パールガープは戦いたい
8話 パールガープは戦いたい
「パールガープ様と呼べ無能が、それともさっき死んだ無能どもを慈しんでいるのか?、無駄だ、無能は所詮無能だからなぁ?」
パールガープはハルカに歩み寄る。
「こ、こいつはまずい!」
足がまともに動かずツルツルと立てなくなる。何度も立とうとするが足が滑る。
(パールガープって!、協会実力No.1の!?)
(興味ないから適当にやってろ)
「どんな強者かと思ったら、期待外れだ、おい無能英雄、お前は俺に何かできるか?」
なんとか立ち上がり刀を握る。
「ポケットに手突っ込んで話すなんてな、そんなにあんたは偉いのか?」
「回答になってないぞ無能、もう一度チャンスをやろう」
「何でもできるって事だよ有能!」
歌舞伎を使用して近付く、刀を振り上げておろそうとしたが、体が動かない。
体に熱を感じる、まるで体を擦った様な熱さだ。
「な、なぜ」
「操者「摩擦」、それが俺の能力」
(つーことは!、空気と俺の摩擦係数を動けないほど増やしたって事かよ!)
「無能はやはり無能だな...」
パールガープが手をかざして力を加えようとした。
「飾者「△」!」
ハルカを三角形が包みパールガープの能力が当たる事はなかった
後ろに立てられていた銃が塵へと化した。
「貴様は誰だ」
「アクチュエータ本部戦闘組員マーズ!、生憎そいつは生け捕りって決まってるっすから!」
未知の力がまた広がり、マーズが滑りこけた。これも摩擦の能力だろう。
「無能が、俺の能力を防ぐだと...?」
「先走るなと言ったろマーズ!」
ガマが能力を使用し、ハルカとマーズを農耕で遠くへ移動させた。
「協会はいつからこの俺に立て付く様になった?」
「これは協会の意向じゃない、俺ら戦闘員の決断だ!」
「ガマさん...」
無様に転がるハルカがガマを見て言った。
「1週間ぶりくらいか?、あとでラーメンでも食うか、とりあえずカミナに合わない様逃げろ!」
「でも!」
「逃げろと言ってるんだ!」
その言葉に動揺し、衝撃を使って遠ざかった。
「ガマさん...、俺は!」
召者「弾」 力者「腕」を獲得
「これは...!?」
(悔いのない軍人からの置き土産よ、珠美さんも、もう逝ってしまったわ...)
「ぐっ! クソッ! 俺は! 俺はこのままじゃ!」
(殺せ、殺せ、パールガープを殺せ)
テントで怪我を治療していた兵士達が、怨念となって叫び回る。
「そうだよな...、許せないよな...!」
ハルカはパールガープの見える高台まで飛び、観察を始めた。
「摩擦を操れるのなら至近距離では戦えない、なにかないか..、何か!」
パールガープ編
「身の程を知れよ無能力者、確か半河間と言ったな、格下が格上に立て付くことの恐ろしさを知っているんだろう?」
「毎回毎回、格上と戦ってるからな!」
鎌を取り出して構えた。
「ここが正念場だ半河間俊和、お前の底力見せてやれ...」
そう言って自分を鼓舞した。
「マーズ!お前はパールガープに狙われない様飾者使っておけ!」
「は、はい!」
奇飾者「△」
マーズの能力は移動している最中の物体は狙いが定まらないため、ガマは戦闘に参加は無理だと考えた。
「いくぜリセマラ勝ち組さんよ!」
突撃するかと思いきや、土の手を作ってパールガープから遠ざかる。
「ちっ、射程を知られたか」
パールガープはマーズを見るも手が出せない事に苛立ちを覚えてガマを追いかけた。
「が、ガマさん...本当に大丈夫なんすか」