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THREE   作者: 解体新書
第二章 幼稚園児の頃
8/9

幼稚園児 ガクモン

言い訳をさせてください……昨日5時に寝てしまいました。ほんと情けないです……ほんとうにすみません!!

手に重みが感じてきた。さすがに持ちながら読むのはきついと察し、ガクモンは国語辞典を机の上に置いた。


昨日のことである。ガクモンはいつも通り幼稚園から帰ってきた。家というのは落ち着く場所ではあるが、案外やることがない。ガクモンはいつものようにルービックキューブをがちゃがちゃと動かしていた。

ルービックキューブというのは、初めがおもしろいものである。何も知らず、我流でただぐちゃぐちゃと6面を揃えるという遊びである。たまに、説明書を見ながら奴もいるだろうが。

しかしだ。このルービックキューブが慣れてしまうとどうだろうか?ただ機械みたいにマニュアル通りやるだけである。頭も使うもくそもない。

だから、ガクモンはTVでルービックキューブの速さ競争をやっているのを見ることがあるが「あまりすごい」とは思わなかった。

ちなみに、ガクモンはルービックキューブをだいたい20秒くらいで完成系にすることができる。

ガクモンがルービックキューブを動かしている時は、ノーストップである。


「はい、完成。」ソファーに寝っころがりながら、完成したルービックキューブを投げてはキャッチし投げてはキャッチしを繰り返していた。

「そろそろルービックキューブにも飽きてきたな」ちょうどその時であった。ルービックキューブを上へ投げていると、本棚にずっしりと構えている分厚い本がガクモンの目に飛び込んできたのである。

ガクモンは国語辞典を見た瞬間、衝撃を受けた。こんな本があったのかと。

今まで、ガクモンは絵本は読んだ事はあったが、小説は読んだ事はなかった。

小説を読まなかった理由、それは単に『読めなかった』からである。

頭の良いガクモンでも、知らない漢字、言葉をすべて推測することはできなかったのだ。

ガクモンはその事をとても悔しがっていた。


そして、今に至る。ガクモンは辞書の虜になっており、幼稚園まで持ってきたのだ。

あとで、ウンドウとユウコウからカバンが重いとバッシングを受けるだろう。

でも、ガクモンは国語辞典を読みたくてしょうがなかったのだ。

辞書というのは不思議なものである。

例えば『知る』という意味について調べてみるとする。すると『ものごとを理解すること』とでてくる。

逆に、『理解』について調べてみる。すると。面白いことに『ものごとを知ること』とでてくるのだ。

俗にいうパラドックスというやつだ。

ガクモンはその事についてこう考えた。『誰もが言葉についてよく分かっていなっく。誰もが言葉を感覚的に使っているのだ』と。


10日後、ガクモンは国語辞典を読み終えた。ガクモンには一度見たものは決して忘れないという天賦の才能があった。なので、国語辞典がガクモンの頭の中にスッポリと入ったような感覚である。

それからというもの、ガクモンは小説がスラスラと読めるようになった。

家にある本、雑誌、小説、図鑑など約100冊を20日で読破した。

ガクモンの一日の時間は6時間で、そのうちの5時間読書していると考えると一冊一時間ペースで読んでいることになる。ガクモンは速読もできたのだ。


国語辞典を読み終えてから、一ヶ月経った時、ガクモンは読むものがなくなっていた。

家の中にある本は全部頭の中に入っていた。〇〇の本の△△ページといわれれば、すぐに答えられるほどだった。だから、ガクモンは唯一、朝の新聞を楽しみにしていた。

そのことによって、ガクモンはいろいろな知識が増えていった。


ある日のことであった。家の近くのゴミ捨て場に学校の教科書らしきものが紐で十字に縛られて捨てられていたのだ。すぐにそれを拾い、それを家へと持ち帰った。

硬く縛られた紐を何とか解き、何の本があるか確認してみた。

英語Ⅰ、英語Ⅲ、

Forest、ユメタン、

NEXTSTAGE、DUO。

計6冊。全部英語である。

ガクモンはこの6冊のそれぞれの特徴を見つけた。


英語ⅠⅢ :おそらっく学校の進度と平行して進むもの。

Forest  :文法について詳しくかかれているもの

Nextstage :文法がたくさんのっているもの。

ユメタン :単語についてかかれているもの。

duo :単語と文法がかかれているもの。

この時のガクモンは、アルファベットもまだ読めないというレベルであった。

だが、それだからこそ、ガクモンは燃えた。「我流で覚えてやる。」と。


それから二日後の事である。心の中で僕はユウコウと話していた。

「やっぱりユウコウはしゃべるのが上手いな。」

「いやいや、ガクモンだって上手いよ。頭もいいしね。」

「そんなことないよ。ていうか、ユウコウ、さっき幼稚園の先生に褒められてなかった?」

「あ~ちょっとね………」

その時、ウンドウから呼び出しがかかってきた。

「新しく転校生でボブって奴がきたんだけど、そいつと腕相撲やりたいんだけど、ボブとその事について交渉してくれない?」

「アメリカ人なの?」

「そう。確か前、暇つぶしとか言って勉強してたよね?ガクモンならできるしょ?」

「一回も使った事ないから、少し心配だけどいい?」

「全然いいよ」

顔が自然とにやけた。まさか、こんなにも早く英語を使える時がきてくれるのかと。

そして、僕はウンドウと体をチェンジした……







言い訳をさせてください……昨日5時に寝てしまいました。ほんと情けないです……ほんとうにすみません!!

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