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彼の心を救うのはあの彼女です!  作者: らららんど
一章 過去を振り切れ!
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疎外感

 そして勉強会当日の朝。


 なんと璃久が夏風邪にかかったという報告が来た。


 タイミングのいいというか悪いというか。


 そのまま三人でしようかと考えていたところで桜から一つの提案された。


『真奈ちゃんが宿題手伝ってくれないかって来てるんだけど誘ってもいいかな?』


『真奈ってクラスの進藤のこと?』


『そうだよ』


 あまり話した事はないが知らない顔ではないし宿題をするところは桜の家なのであまり考えずに『大丈夫だよ』と返した。

 それは真理愛も同じようだった。

 二人も俺も桜の家は知っているので現地で集合ということになりそのための準備を進めていた。

 準備が終わるとちょうどお昼くらいの時間になっていた。昼飯を軽く済ませて、そのまま家を出ていった。

 桜の家に着きインターホンを鳴らすと家の中から若干慌ただしい音がして桜が出てきた。


「いらっしゃい、颯くん。どうぞあがって」


「おじゃまします」といって玄関を上がるとそのまま部屋に案内された。

 部屋に着いてもまだ誰もいなかった。一番乗りだったようだ。

 どうしようかと手持ち無沙汰になっていると桜がトントンとノックしてきた。


「入ってもいい?」


「いや桜の部屋だよ?」


 そう言って笑っているとまたインターホンの音がした。


「行ってくるね」


 と言われてまた、何もすることの無い時間ができてしまった。

 しばらくすると真理愛と真奈も上がってきた。


「颯くん、おはよ!」


「おはよ。ってそんな時間帯じゃないけどな」


 真理愛はそうだねと笑っているが真奈はというとぶっきらぼうな感じでこちらを見ていた。

 少し気まずかったのでとりあえず挨拶はしておくことにした。


「今日はよろしくね、進藤さん」


「どうも」


 返答も雑であっけらかんとしていると、桜が勉強し始ようかと声をかけた。

 勉強中は集中して出来ていたが桜たちが和気あいあいと話していると肩身が狭くて仕方なかった。


 桜や真理愛は話を振ってくれるものの邪魔していいのだろうかと思ってしまいあまり会話に参加することもなくただ黙々と勉強していた。


 自分の宿題を終えてからは夏休み前の復習だったり二学期の先取りをしていた。


 たださっきから進藤さんが睨めつけるようにこっちを見ていて集中しようにもできなくて困っている。


 この雰囲気に水を差すわけにもいかなかったので、どうしたものかと思っていた。


 結局こんな状況が長々と続いてしまいそのまま勉強会はお開きになった。


 真理愛も真奈も電車を使うそうで途中までは方向も同じなので一緒に行くことにした。


 帰り道の途中でさっきから気分でも害したなら悪かったなと思い声をかけた。


「さっきからなんか俺悪いことしちゃったかな?もし、してたらごめんな」


「いや、いいよ、今日は私が急に行きたいって言って迷惑かけてるし」


 少し頬が赤く色づいている。多分素直じゃないんだろう。少しぶっきらぼうだったから少し勘違いしてたのかもしれない。


 そう思って笑顔を浮かべていると

「なにニヤニヤしてんだよっ!」

 と言われてしまった。


 そこまで嫌われてるわけでも内容なので少し頬が緩んでしまってまた真奈に注意されてしまった。

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