精子 ユウガ
※注意
僕→ガクモン
私→ユウコウ
俺→ウンドウ
3人の前に大きな球体が現れた。卵子である。
ここまでたどり着いた精子:ウンドウ、ガクモン、ユウコウ。わずか3人である。
3人の目の前にはゴールテープが張られているような感じであった。
「俺はいい。ガクモンかユウコウどっちかがゴールしてくれ。」ガクモンが言う。
この名前はさっき卵管をくぐり抜けた時に3人でつけた名前だ。
それぞれ何が優れているのかすでに分かっていたのだ。
ウンドウが続ける。「正直言って、俺はあの時、本当だったら白血球にやられていた。だけど、ユウコウとガクモンのおかげで何とか助かった。だから…」
あの時、ガクモンが白血球とは何者かと考えたのだ。精子を襲っている白血球が多数であったが、その中で黒い物体を食べている白血球をガクモンは見逃さなかった。ガクモンの頭にすぐ答えが出た。
白血球というものは、有害物質を食べるものであると。そして、この白血球達は僕達を有害物質だと勘違いしているということ。
予想は的中していた。ガクモンはその事をユウコウに耳打ちした。ちなみに、ユウコウとガクモンは子宮頸部地点から行動を共にしていた。
その事を聞き、ユウコウは白血球に告白した。
普通こんな事を言っても、白血球には伝わらないし、伝わったところで信じてもらえないだろう。
しかし、ユウコウの場合違った。ユウコウは動くものだったらどんなものだって話せる能力があったのだ。そして、ユウコウの会話能力である。ユウコウは会話に対して異常に優れていた。
なんて言ったのかは分からない。しかし、ユウコウの話術のおかげで何とか白血球からの誤解を解く事ができた。
「でも、白血球がどっかにいった後、卵管で僕ら3人しか通れなかったというのも不思議じゃないか。」
そうである。たとえ、卵管が見つかったとしても、認証システムみたいなのがついているのである。
そこでは、優秀な精子しか通れない仕組みになっていてるのである。
普通卵管へ行ける精子は100未満といわれている。しかし、100未満というのに3という数字はありえる事ではあるが100というのに3というのは異常である。
「僕達は選べれた精子だ。だから3人でゴールするのはどうだろうか。」
「そうしよう」ユウコウが軽く頷いて決心したような目で言った。
「わかった。ありがとう。」ウンドウは二人の優しさに感謝した。
そして3人は一斉に卵子に手を触れた。
読者の皆様、THREEを読んでくれて本当にありがとうございます。話を増やす度に読者が増えていき、本当に嬉しいです。文章力が未熟ですがこれからもよろしくお願いします。