表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
=BlanK † AWard=  作者: 久遠蒼季、すたりあ、緑茶、リブ本
《ChapterⅡ》
40/99

ⅩⅩⅩⅩ:呼び起こされるもの

リレー小説『=BlanK † AWard=』

執筆者:鷹木影虎



   ○



「これから、どうしようかな」

 傘を傾け、次郎は陰鬱な雨空を見上げた。ありさとの模擬戦が予定よりも早く終わり、手持ち無沙汰に感じる。夕刻の中途半端な時間で、勢いを増す雨は止みそうにない。

「うーん、ありさは行っちゃったしな」

 ありさの姿は、次郎が歩く道の遥か彼方。もはや、目視の範囲外。今さら追い掛けようとも思わないが、帰路の相手を失ったのは少しだけ痛い。

「まぁ、このまま帰ろう」

 生憎の雨に寄り道をする気にもなれず、次郎はゼラニウムのカウンターに戻ることを決める。こんな日には、淹れ立てのコーヒーを片手に、再度、読書に耽るのが最適解である。多少の不完全燃焼ではあるが、羽を伸ばすには十分に動いた。

 が、その希望を崩すかのように、呼び出しの通知が鳴る。

「結子さんか」

 着信画面に浮かび上がる四文字。メールではなく、電話。手の中で、振動は止まらない。

「きっと、悪い知らせなんだろうな」

 脳内で弾き出される確率に、次郎は一呼吸を置く。いい知らせが30%、悪い知らせが70%。不穏な気配が勝り、胸中に宿る。無駄に期待をしない方が賢明のようである。

「もしもし、結子さん」

「あ、次郎。申し訳ないけど、討伐依頼よ」

 通話開始の数秒で、結果が出る。最も想定される、悪い知らせ。結子の声は落ち着いてはいるが、深刻な状況であることを悟らせる。

「それで、状況は?」

「大型の飛行型レイドが出現しているの。クラスはD1.場所は、庫森の外れ。すでに、刀真、ゆうな、ハインツが急行しているわ。さっきの地震もその影響ね」

 想定以上の難敵に、次郎の頭は重くなる。飛行型でD1。起こり得る事象ではあるが、あまり遭遇したくない組み合わせである。そして、地震にはまるで気付かなかった。ありさとの模擬戦をしている途中で、場所が外だから気付かなかったのかもしれない。

「……なるほど。じゃあ、三人に合流すればいいんだね」

「そうなるわね。多くの被害者が出る可能性があるから、迅速に」

「凶暴性が高いの?」

「いいえ、今の様子では凶暴性は低いわ。出現してから山の上を動いていないもの」

 電話越しに、結子の一息が聞こえる。どうやら、まだ厄介事を抱えている難儀なレイドのようである。結子に釣られて、次郎も一息を吐く。

「ということは、他に問題がありそうだね」

「そうなの。山が重みに耐えかねて、土石流の発生が懸念されているの」

「それは……大変だね」

「出現時の衝撃、梅雨入りの雨、そして、頻発する地震。複数の要因が積み重なった結果だわ。最近の地震で地盤が歪んでいる上に、雨で地面がぬかるんでいるから」

 完全なる二次被害。レイドの出現が起因だが、自然現象は不可避である。

「とりあえず、急いで向かうね」

「お願いね。あ、あと、一般人救助専門の組織も動いているから、場合により協力して」

「一般人救助専門の組織?」

 結子から出た言葉に、次郎は小首を傾げる。一般人救助専門の組織がレイド戦に関わるのか。そもそも、一般人救助専門の組織がすでに庫森にいるのかに合点がいかない。

「そう。最近の計器上では不測定の地震の調査のために来ているの。律儀に一報を入れてくれていてね。今回のレイド戦は、土石流の発生を未然に防ぐため、最悪の事態の場合に早急に対応するために、参戦するそうよ」

「あー、そういう絡操か」

「そういうことよ。先に出た三人には詳しく話せていないから、伝えてあげて。状況を聞くと同時に、飛び出そうとしていたから話せてないの」

「ははは、了解だよ」

 そう告げると、次郎は通話を切り、開けていた傘を畳んだ。雨に濡れるのは嫌だが、そうは言っていられない。状況的に、早急に合流する必要がある。

「急がないと」

 降り頻る雨の中、次郎は山を下り始めた。


こんにちは、鷹樹影虎です。

参戦2周目です。ものすごく忙しいですが・・・・・・(笑)

リレー小説の難しいところは、匙の加減でしょうか。

どこまで踏み込んでいのか?は難しいものです。それも醍醐味ではあるんですが(笑)

ではでは、次回も、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ