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=BlanK † AWard=  作者: 久遠蒼季、すたりあ、緑茶、リブ本
《ChapterⅡ》
34/99

ⅩⅩⅩⅣ:piu

リレー小説『=BlanK † AWard=』

執筆者:すたりあ


《ChapterⅡ》開始

 しとしとと降る雨。そういえば、朝のニュースで梅雨入りしたとキャスターが言ってたような気がする。

 ありさは、灰色の雨雲をぼんやりと眺めていた。

「あー傘忘れた……」

 刀真がカバンの中を見て落胆する。

「傘貸すよ」

 そう言って、目の前にずい、と薄桃色のジャンプ傘を差し出したのはゆうな。

「え、でも、ゆうなちゃんはどうするの?」

 その問いに、ゆうなは微笑む。その手には折り畳み傘が握られていた。愚問だったか、と刀真は思う。ゆうなならそこまで用意しているのが当たり前なのだ。頼りっぱなしになるのはよくないが。

 ガタ、と椅子を鳴らしてありさが立ち上がる。刀真とゆうなの前を通り、とぼとぼ歩いていく。

「やっぱ優かな」

「そうだね。優くん朝から体調悪かったし、午後は病院で先に帰っちゃったし、ありさちゃんも心配なんだろうね。それに……」

 ゆうなが空を見る。雨は決して心地よいものではないだろう。むしろ、鬱蒼としたものを感じさせる、そんな天候なのだ。



「あら、今日は二人?」

 ゼラニウムに来た刀真とゆうなを見て、結子は首を傾げた。

 カウンターではコーヒーを片手に次郎が読書に耽っている。刀真が覗き見をするが、頭がくらくらとしてすぐに前を向きなおした。何なんだあのめんどくさそうな読み物は。

「あれ?ありさちゃん来てないんですか? おかしいな、私たちより先に学校を出たのに……」

「夜には会議があるからそれまでには戻ってくるでしょう。あなたたちもそれまではここで自由にしてていいわよ」

「ありがとうございます」

 ゆうなは地下へと降りていく。刀真もそれに続いていった。

「ごちそうさま」

 次郎が立ち上がる。

「あら、どこへ行くのかしら」

「少し羽を伸ばしにね。勉強ばかりだと疲れるからさ」



 地下ではハインツが練習をしていた。

「もう怪我は大丈夫ですか?」

「おうよ」

 そう言って刀真の肩を叩く。

 バシッと軽快な音。力が元に戻っていることを実感する。

「じゃあ、久しぶりに手合わせといきましょうか」

 刀真がアワードを取り出す。応えるようにハインツが身構える。

 ゆうなは二人を見守ることに徹する。Ⅳ章が解放されたことをハインツはまだ知らない。とても見ごたえある試合になるだろう。



 とある山奥。雨が降り、ぬかるんだ地面を次郎は登っていく。

「おまたせ」

 次郎が声を発した先にはありさ。《ウィル》を片手に振り向く。

「ありがとう。じゃ、さっそく悪いけど相手してくれる?」

「そのために来たからね」

 次郎がアワードを取りだす。

「リアクト・オン」

 《ワイヤードジェム.》を装備した次郎にさっそくありさは刃を向けるが……。

「濡れるのは嫌なんだ。雨よけを作ってからでいいかな」

 と、魔法陣を書き始めた。





どうも、すたりあです。

ここまで読んでくれてありがとうございます。話に区切りがつき、今回から新章ということで頑張っていきたいと思います。


ありさの章講座第2回は、Ⅱエルです。

能力は電気属性の付与。ありさの最大の特徴とも呼べるでしょう。

スペルにすると El です。バトンの技法の一つであるエーリアル(ariel)と電気を意味するelectricityからとってます。


では次回はⅢデュプルの話です。

また次回お会いしましょう。

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