スライムの執念深い片思い
一時間クオリティ。あまり意味は無いです。
友人とLI⚫Eをしいた時に、ふと思いついたものです。
(ひぇぇぇぇ、寒いなぁ)
ここはとあるサキュバスさんの、冷蔵庫の中。僕は、魔界一最弱と言われるスライム族。
僕の属性は水で、氷属性の冷蔵庫とは仲良しで凍死する事は無いけど寒い。
「ふわぁぁぁ、疲れたー……」
あ、この冷蔵庫の持ち主、サキュバスのリームさんが帰ってきた!
ふふふ、僕は水のスライムだから、透明な瓶に入って水のフリをしている。
いつかリームさんに飲んでほしい!そして僕はリームさんの、血となり肉となり永遠に一緒だ!
「喉乾いたなぁ」
今日のリームさんは、男性の精液を搾り取ってきたばかりみたいだ。たまに牛の乳を間違えて持ってきちゃって、不機嫌だけど今日は成功したみたい。
そんなドジっ子リームさんは、冷蔵庫を開け僕の隣にあった瓶を持っていく。
あああ、今日も僕は選ばれなかった…。
しょぼんとしながら、リームさんの動きを冷蔵庫の中から探る。
「あ、もしもし。クレ?精液が手に入ったの〜」
リームさんは、どうやら電話をしているようだ。お相手はインキュバスのクレ。
僕もあいつを知ってるぞ。僕がリームさんの事が大好きになった、きっかけのやつだ。うーむ、羨ましい。
「うん、じゃぁ取りに来て。また後でー」
どうやら電話は終わったらしい。だけどあいつがこの後来るのか……、優秀なインキュバスだから僕が居るとバレてしまうかもしれない。どうしたものか……。
ところでこの世界のサキュバスとインキュバスは、自分達だけでは子孫を残せない。その為にサキュバスが人間の男から精液を取り、インキュバスがそれを人間の女の夢に入り悪魔の子供を孕ませる。
そうやって今まで子孫をつくってきたのが、サキュバスとインキュバスだ。
ちなみにスライムは、自然から勝手に生まれる。
「にしても今回の男のは、薄いなぁ。濃い方が高く売れるんだけど……」
どうやらリームさんは、今回の結果にご不満らしい。精液に薄いも濃いもあるのだろうか。僕には全く理解のできない話しだ。
そこで玄関のチャイムが鳴り、クレが入ってくる。
「おい、リーム。今回の薄くねぇか?」
「しょうがないでしょ。で、いくら?」
早速リームさんがクレに精液を手渡す。なんて奴だ、折角リームさんが取ってきた物に文句を言うなんて!
「あー、いつも通りこんくらいで。にしてもリームお前まだ」
「良いでしょ、別に」
「全く……、じゃぁな」
「はーい、またよろしく」
クレは帰る前に、リームさんの額に口付けしてから去った。一瞬冷蔵庫の方を見られたけど、気のせいかな?まぁ、いいや。
「さて、そろそろ疲れてきちゃったのよね……飲めるのかしら。アレ」
んんん?まさかもう1度飲んでもらえるチャンス到来?やったー!
リームさんが再び冷蔵庫を開け、僕の入った瓶を取り出す。
ついに!ついにこの時が!
「水分摂取の為に食べるっていう魔族も居るし……大丈夫よね?」
そう言ってリームさんは、僕を飲んだ。やったあ!これでリームさんと僕はずっと一緒だ!
……そう思っていたんだけど、僕はどうやら転生してしまったらしい。
(あれ……?)
僕はスライムより軟弱な、人間の女になっていた。見た事の無い景色に僕は思わず泣いてしまった。
「おぎゃああああああああああああ」
恥ずかしい赤ん坊時代から時は流れ、僕……私は高校生になった。
今までリームさんが居なくて退屈だった人生。両親には申し訳ないけど、早く終われと思ってた。
だけど私は高校生になって、運命的な出会いをする。
「リームさん!」
「はい!?」
私はリームさんに出会えた!でもこの世界で同性愛はあまり認められないらしく、同族同士を食べるのも禁忌な為私達は結ばれない。
「あの、私は凛夢と言って、リームではないですよ……?」
「お前、冷蔵庫にずっと居たスライムか?俺はクレじゃなく、呉羽だ」
「お前に用はない。あっち行け」
リームさん……凛夢さんは違うと言っていたけれど、私は間違えない。
それに癪だけど、隣のクレ……じゃなくて呉羽が認めてるしね。
「あっちに行くのはてめぇの方だ、スライム。お前に入る余地はねぇよ」
そう言って呉羽は、私の目の前で凛夢さんの額に口付けした。
そんな呉羽の頭をはたいて凛夢さんは、私の頭を撫でて「ごめんね」と言ってくれた。
やっぱり凛夢さんは、天使か女神様に違いない!
「あのスライム執念深いな……」
「あら、可愛いじゃないの」
ありがとうございました。
オチもあまり考えてはおらず、スライムが一目惚れしたシーンも書けなくて色々とすみません。
とりあえず楽しかったです。きっとスライムはこの後もいじられキャラとして一緒に居るのでしょう。