ハンナ所長は苦労気味
5話 ハンナ所長は苦労気味
協会本部にて
「はぁ、ただでさえ忙しいのに三笠都は暴れるしガマは戦争行くし、災難だな」
休みも返上して研究員がだべる。
突如、空中を階段の様に歩いて降りてくる人影が見える。
「おい、なんだこの有様は」
「あ?、見たらわかんだろ暴れ、ひぃ!」
金髪の将校の様な格好をした男がいた、爽やかな顔はしかめっ面の顔で台無しになっている。
若い風貌に似つかわしくない凶悪なオーラを出す。
「パ、パールガープさん...」
パールガープ
協会の実力No.1。協会としてはいるだけで抑止力になりえる存在なのである程度の自由は許している、
「おいそこの無能、例の無能ミヅハを倒した無能三笠都と言う奴はどこだ?」
「に、逃げました!」
「逃げた?、チッ、」
突如、踵を返して出口に向かう。
「ど、どこに向われるのですか?」
「暇だから戦争に決まってんだろ!!、あと俺の部屋掃除しやがったら殺す!」
「は、はい!」
ポケットに手を突っ込んだまま、パールガープは空中へ歩いて行った。
「あの能力であんな事が出来るのか...」
「ったく、なんで俺らが年下に敬語使わなくちゃいけないんだよ、能力だけの奴にさ」
階段上から所長が降りてきた。
「パールガープか、奴の奔放さには呆れるな、まだガマの方が利用しやすい」
「ハンナ所長!、おはようございます」
「おはよう、ガマとパールガープは仲悪いから喧嘩にならなければ良いが...」
「所長ねぇ、ガマさんがいくら強くてもパールガープの能力には敵いっこないですよ、操者の中でも最強の方ですから」
「No.1が1番能力に依存しているからな、その点では協会は面が悪いな」
「10年前から能力ありきでしょこの世界、地味な能力はこんなふうに雑務ですよ〜。」
「あぁ?、なら能力を与えてやろう、血を全部抜いて入れ替えよう」
「それは非道徳では!?」
数時間後
「おいハンナ、マリオネットはどうなった」
研究室にドレスを着たスタイルの良い女性が訪ねてきた。
「はい、半河間が連れてきたものの、三笠都ハルカによって連れ去られました、マリーアントワネットさんも興味がおありで?」
「その名で呼ぶなハンナ!、マリアンヌBBといえ、恥ずかしいじゃろう...」
「はいはいマリアンヌバリバリ」
「マリアンヌビービーじゃ!!」
(ああ可愛い...)
ハンナ所長はマリアンヌを抱きしめた。
「なにをするハンナ!、No.3に向かって無礼じゃぞ!」
軽い体を膝に乗せられ猫の様に擽られる。
「はいはい、これだけじゃ怒らないでしょマリアンヌは」
「ぐ、ぐぬぬぬ...」
「あ、それとマリアンヌの連れてきたサガラカミナ、なぜ本部に招待したの?」
「壊れそうじゃった、からかの...」
「壊れそう、ふぅん...」
ハルカ編、脱出から1週間後
戦争で砂漠化の進んだ地域で二人は歩いていた。燦々と照らす太陽に何もできずに労力を費やす。
「水、水...。」
「ミヅハ〜、能力貸してー。」
(まじで死にかけたら貸してやるよ、俺の鍛えた能力はそんなことで使いたくねぇ)
「ケチクセ...。じゃあサミット〜、衝撃貸して〜」
(じゃあって言ったから貸さない)
「問題ありすぎだろ...俺の能力」
「あ、今なら母乳出る気がする...」
幻覚が見えているのかマリが自分の胸を揉み始める。
「やめろ〜、なんだか吐き気がする〜」
「怒る気しない〜」
「はぁ...」
2人が同時に溜息をする前に、1人の女が現れた。
「なーにしてんのさ2人とも。」
(あ、この声は...)
「アリア、お前もなんでこんなとこいんの?」
「協会のあいつが前線行けって言うから言ってるんでしょ!っていうか、あんたらはなんで手配されてる訳!?。」
「アリアを逃した事がバレた」
「嘘つけそれなら私も手配されてるわ!」
「確かに...!」
アリアは2人に水を分けて一緒に歩く。
「いきかえった〜!、ありがとアリア!。」
マリが嬉しそうに言う、それを満面の笑みで返した。
「やっぱり俺は好かれるんだなぁ」
「私はあんたに体切られたんだけど...?」
「す、すいません...」
「手当てしたのは命狙ってたマリだし、あれからごめんの一言もなかったわよね?」
(アリア逞しくなったわねぇ)
「ご、ごめんって」
「さ、着いたよ前線戦争」
遠くにいて響いてきた轟音、死体の腐敗臭や火薬の匂いが風に運ばれてくる。
「これは...、ひどいね」
ハルカは何も言わず、ある場所に向かった。