プロローグ
ふとリアルなお店で素敵な店員さんに出会ったので書いてみました。
店に買い物に行ったとき、すごく好みの店員さんがいたとしよう。
話してみたくならないか?
話してみて好みだったら、仲良くなりたいと思わないか?
仲良くなれたら、ひょっとしたら付き合えると思わないか?
今 俺の目の前では、先ほど購入した商品を店員が持ち帰れるようにしてくれている。
年齢は20歳ぐらいだろうか。身長は160cmほどだろうか、やや華奢な感じがする。髪はセミロングで金色に輝きながら柔らかなウェーブで肩にかかっている。
目は控えめな二重で知性を感じさせる輝きのある瞳。その上にある眉は柔らかなアーチが瞳の力強さを優しい印象にしていた。ピンク色の唇は両端が軽くあがり微笑んでいる。
ざっくりとした洗い立てのシャツに、使い込まれた皮のエプロンという職人スタイルだ。それでいて、その笑顔と服が組み合わさると「看板娘版、将来嫁にしたいアンケートで上位獲得間違いない」って感じだ。
彼女の手は俺の購入した商品の調整を手慣れた動きをしている。細い指先の動きは楽器を演奏しているかのようにリズミカルだ。その指に触れられたらどんな感じなのだろうと想像してしまう。
ふと我に返り、商品の購入代金を支払った財布を覗く。当初考えていた予算を大きくオーバーしたため宿代がギリギリ残っているだけだ。それだけを考えたら気分は暗くなるところだ。しかし、それを吹き飛ばしてくれる存在が今目の前にある。
その存在である彼女の手が止まる。準備ができたようだ。
面を上げたそこには、とても素敵な笑顔があった。
「ご挨拶が遅れました。道具屋ミラージュの店主をしているシュトバルク・アリスです。またのご来店をお待ちしております」
その笑顔は、俺の次回来店を出来るだけ早くすることを決意させるものだった。