文化祭!ビンゴ大会!
「えーみんな、文化祭おつかれさまだったな」
文化祭1日目2日目と大忙しのまま、なんとか無事に終わりその売り上げはなんと万屋部がぶっちぎりで学内1位をとれるぐらいだった。
「お前だけは絶対に許さないからな」
杏果さんの中で恨みはまだまだ消えていない。1日目の大食い大会でたらふくシュークリームを食べて溜飲は少し下がったみたいだが、そのあとの午後の部門と2日目全ても可愛らしいフリフリの服オンリーだったせいかかなりのストレスが溜まっていたんだろう。お客さんがはけて人がいなくなるたびにそれはもう大暴れだった。その度なんとか3人でおさえこんでたんだけど・・・
2日目は優斗先輩が前日に可能な限りケーキを作って持ってきてくれたから被害は最小限ですんだ。ほんと、優斗先輩さまさまだ。
「まぁそう怒るなよ。お前のおかげでこの成績になったといっても過言じゃないんだからな。もっと自信をもて」
「嬉しくない」
ぷいっと顔を背けて優斗先輩が落ち着かせるために渡しておいたホールケーキをまるまるひとつを1人でガジガジしだした。
「そう言えば杏果さん、大食い大会って商品出てましたよね?結局なんだったんですか?」
「あー、なんかもらったな」
「それ目当てじゃなかったの、多分杏果さんくらいですよ・・・」
ほんとにシュークリーム食べるだけのために出たんだな・・・
杏果さんがケーキの手を止め、鞄の中をガサガサと漁り始め小さな封筒を取り出した。
「たしか・・・これだった気がする」
「中身なんですか?」
「えぇっと・・・なんだこれ。あー、旅行券だ。3万円分の」
「それって結構いいやつなんじゃ・・・」
予想してたよりいいものだった。
「杏ちゃん先輩よかったじゃないですか!」
「旅行券か~、どうしよっかなこれ」
「家族でどこか行ってみてもいいんじゃないかな」
「んー、まぁ考えとく」
そう言うと杏果さんは旅行券を鞄にしまい、ケーキに戻った。
「ところで皆の衆、このあとのビンゴ大会なんだがもちろん参加するよな?」
「そうですね、最後の催しものですし」
「今回も去年同様で景品も多いみたいだからね」
「なにが当たるかとかはわからないんですか?」
「目玉の1等とかなら生徒会の奴らから聞いたぞ。確か人気のゲーム機だったはずだ。あとはまぁ行ってからのお楽しみだな」
「結構いいもの出てるんですね」
「年に一回のお祭りごとだからな。おい杏果、それ食べ終わったら出発するからさっさと食っちまえ」
「ん~」
気がつくと、そこそこ大きかったワンホールのケーキがもう残り一口くらいしか残ってなかった。相変わらずこの人の胃袋はどうなっているんあろうか。
「じゃあ杏果も食い終わったことだし行くか」
「「「「はーい」」」」
部室の鍵を閉め、僕たち万屋部はビンゴ大会が開催されるステージに向かった。
[おー待たせしました!これより皆様お待ちかねのビンゴ大会、始めちゃいますよ~!]
わーっ、と会場から大きな歓声が上がる。みんなこれを楽しみにしていたのか会場のテンションは上がりに上がっていた。
[ルールの説明は不要と思いますが軽くだけ説明させてくださいね~。こちらのビンゴマシーンから出てくる数字を読み上げまのでお手元にあると思いますビンゴシートにもしその数字があったらその数字を抜いちゃってください!そして横、縦、斜めの一列が揃った方はビンゴとなりますのでビンゴになった方はステージまで来てくださ~い]
説明が終わるとまた歓声が上がった。
そう言えば僕たちってビンゴシート貰ってたっけ?肝心のビンゴシートをまだ僕貰ってなかったような・・・
「冬馬君、冬馬君。すまん渡し忘れてた」
「あ、ありがとうございます」
そう言うと部長がビンゴシートを渡してくれた。どうやっら全員分すでに用意してくれてたみたいだ。
[さてさて、お次に皆さんお待ちかねの景品の紹介をさせていただきますよ~。まず1着の方ですが、1番始めに揃った方にはこちら!人気のゲーム機、リングファイトのセットで~す!」
景品がステージに登場するとまたわーっ、と歓声が上がった。
[2番の方にはこちら、台湾旅行権のペアチケット!3番の方には折りたたみ自転車となっておりま~す!そして~これ以外にもまだまだ景品はご用意しておりますので皆さん、頑張って当ててくださいね~!」
景品の紹介がすみ、会場の盛り上がりは最高潮となっていた。
「おーっし、当てるぞ~!」
「私も、頑張ります!」
「俺はとりあえずビンゴでも目指すか~」
「僕もとりあえずビンゴ目標で」
「琢磨くんも冬馬くんも弱気なんだね」
「そういうお前はどうなんだ?」
「僕は当たったらいいなくらいの気持ちだよ」
「お前が1番弱気じゃねぇか」
[それでは皆さ~ん!お手元のシートの真ん中を開けちゃってくださ~い!]
アナウンスがなり、全員がシートのに手をつける。
文化祭最後のビンゴ大会がいよいよ始まる。