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=BlanK † AWard=  作者: 久遠蒼季、すたりあ、緑茶、リブ本
《ChapterⅡ》
92/99

ⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅡ:behind blue eyes

リレー小説『=BlanK † AWard=』

執筆者:緑茶



   ○



「まずその足を――風通し良くしてやるよッ!」

 ハインツは駆ける――そのまま、殴りつける。

 弾丸が飛来。アラクネストに向けて。

「……やはりな」

 アラクネストは脚部に力を込めて飛び上がる。

 カサカサと、腕を組んだままその弾丸を回避していく。まず真っ先に、脚を潰しにきた。なるほど、セオリー通りだ。そのまま後方から――あの少女に攻撃をさせるという魂胆だろう。

 ハインツは――近づきつつ、砲撃をやめない。距離が近くなる。確実に、アラクネストを狙える距離へ。だが――。

「オラッ!」

 弾丸――正面に命中。

 ……しない。

 その瞬間、既にアラクネストは糸を放っていた。ハインツの後方へ着弾――その身体が弓のようにしなり、サーカスのブランコのように、鋭い多脚を彼に向けて高速で突き出す――。

「しま……ッ」

「甘かったな」

 アラクネストの声――彼の影がハインツにかかる。

「――そうかい」

 ハインツは――ブリッジ。そのまま腕を――上空へ突き出した。

「……何」

 それは予想外の動きで――。

 アラクネストの、頭上。ハインツの拳を喰らい、破砕された岩の一角。彼めがけて、落ちてくる。

 アラクネストは後退を余儀なくされる。

 ――岩が落ちる。ハインツも引き下がる。均衡が崩れる。

 アラクネストが振り返る――きっとそこにあの少女が居るはずで、背中が丸見えの自分はその一撃に穿たれる――。

「そうはさせん」

 上空へ糸――一瞬の判断。一秒前の自分をめがけた攻撃なら、きっと回避が可能。蜘蛛の身体はふわりと宙に浮いて、彼女の攻撃は彼に当たらない――。

 ……そう、思った。

 が――。

 アラクネストの背後に。

 少女は居なかった。――砂埃だけが、あった。

「……――」

 だとしたら、答えは一つであり。

 アラクネストの、斜め下前方。

 岩が落ちた際の煙を利用して――彼女は移動していた。

 ハインツの側に。

「行くぞ、気張れッ!」

「しまッ――」

 少女は青年の構える拳の所へ、跳び上がった。

 彼の拳と少女の足裏がぴったりと合った瞬間――。

 ――銃撃音。

 彼の拳は――。

 少女を、射出した。

 まっしぐらに迸る、電撃の如く。


「……本当に」

 ――本当に、実行した。

 自分で宣言したことを、自分の力で成し遂げた。

 茜は――目の前の少女に驚嘆した。

 レイドを打倒し、沸き起こる硝煙のさなかに佇む少女に。

「あなたは……」

 ゆうなは、茜に振り返る。

「大丈夫……?」

 茜は聞いてみる。

 彼女は、肩をすくめて、応じた。

「大丈夫。だけど、ほんの少し……お腹がすきました」

 彼女は――笑っていた。

 暗い場所でも変わらず周囲を照らし続ける、太陽のように。


どうも緑茶です。長らくお待たせして申し訳ありませんでした。

意思の読み合いというのはバトル物の華であると思い、なんかそれらしいものに挑んでみたのですが、

なかなかどうして難しいですね……。多分本質的に僕が脳筋なせいだからだと思います。筋肉なんて無いですけど。

せっかく個々の戦い方があるのですから、それを生かした描き方が出来るようになりたいものですね。

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