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ルール・ブリタニアからはじまる戦争交響曲

 イングランド王国軍本陣―。


「敵は、未だ動きませんね…」


 王旗を持ったままヘンリー・グリフィスが、望遠鏡でケンタウロス達の本陣の様子を確認する。


「焦ることは無い、何れにしても、奴らは動かなければ、このまま我々に包囲されて壊滅するだけだ」


 白馬に乗ったエリザベス・テューダーこと、イギリス女王エリザベスがそう言うと、望遠鏡を下ろしたヘンリーは、一人静かに頷く。


「それと、陛下。陛下の軍勢をこの作戦に使わせて戴いて本当に感謝します」


 王旗を拾いに後先考えずに無謀にも、一人戻ったエリザベスを追いかけて、国王親衛隊隊長ウォルター・ローリー達が駆け付けてきたことで、ウェルズリーの発案した包囲作戦にヘンリーがエリザベスの軍勢を加えて、より確実で強固な包囲案を思いついて提示すると、ウェルズリーはともかく、最初はエリザベスの方は、兵を動かしてくれるか少々不安があったが、作戦の合理的観点からエリザベスは快く承諾し、退避していた兵を動かす様に駆け付けてきたローリーに命じて、伝令を送った。

 単純に考えれば、東からウェルズリーの英国歩兵連隊三千と北からエリザベスの歩兵部隊千五百と騎兵八百が包囲しながら進軍してくる自軍と戦闘を避けて追撃を振り切って撤退するには、障害物が多く足場の悪い撤退に不向きな西の森を避けて、なだらかな草地にある南の街道に逃れるしか無い・・・・。

 敵がそう考えくれれば、草地を駆けて狭い街道で縦列になった所を街道沿いの林に潜ませたムーアのライフル歩兵連隊が側面から集中砲火を浴びせて殲滅する作戦だった。


「何、王旗を拾っただけで全てを貴殿の軍勢にだけ任せるというのも、一国の女王としてどうかと思ってな…」


 エリザベスの言葉に一瞬眉を潜めるが、これは褒め言葉と受け取っておこうと内心思った。


「陛下の軍勢を作戦に投入したことで、包囲に回せる兵に余裕ができました」

「しかし、敵は一向に動かない様だが、大丈夫なのか?」

「敵が上手く罠に掛かってくれないのであれば、別の作戦を実行するまでです」

「別の作戦?…」

「あっ、動き出したみたいです」


 望遠鏡を覗きながらヘンリーは、エリザベスに聞こえる様に呟いた。



ETC.・・・・。




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