続・幼馴染みのアイドルの熱愛が報道されたら何故かみんなが優しくなってツラい
前作の誤字報告・評価・感想・ブックマークありがとうございました。
調子に乗って続編書いてしまいましたよ
「はい、この間昼のお礼」
「え……そんなつもりじゃなかったんだけど?」
登校したら前にお昼をくれた三人がいたので、お菓子を配ろうとしたが、上崎君が遠慮がちにマカロンを拒否する、男の手作りはだめですか?
「いやぁ、美鈴にせがまれて一緒に色々ジャムを作ったけど、1週間の撮影でいなくなってさ、マカロンにいれて消費しようってだけだから」
「よし、ありがとう、一気に消費しきろう」
さっきと、うってかわって急に食いついてきた……
「いや、全部なくなったら怒られるよ、さすがに……」
「そ、そうか」
「はい、倉田さんも」
「わぁ、ありがとう、大切に保存しておくね…………」
うんうん、素直にもらってくれて良かった……出来れば食べてくださいあまり日持ちしないと思うんで。後は……国分君だけだな。
「はい、国分君も」
「俺はいい……」
「えー捨てても良いからもらってよ」
「……」
しかし、国分君はマカロンをじっと見つめている。
「ん?」
「………」
入れ物を左右に移動するとちゃんと視線を追わせてくれる。
「はい、あーん」
「ん」
素直に口を開ける国分君(195センチ118キロ)……ちょっとワクワク。
「あむ」
「……倉田さんはもうあげたよね?」
「えへへ」
何故かマカロンを口にいれたまま噛まずに笑顔を見せてくる倉田さんとこっそり肩を落としている国分君、いや、素直に受け取ってくれよ……
「あれ、先輩?」
「お、鳥園」
昼休み、購買の自販機で飲み物を買う所に見知った後輩が声をかけてきた。
「やっと、私に慰めてもらうために来てくれたんですか?」
「購買で?」
「私は吝かでもないですが……あ、報酬は毎朝のせんぱいじ……お味噌汁でいいですよ」
「いってる意味がわからない」
「私じゃバブみが足りませんか?」
「今日は購買?」
……ちょっと頭がおかしくなりぎみな様なのでスルーしておくことにして、話を変えてみる。
鳥園 愛莉、中学の頃からの後輩で、良く美鈴の後ろをついてきていた気がする。確か弁当派だったはずだ。
「今日は寝坊してしまって初めて来たんですけど……」
「ああ……」
相変わらず、学食も購買も人だかりがスゴイことになってる……
とみていると
「おい、寝取られ先輩だ!あけてやれ」
「ああ……ミレイちゃんの……」
「あれが……」
「ドンマイ良いことあるって」
「豊君……………」
購買の人だかりが割れた……モーゼの海割の奇跡?
いじめかな?
寝取られとか言われてても、学校や近所で美鈴の評価も下がらないのはスゴイと思う。
「……何か買う?」
「せ、先輩は?」
「自販機だけのつもりだったんだけど……」
流石になにも買わないわけには行かなくなったのでカフェオレを購入、おばあちゃんが『頑張りなさいよ』ってアメをつけてくれる。やめてください……
「じゃあ、一緒にご飯食べますか」
「いや、なんか買ってこいよ」
「あ」
「いや、おかしいですよね?」
いつも、美鈴と食事をとっている部室に鳥園を連れて昼食を用意していると、いきなり声をあげてきた。
「何が?やっぱりパスタ、イヤだった?」
ソースはオリジナルだぞ?冷凍してるやつだけど……
「何で暖かいパスタが出てくるんですか!?」
「いや、栄養管理が必要とか言われて、料理部申請してみたら普通に部室もらえたから、つい……」
当たり前だが、部費なんてものはなく、材料費は折半のつもりだが、基本的俺が作るので美鈴の方が多く出してる。
「つい、って……そのエプロンは?」
「美鈴が売れ残りくれた」
「……I♡LOVE ☆ミレイ☆エプロンをですか?」
因みに、写真がプリントされてたりする。
「流石に買う勇気はない」
「幼馴染みを汚したりすることに興奮したりしないんですか?」
「エプロンに興奮してたら料理出来ないよな?」
「因みに、私がプリントされたエプロンとかどうでしょう?」
「売ってんの?」
「売ってるわけないじゃないですか」
だよな……
「じゃあ、エプロンのかわりにバニースーツとかは?」
「着てたまるか」
「裸エプロンとか」
「見たきゃ金払え」
「今、財布に二万あります」
「……俺が悪かった」
「先輩は愛人はどのくらいまで囲えますか?」
「はい?」
「ペットは、どのくらい飼いますか?」
「何をとかじゃくて?」
こうして、後輩と久しぶりに昼休みを過ごしていった。
「お邪魔します。
それと、お帰りなさい、美鈴ちゃん」
久しぶりに私の部屋で幼馴染みと向かい合う。
「はい、天音姉さん、これお土産です」
「ん?鎌谷誠哉のサインとかグッズなら要らないよ?」
「かま……せ?」
何かのキャラでしょうか?
「あ、うん、なんでもない」
「?」
何故か、妙に納得したような表情をする天音姉さん。
「ロケ地のお菓子です」
「ふふ、ありがとう」
「どういたしまして」
楽しそうに受け取ってくれて、一安心したところで本題の1つ目に入る。
「天音姉さん」
「なに?」
「次回、パス1です」
「えー久しぶりに会ったんだし、むしろちゃんと報告しただけでもも褒賞ものだよ?」
案の定、反論する幼馴染みはとても年上とは思えず苦笑してしまう。
「ナデポチョロインの意見は聞きません」
「ナデポチョロイン?」
「主人公に頭を撫でられるだけで恋に落ちる尻軽です」
「名誉毀損だよっ!?」
「覚えて無いんですか?昔おままごとで……」
_____
豊君・私 4才 天音姉さん 6才
3人で豊君の家であそんでいたときの事……
「ねぇ、ゆたかくん、おままごとしよ?」
「うん」
「わたしがママでゆたかくんはパパ」
「みすずちゃん、わたしは?」
「ワンちゃん」
「えーずるくないかな?」
「天音お姉ちゃんはもう、小学校に行ってるんだからいいでしょ?」
「ゆたかくん……」
「天ねぇワンちゃん、よしよし」
おそらく、配役で揉めるのがイヤだからなあなあで進めようと、豊君が天音姉さんの頭を撫でた時……
私には『プツン』という音が聞こえてきたような気がした。
「……」
「あれ、天ねぇちゃん?」
急に黙って俯いた天音姉さんを心配する豊君……次の瞬間には
「ワン、ワンワン、くぅーん、くぅーん」
「ちょ!?あ、あ、天ねぇちゃん、やめて舐めないでっ!?」
興奮した天音姉さんが豊君を押し倒し、舐め回していた。
「……ずるい」
「助けてよ、美鈴ちゃん」
その衝撃でテーブルにあったプリンが豊君たちに落ちてきたりもした……
今まで一番甘いプリンだった気がする。
______
「私、ナデポチョロインだった!?」
「だから、言ってるでしょう?」
「なんか、納得いかない……」
「それより、本題に入りましょう」
「この間は『首輪』のデザインだったよね?」
「はい、今日は『家』の間取りの素案を固めましょう」
「うん」
「ふふ」
ウチのグループメンバーにすら勝るように見える笑顔を浮かべる天音姉さん。
きっと、私も同じような笑顔を浮かべているでしょう。
また少しだけ、理想郷が現実味を帯びてきたのだから……
オチが長い。
こんなんナデポじゃない。
短編ネタを調子に乗って続けるからこうなる。