第2話 いきなりギルドで小火騒ぎ
美里に連れられて外に出ると、露店が並ぶ賑やかな街並みだった。
「いくわよ。」
美里は隼人の手を引き、剣と盾の看板の建物に入っていった。
そこにいた上品そうな女性が声をかけてきた。
「隼人、美里が来たわよ」
「ごめんね。お待たせ雪、崇」
全身鎧を着た崇らしい人物が振り返った。
「よく着たな、隼人、美里、早速クエストに行くぞー。お!これなんかどうだ。」
崇は100,000銅貨と書かれた手配書を指した。
「いいわねー。それにしよっか?グリフォンとか久しぶりね。燃えるわ。」
雪が頷いた。
「ちょっと待って。隼人が記憶喪失らしいの。どうしよう私・・・」
「な?大丈夫か隼人、おい!」
崇は心配そうに隼人の腕を掴んだ。
「痛い」
「わりぃわりぃ」
「ちょっとー。女の子なんだから優しくしなさい。」と雪が叱る。
「それはそうと記憶喪失とはな。どうする?」
「そうねえ。困ったわね。今月ピンチだし働かないと。少し簡単なのにしてみる?」
「ならこれなんかどうだ。」
40,000と書かれた手配書を今度は指さした。
「コボルトキング討伐かー。無難ね。」
雪はクエストを受けにカウンターに向かって行った。
「ところで隼人。君は自分が魔法使いだと覚えているかい?」
え?俺が魔法使い、モノは試しだと思い適当にスキル名を呟いた。
「ファイアーボール」
すると火柱が放たれて手配書が何枚か燃え始めた。
「おーい誰か。火を消せ。あの女を取り押さえよ。」
隼人はギルドにいた人達に取り押さえられた。
3人はその様子を呆然と見ていた。
衛兵がやってきて言い放った。
「お前を放火の現行犯で拘束する」
俺は縄で手を縛られて傭兵に拘束されたのだった。
その後、意識を失った。