ⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅠ:謀略戦!
リレー小説『=BlanK † AWard=』
執筆者:リブ本
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「…思ったんだけどさ」
ぎらぎら光る三対の双眸を前に茜と次郎は立ち尽くす。相手はハウンド三体――一体がD2、残りがD3クラス。嬉しくない邂逅であった。二人にとっては迂闊に手を出せる相手ではないからである…というのも、ハウンドは先ほど戦ったモールと比べ一回りも二回りも大型であり、この狭い洞穴のなかでは十分な距離をとることが出来ないのだ。遠距離型の二人にとっては致命的である。
「キリがないんじゃないかな、これ」
引け腰の次郎は言った。想像以上の数のレイド達に連戦を強いられ、彼は辟易としていた。
「概ね同感…」
茜もほんの数ミリずつ、じりじりと後退しながら言った。銃剣を用いようにも、一人でD2クラス含む3体を裁くにはあまりにリスクが大きかった。
「…そこでなんだけど、このまますり抜けようと思うんだ。あそこから通路になってるだろ」
次郎が軽く顎をしゃくった方向、ハウンドの背後に、確かに部屋の出口であるかのような狭まりが続いていた。
「そこに僕が…っと!」
バウッ! 彼の説明が終わらないうちにハウンドたちが飛び掛る! 二人は逆ハの字を描きながら倒れこむように回避した。
「とにかく出口まで突っ走るんだ!」
起き上がった次郎はそう叫び、少しよろけて走りだす。茜は短く頷き、起き上がりざまに銃弾で三体を牽制し走り出した。ハウンドたちは一瞬ひるんだものの、すぐさま二人を追跡する。
通路に転がり込む二人。 ハウンドが彼らをその爪牙にかけんと襲い掛かる…が、そのままビタン! と空中にへばりついた。
ずるずる…と滑り落ちるハウンドと二人を隔てているのはうっすらと輝く魔法陣。
「…うまくいったね」
必死に体当たりするハウンド達をよそに、茜は息を整えてから言った。
「ああ。でも一応、三重くらいにしておくよ」
次郎は肩で息をしながら《ワイヤードジェム》をさらさらと滑らせた。―――《ミラースクエア》は非常に素早い発動が可能だが、描き込みが少ないほど脆いものとなってしまうのである。
ガラスの砕けるような音とともに一枚目が破られるが、ハウンドたちはより緻密な二枚目に阻まれ、再びずり落ちることとなった。
「…よし、これで僕がうっかりアワードをしまったりしなければそう追ってはこれないだろう」
次郎が両手で後ろ髪を整えながら言う。
「じゃあ性急に〈イースターエッグ〉の元まで降りよう。私たち二人で倒せなくても、みんなが来るまでに手筈を整えておくことはできる」
茜が言うのに対し、次郎は頷いた。
「こういうのは親玉を倒すのが一番効率的って相場だからね」
ご無沙汰してます。リブ本です。
襲い掛かる数の暴力に対し、悉くすり抜けることを選択した茜と次郎! 果たして最深部に辿り着くことはできるのか!!?
・・・できるんでしょうか?
ではまた次回お会いしましょう!ありがとうございました!




