魔法と剣が使えないのでこの五体で戦います。
「ワン!ツー!スリー!フォー」
いつも聞く言葉。この声を聞いているときはいつも倒れている人を眺めている。俺は最強を求めた。世間では人類最強とまで言われてなお、最強を求め鍛え続けた結果KO勝ちしかした事がない。
「シックス!ナイン!テーン!」
ウワー!と歓声がなる。
また勝ったのか。つまらない。まだ、俺は本気を出していない。本気を出せる相手なら何だっていいとさえ思った。銃や刀を使われてもいいとさえ……強くなりすぎると虚しくなると言うが、本当にそのとうりだ、ただ、俺には養う家族がいない。大切なものを守るためにって言う感情も無いのがいけないのだろうか?
そんな事を考えているといつのまにか、口元にマイクが突きつけられていた。
「今回の試合もKO勝ちでしたね!それについて一言お願いします」
正直な話、(つまらなかった)それだけだ。
「今回もKO勝ち出来ましたがやはり、応援して下さる方々あっての勝利だと断言できます!なので、応援してくださる方々の為にもまだまだ強くなって行きたいと思います!」
そうだ、つまらなくてもいいとりあえず強くなろうと。しかし、この人生では無く異世界にでも転生して強くなろう。そして、本気で戦える相手に出会おう。