ⅩⅩⅣ:快進へ
リレー小説『=BlanK † AWard=』
執筆者:リブ本
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無数の光の矢が降り注ぐ。地響きと煙の中、ハウンドたちは着弾点を縫うように駆けてゆく。―――勿論詩乃もでたらめに撃っているわけではない。彼女による的確な攻めはハウンドの攻撃の暇を確実に削いでいた。
やがて一匹がよけ切れず被弾、地面に叩きつけられもんどりを打つ。輝核破壊にはには至らす、その場で身を捩り起き上がろうと身を捩った瞬間。カァンと甲高い音とともにありさの振りかぶった《ウィル》が輝核に突き立てられる! が、しかし。
「ッ、熱い……!」
ハウンドも負けじと炎をほとばしらせる。彼女が条件反射で手を引っ込たその瞬間を狙っては刃から逃れようとするが、ありさは引っ込めついでに《ウィル》を分離、もう一度突き立てた。
―――――ガキン、と輝核にヒビが入り――――砕けた。水をかぶって消えた焚き火のように白煙を噴出し、ハウンドは動かなくなる。ありさはおもむろに《ウィル》を取り上げ、刀身を合体させながら呟いた。
「あんたなんかに……負けてらんないのよ……」
力なく横たわるのはうって変わってただの犬。この罪悪感はいつになったら消えるのだろうか―――ありさは、晴れない気持ちを拭うかのようにスカートをはたき、更なる敵へと駆け出した。
一方、二頭のハウンドが光弾と煙の中、研ぎ澄まされた感覚により一人の影を目指す。次郎だ。彼は所持するアームド・ウェポンの特性上とりわけ静止時間が長く、どうも敵に狙われやすい。ハウンドはそれぞれ煙を飛び出し、煙から姿を現した次郎をそのままその爪牙にかけんと迫った。しかし、
「よし、なんとか完成だ」
そう言うや否や次郎は足元の魔方陣へと姿を消す。二頭の爪牙は空を切った。
「惜しかったね」
コンテナの上に現れた次郎は何やら合図をすと、先ほど立っていた場所を囲むようにに仕掛けられた三つの魔法陣が高速回転を始め、標的を失い戸惑うハウンド達に容赦なく光弾を浴びせた。
「威力その他様々な要因を考慮するに、魔法陣はひとつで十分だったのでは」
詩乃は眼鏡を光らせながら次郎に語りかける。次郎は実に気分よさげに答えた。
「ロマンってやつさ。それにしても恩に着るよ……君のおかげで随分戦況が良くなった」
無表情のまま詩乃は答える。
「あなたも大した戦いぶりですよ。なかなか見込みがあります」
「「イェーイ」」
眼下に繰り広げられるハウンド達の地獄絵図には目もくれず、二人は気の抜けたハイタッチを交わした。
こんにちは、リブ本です。
戦闘描写は楽しいね!!心理描写は……
まあ、描写の偏りはきっとどこかで埋め合わされると楽観しています。一人のクセを他の人が中和する、それもリレー小説のひとつの良いところなんじゃないでしょうか。
ではまた次回お会いしましょう。ありがとうございました!




