ⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅦ:暗闇に光る眼
リレー小説『=BlanK † AWard=』
執筆者:緑茶
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次郎と茜の進みは快調だった。
「凄いな」
茜がボソリと、素朴に漏らした。
「それは嬉しいけど。僕からすれば事前の相談無しで的確に動いてくれるあなたが恐ろしく頼もしいよ」
少し照れくさそうに次郎が言った。
「それでも、凄い。魔法陣の貼り方も上手いし、何より『無茶をしない』。出来ることを確実にやるというところが、こちらとしては本当に頼もしい。だから、まだまだ、伸びしろがある」
求道者のような口調で、茜が言った。
……あの二人に負けず劣らず、変わった人だと次郎は感じた。
「……――あなたはその力を、どうやって、手に入れた?」
不意に。
そう聞かれた。
――次郎は、なんと答えるべきか逡巡して――。
次の、瞬間に。
「とりあえず進んで、ここ抜けるぞ」
「わかってるわよ」
ハインツはありさに、あえて普段と変わらない口調でそう言って、進んでいった。
結局警戒を厳にした所で、この開けた空間にはなにもないことが分かった。
だから、無駄骨であったと思って――。
……水滴が、ハインツの頭上に落ちた。
「……うおっと」
ハインツはそれを、ぬるいと感じた。
――ぬるい?
――――……水滴が?
「ちょっ……なんで急に止まるのよ! こけそうになったじゃない――」
ありさの抗議は耳に入らなかった。
ハインツは上を見上げて、顔を引きつらせた。
「……笑えるぜ」
天井には。
大量のコウモリ型レイドが、ビッシリとその身体を垂らし、殺意をにじませながらよだれをしたたらせているのだった。
次郎に語る、すごいものだ、と
ボクなんかまだまだだ、と言う
それでもすごい、だからまだのびしろがある
どこでその力を、と聞かれ、ええと、と言って
つぎのやつがおそってくる
ハインツ達の頭上、ぴちょん 水滴
大量のコウモリレイド
緑茶です、お久しぶりです。
大人になるって言うことについて考えてみました。
結局それは物理的なものというよりは精神的なものと言えると思います。
その意味ではハインツもまだまだ未熟者です。刀真達の兄貴分ではあるのですが、
成熟した大人よりは青臭いというところを描けていればよいのですが。
ではまた次回お会いしましょう。




