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THREE   作者: 解体新書
第二章 幼稚園児の頃
7/9

幼稚園児 ウンドウ

本当にすみません。昨日更新をしてませんでした。言い訳をさせてもらうと、昨日いろいろとバンドの練習などがあり、疲れてぽっくり6時に寝ていました。本当にすみません。

あと、更新の日を日曜日に変えさせてもらいます。

お手数ですがよろしくお願いします。

「うわっ、Aチーム優雅いるじゃん。ずる~~~い」Bチームの園児達が野次を飛び交わせる。

幼稚園の先生がみんなでリレーをやりましょうと言い出したのだ。

しかし、誰もがどちらのチームが勝つかはチーム編成された時に知っていた。

そう、優雅のいるチームである。優雅ウンドウはこの時からすでに運動機能が並外れていた。

バック転、バック宙、側宙、バタフライツイストなどは当たり前、球技系の遊びでは優雅が入ると一方的な試合になり、たびたび入れてもらえない事もあった。

そして、50メートル走が6秒2という並みの高校生以上の記録を持っていた。

先生がAチームとBチームの俺の事に対して喧嘩している園児をなだめ、リレーが始まった。

結果はいつも通り優雅のいるAチームが勝った。


優雅ウンドウは幼稚園にあきていた。かっけこみたいな筋肉を動かす系は必ず1位。まして、球技など技術が絡むやつをやってもボロ勝ち。

最初はそういう勝負事に勝って喜びを得ていた。しかし、勝てば勝つほど心が満たされなくなり、どこか空虚したような感じになっていた。

「敗北を味わってみたい」俺はその事を強く望んだ。

幼稚園の授業で先生が「今ほしいものを紙にかいてください。」と言った時があり、俺は迷わず『まけること』と書いて先生に怒られた事もあった。


そんなある日の事であった。ここの幼稚園に俺らと同学年の転校生がきたのだ。

名前は、ボブ・ブライアン。国籍は米国。母親が日本人、父親がアメリカ人のハーフである。

ボブの親父は米国でも有名なボディービルダーをやっているらしい。

米国でコンテストや大会などで貯まりに貯まったお金で、母親の意見で日本に住むことになったらしい。

親父がボディービルダーの事から、ボブも毎日筋トレをしているらしく、筋肉が幼稚園児とは思えない異常さであった。

俺はボブを見た瞬間、釘付けになった。「こいつ筋肉はんぱね~何かボブと勝負してみて~な」

そう思うと、なぜか口から涎が滴ってきた。

そして、一つの勝負が頭に思い浮かんだ。『腕相撲』である。


心の中でガクモンにと問いかけた。「新しく転校生でボブって奴がきたんだけど、そいつと腕相撲やりたいんだけど、ボブとその事について交渉してくれない?

「アメリカ人なの?」

「そう。確か前、暇つぶしとか言って勉強してたよね?ガクモンならできるしょ?」

「一回も使った事ないから、少し心配だけどいい?」

「全然いいよ」

そして、俺はガクモンと体を変わった。


2~3分後、ガクモンから「いいよ。つうかボブの隣に通訳者いるじゃん。」と呼びかけがきた。

「かっこよくやりたっかたんだ」とか何とかいいつつ、ガクモンと体を変わった。

その瞬間、ガクモンがやった事が頭に回想される。

一回も使った事がないといいながら、とても流暢に英語を話しているガクモンに驚いた。

ボブの通訳者もびっくりしていた。改めて、ガクモンの凄さを実感した。

ボブが机に肘だけをつけ、俺に「早く」と言わんばかりの眼差しを向けてきた。

俺は背筋が震えた。緊張からではない。いわゆる武者震いというやつだ。

心拍数が徐々に高まってゆく。心臓の脈打つ一回一回の音が心臓を太鼓のばちで叩かれているようだ。

自分も机に肘をつき、ボブと同じ体制をとった。

差し出されたボブの手を掴む。ボブの肉の感触が自分の手から体全体に伝わってきた。

手を掴むだけで腕相撲というのは強いのか分かるものだ。そして、今掴んでいる腕、ボブは相当強い事を悟った。ボブの筋肉の凄さをさらに実感させられた。

太鼓のばちが俺の心臓をさらに早く連打し始めた。

通訳者が俺とボブが手を掴んでいる上に手を置いた。

この手が離れれば戦いの火種が切られるという合図である。

「READY!!」通訳者がネイティブな英語で言う。さすが外国人だと俺は思った。

通訳者の「ready」の瞬間、そこの空間に沈黙が流れた。外で園児達の笑い声や泣き声などの混合物が時々教室にもながれこんできたが、俺とボブの耳には入らなかった。

「FIGHT!!」次の瞬間、勝負の火種が切られた。


勝負はすぐに決着した。目の前でボブがものすごい顔をしていた。

そして、何かを言っている。俺は何を言っているのか分からず、ガクモンと変ることにした。

ガクモン曰く「俺が日本人ごときに負けるはずがない!!これは何かの間違いだ!俺はアメリカの高校生にだって負けた事がないんだ!!次は絶対油断はしない。左だ!!左で勝負だ!!俺は左が利き手なんだよ!!」

とにかくガクモンが言うに、俺に負けたことが相当悔しかったらしい。

ガクモンと体を変わる。目の前には今にも突進してきそうな闘牛がいた。

机に肘をつけており、「ライト!!ライト!!」と声を張り上げ言ってきている。

何を言っているか分からなかったが、とにかく左でやるらしい。

俺もボブと同じ体制をとり、ボブの手を握った。

通訳者はボブをなだめようとしたがボブの耳は死んだ貝のように閉じており、俺の事しか見えていないという状況であった。

「READY!!」通訳者がまたネイティブな英語でいう。

さっきはこのときに沈黙が流れたが、今はボブのフンハーフンハーという息が乱れている音が聞こえた。

「FIGHT!!」第二の火種が切られた。


左腕が痺れた。さすが左利きだってことはあるなと俺は思った。

口から息がこぼれた。気球に穴があいたように空気が徐々に抜けていった。

すると、勝手に俺の顔から笑みがこぼれてしまった。

そして、ボブにお礼を言った。「ありがとう!!こんな感覚初めてだ!!」

ボブは俺の感謝の言葉を聞かずに「ホワイ!?ホワイ!?」といって自分の左手を見つめながら泣き始めたしまった。

「ボブは腕相撲で負けたことが親父以外でいなかったんだ。大人の私でも勝てるかどうか…だから、右腕でも左腕でも負けたから相当悔しかったんだ。」通訳者が俺に日本語で説明してくれた。

俺はそんなボブの話を聞いて、正直とてもうらやましく感じた。

「俺も負けてみたい。どんな感覚なのか知りたい。」

だがこの勝負で得る事も出来た。二度目の勝負が始まったとき、最初ボブの力がものすごく強く、自分の腕が大きく左に傾いたのだ。

この時、俺は背筋から体全体、手や足の指先までヒヤリと何かがひろがったのである。

そう「焦り」である。俺には初めての感触だった。

その後、精一杯の力を絞り出し、徐々に腕を右にもっていき勝ったのだ。

ボブが俺に何か言っている。俺は、英語はからっきしだがいい事が手にとるようにわかった。

「次は負けない。また勝負だ!!」

「おう!楽しみにしてる」俺は満面の笑みをした。すると、ボブも泣きながら満面の笑みを返してきた。

少し幼稚園が楽しくなりそうな気がした。


本当にすみません。昨日更新をしてませんでした。言い訳をさせてもらうと、昨日いろいろとバンドの練習などがあり、疲れてぽっくり6時に寝ていました。本当にすみません。

あと、更新の日を日曜日に変えさせてもらいます。

お手数ですがよろしくお願いします。

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