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湖水地方の王国

 聖王都アルヴィナ、西中央通り、王立冒険者ギルド総本部―。

 磨き上げられた大理石を敷き詰めた床の大広間は、いつもの様に多くの冒険者達で賑わっていた。


「ただいま、ミレディさん!」


 受付のカウンターでウェーブロングの赤髪した王立冒険者ギルドの受付嬢ミレディ・グレイラットの前に左目に大きな傷跡がある槍を肩に担いだプレートアーマー姿の魔法戦士の若い男が意気軒昂に声を掛けてきた。


「あら、ライアンさん。お帰りなさい、盗賊団の討伐依頼の方はどうでしたか?」


 魔法戦士の白金級冒険者ライアン・ユーヴェンスとその傍らに女魔導士の白金級冒険者テレーズ・ティル・ニコライカの二人を確認したミレディは、先日二人が銀級冒険者以上の依頼であるアルサケス街道に出没する盗賊団の討伐依頼を請け負っていたことを思い出して、尋ねた。


「いやぁ、意外と手こずりました。彼奴ら、はぐれオーク達と組んで街道を通る隊商を襲っていた様で、森の中にあった廃城のアジトを見付けて、切った張ったの大立ち回りでしたよ」


 ライアンの話を聞きながらミレディは、羽根ペンを走らせて、依頼報告を纏めていく。


「それは、大変でしたね…」

「後、討伐したアジトの廃城を探索したら、地下牢に攫われた女達が四人居たんで、レーベの街の衛兵隊に知らせて彼女達を保護して貰いました。後、生け捕りにした盗賊達も一緒に引き渡しておきましたんで…」


 ライアンは、腰の背嚢から筒状に丸められ、赤い蜜蝋で衛兵達の紋章が刻印された書類を取り出す。


「それで、これがレーベの衛兵隊からのギルド宛ての報告書です」


 ライアンから受け取った報告書をペーパーナイフで蜜蝋の封を解いて、ミレディは、中身に目を通した。

 ライアンの説明通り、街道の盗賊討伐からアジト発見と討伐。救出した女性の保護から廃城の実況見分まで、詳細に纏められていた。

 これだけの書類が揃っていれば、作成する報告書は、補足だけで大丈夫だと思ったミレディは、速効で報告書を書き終えると、羽根ペンをペン立てに刺した。


「はい、これで、報告書の作成は完了しました。ご苦労様です」

「ほんと、苦労しましたよ…」

「宜しければ、青のポーションがお一人様一ダース限りで特売になっておりますが…」


 ミレディが特売の青のポーションを営業スマイルでお進めする。


「一ダース、戴きましょう」


 ライアンは、透かさずミレディの手を取って、気前良く購入する。

 因みにこの特売の青のポーションは、トーリが何時もの様にギルドに買い取って貰った一級品のポーションを作製する時に品質未達成で弾かれた良品から普通品のポーションだった。



ETC.・・・・。






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