスト?一体何の心理テストなのか・・・


「ふあぁぁ・・・すみません、ウトウトしちゃってたみたいで・・・」


「おはよう美月ちゃん。紅茶、今いれるね」


優斗先輩が雑誌?を置き、寝起き混じりの美月ちゃんのために紅茶を入れ始めた。


「起こしてしまったか、すまんな美月ちゃん。寝起き混じりで急なんだが山と川と湖と平地ならどこがいい?」


「おはようございます部長さん・・・そうですね・・・山か川・・・でしょうか。空気がきれいでしょうし」


「なるほどな、冬馬君は?」


「僕も山か川・・・ですかね」


「ふむ・・・どちらも山か川っと・・・」


「だったらあんまり高所じゃないところがいい感じかな?」


はい、と優斗先輩が美月ちゃんの前に紅茶を置き、部長に何かを提案した。


「ん~・・・そうだなー」


僕たちがわからないところでどんどん話が進んでいってる気がする。


「あの、一体何の話を・・・」


「なぁシロ、みーちゃん。肉か魚だったらメインはどっちがいい?」


今度は杏果さんから謎の質問が投げ出された。


「えっと・・・さっきから一体なんの話をしてるんですか?」


「私はお魚がいいです!」


さすが美月ちゃん。質問の意味がわからないままでもためらいなく答えていく。安定のマイペースさだ。


「まぁ・・・僕も魚ですかね・・・」


「なんだよ、魚かよ~肉食えよな肉~」


「あの、さっきからなんの話をしてるんですか?さすがにそろそろ教えて欲しいんですけど・・・」


なんか仲間はずれにされてる感があってなんか嫌だ。


「おい琢磨~そろそろ教えてやってもいいんじゃないか~?」


「さすがにちょっと可愛そうだよ」


クスクス笑いながら2人は部長に言った。


「まあ、そろそろいいだろ。文化祭の終わりにも言ったが、今後のことも考えて2人には万屋部としてもっと成長してもらおうと思っている」


成長とは?それとさっきの質問とどう関係しているんだろうか。


「今回幸いにも杏果が旅行券、優斗が商品券を当ててくれたからな、それを使って合宿に行こうと考えている」


「合宿・・・ですか?」


「そうだ」


突然のことにまだ頭の理解が追いついていない。


「場所はどこか決めているんですか?」


「さっき聞いたじゃないか」


僕の頭にはてなが浮かぶ。

さっき?聞かれたのは山だとか川とかだったような・・・


「部長さん、もしかして合宿ってキャンプですか?」


「正解だ」


ぐっと親指を立てる部長。それであの選択肢か。


「ずっと探していてね、最後は今回の主役の2人に決めてもらいたかったんだよ」


「候補は何個か探して決めてたんだけどさ~」


「ってことはその本って」


「参考資料だよ」


それで3人でずっと探してくれてたのか。


「つーわけで最後のピースも揃ったわけだし場所はここでいいだろ」


「意義なーし」


「ちょ、その場所ってどこですか?」


「シロたちはついてからのお楽しみだ」


にかっと笑ってそれ以上のことは教えてもらえなかった。


「あと決めるんは日程だけだな。それはまたおいおいで大丈夫だろう。ここならオールシーズンやってるみたいだしな。まあ2人は楽しみにしておけ」


急な思いつきだったりするんだろうけど、なんだかんだこうして考えて用意してくれるのは万屋部にいてよかったって思えるところなのかもしれない。

そう思いながらいつやるかまだ未定の合宿を心の片隅で楽しみに待つのだった。

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