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またもや思いつきから始まります。
こちらは「モブの日常」の裏話的位置付けになるのでそちらを先にお読み頂く事をオススメします。
課金しまくった。
誰かに言うとドン引きされる自信がある。
それくらい課金しまくった。
そして、最強の武器防具を手に入れて悪をやっつけに行くのだ。
仲間の称賛を一身に浴びながら。
そんなゲームも飽きてきたなあ、なんて思ってたところにメールがきた。
「新しいゲームにご招待?
上位課金者にはお好きなキャラをプレゼント?」
また新たな課金への招待かと思いながら読み進めると、どうも今回は無課金のゲームらしい。
そんなんでどうやって集金していくのか分からないけど、どうせ無課金なら、と招待を受ける事にした。
選択したキャラは「魔王」
今まで散々悪をやっつける側ばかりだったので今回は反対側を選んでみた。
魔王の世界の指揮官は、
「本当によろしいのですか?
途中変更は行えませんよ?」
何度も念押しをしてくる。
その問いに何度も「無問題」と応える。
開始早々に指揮官の念押しの意味が分かった。
そりゃもう嫌という程に。
暇なのだ。
よくよく考えてみれば、魔王はラスボス。
最初から出張ってたら世界のバランスを崩してしまう。
そんな僕は無駄に豪華な魔王専用の椅子しかないだだっ広い魔王の部屋で今日もポツネンと座っていた。
「魔王は1番人気のないキャラだったんですよ」
苦笑しながらそう話す指揮官。
何も言い返せない。
黙って指揮官を睨むと
「魔王補正を付与しても構わないとマスターが仰ってました。
大筋のルート変更は認められませんが、ポイントポイントで変更可能な補正です。
魔王補正を使用して最弱から参加してもヨシ、
いきなり勇者をやっつけてもヨシ。
全ては魔王様の御心のままに」
悪代官のような笑みを浮かべて話す指揮官。
そんな事をしたら大筋とやらから大分外れる気もするが、、、
そうは言ってもすでに勇者達は旅立ってしまっている。
レベルも少々上がっている様子。
魔王補正の1つの千里眼で毎日勇者達の様子をストーキングする。
「どうすっかなぁー」
魔王配下も少しずつ増えてきてはいるけど、配下の役割もやっぱり勇者達がここまでこないと何もやる事がない。
そんなヒマを持て余した配下達が造反を始めた。
造反した配下達の行き着く先は、、、
勇者達にやられる役。
「あーやられちまったぜー」とか言いながらログアウトしていくかつての配下達。
中々楽しそうである。
そんなすぐやられる、造反した元配下達。が最近の人気キャラらしい。
このキャラはリピーターも多く、「おー久しぶりー!」だの「初造反なんでよろしくお願いします!」なんて魔王の部屋でワイワイやっている。
僕もソレにすれば良かった、、、。
お読みくださりありがとうございます( ´ ▽ ` )ノ