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=BlanK † AWard=  作者: 久遠蒼季、すたりあ、緑茶、リブ本
《ChapterⅡ》
41/99

ⅩⅩⅩⅩⅠ:新たなる出会い

リレー小説『=BlanK † AWard=』

執筆者:緑茶

 同時刻――庫森の外れ。

 D1レイドの潜伏していると思われる場所からは程近い。

「で。変わらずか、奴の居場所は」

 スーツを着こなした、渋い出で立ちの男がそう声を発した。

 彼の傍らから、緑色の燐光が粒となって舞ってくる。

「うーん。まったくもって。どぉします?」

 はんなりとした柔らかな声。

 男のすぐ隣の女性――黒いショートヘアーにサマードレス、大きな鍔付き帽子という出で立ちの女性はそう言った。

 彼女は目の前に両手をかざし――その先には緑のグリッド線で描かれた地図が、『宙に浮いている』。その傍らには三つの光球を纏った冊子が浮遊している。

 紛れも無く――武装魔導師ウィザードとしての証。

「お前の《見張塔からずっと(オールアロング・ウォッチタワー)》で分かることは限られてるからな。魔力探知と、生命探知。で、そのどちらも、俺達以外だと奴しか示しちゃいない」

 彼女の宙に浮いた地図は周囲十メートル程を指し示しているようで、丁度自分達の十メートル先程に、青い光と赤い光が二つ重なって点滅している。

「ですねぇ。あかねちゃんはどう思う?」

 すると、それまで黙っていたもう一人の女性が顔を出した。

 茶髪のロングヘアの出で立ちを赤いローブで包んだ女性だ。

「そうですね。対象が動かないなら、動かすしかない。でなければ状況は何ら変わらない、と考えますが……」

 茜、と呼ばれた彼女は少しだけ考えこむような仕草をする――彼女の名は、森永茜。

 当然、対象、とはD1のことだ。

「しかし、対象が動けば……山が崩れます。確実に」

「さっすがあかねちゃんだね~」

 黒髪の女性はニコニコしながら言う。

「いえ、別に大したことは……」

 少し照れつつ、茜は引き下がる。

「身持ちが固い奴ってわけだな。さて、どう口説くか。……好きなタイプのレイドじゃあないんだがな」

「えー? そうですかねぇ。わたし、あの子好きですよ。かわいくて」

「ミチル先輩のセンスは時々分かりません……」

 ミチル、と呼ばれた黒髪の彼女――名を天上ミチルと言うが――の言動に少しだけ呆れつつも、茜は左腕の時計を見た。すらりとした彼女の体躯にはあまり似つかわしくない、無骨なミリタリーウォッチ。

「……十条寺さん。『彼ら』は、いつこちらに?」

 スーツ姿の中年男性は肩を叩きながら首を回していたが、名を呼ばれ、振り返って返事をする。

「知らん」

「え、知らんって……」

「いや、アーセナルの連中と合流する所までは取り付けたんだが。具体的な時間まではちゃんと決めてなかったな。まぁ、どうにかなるだろう。ここの支部長は優秀だからな」

「マイペースですねぇ、武さんは」

「おう。ありがとよ」

「褒めてないと思いますが……」

 会話の応酬をしつつ、彼ら三人は『彼ら』を待った。

 ――と、その時。



「話もそこそこに出てきちゃったけど。合流場所とか、ちゃんと決めてあるのかな……」

 D1レイドの居るという場所へ移動しながら、ゆうながそんなことを漏らす。

「まぁその辺はアレだ。フィーリングだ」

「いい加減な……」

 刀真が苦言を呈する。

 だが――こんなにいい加減でも、それでいてどうにかなる、どうにかしてしまうのがこのハインツという男であり……言葉尻と表情とは裏腹に、さほど不満を抱いているわけではないのだった。

「お。あいつらじゃねぇかな」

 ハインツは、遠くにいる三人の男女を指差す。

 ――と、その時。



 また、揺れた。

 その衝撃で、ミチルのすぐ傍にある木が揺れ……。



 それを、ハインツ達は目撃した。

 そして、「危ない」と言う暇もなく。



「……フッ!」

 十条寺武は、背中から大型の破砕砲を取り出し、揺れて倒れてきた木に撃った。

 すると――木は、どういうわけかミチルに当たることもなく、停止した。

 ……見ると、木の根元に、杭が打ち込まれており、それが転倒を阻止していた。

「危なかったな、ミチル」

 それは彼の破砕砲が放った杭だったのだ。

「ありがとーございます♪」

 


「……あの人達が」

「あぁ。間違いない。彼らが、支部長の言っていた連中だ」

 その様子を、すぐ近くまで来ていた刀真達は目撃していた。

「あれが……」

 ――あれは。何かを倒すための力じゃなくて。

 何かを、救うための力なのだ。

 刀真は目撃して、それを感じ取った。

 

 自分達の戦いは、新たな局面に差し掛かろうとしているのだ。

 彼は、そう感じた。

 

お久しぶりです。緑茶です。新勢力の登場ですね。

これまでと違うのは全員今のところ大人ということです。

この出会いが何をもたらすのか。刀真達の視野が広がって、成長できればいいですね。

ではまた次お会いしましょう。

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