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THREE   作者: 解体新書
第一章 精子の頃
3/9

精子 ガクモン

僕達、精子の行方は3つあるらしい。

1つ。射精という行為によって、外の世界に放り出され、頭が吹っ飛んで死ぬ。

2つ。その人の体にタンパク質として吸収される。

3つ。射精によって放り出され、それが奇跡的にトンネルに続いており、そこからレースが始まる。


以上の3つが僕達、精子の行方である。願望としては、1つ目より2つ目を望み、2つ目より3つ目を望むものである。

しかし、たとえ3つ目に選ばれたとしても、そこからは過酷なレースが始まるのである。

この結果から1つの精子が受精できる確立。なんと1/無限大という結果になる。

ここでその過酷なレースについて説明しよう。

『受精レース』

参 加 数:2億5千万 

距  離 :ペニス~卵子

表  彰 :1位のみ 

優勝贈答品:生命

*注意書き:このレースで一切の死の保障はしません。


以上の事は僕達、精子が生み出された時にすでに知識として知っていることである。

そして、僕は今、精子である。

今、まもなく射精の時であった。こうなると、僕達精子の行方は1つ目か3つ目のどちらかに絞られる。

「吉と出るか凶と出るか」僕はぼやいた。

でも。僕は本当は心の中で分かっていた。「これは明らかに3つ目だ」ということを。

なぜ確信出来たかというとペニスの先がいつもより温かかったである。

この事実は、周りの人たちはオロオロしながら何も分かっていなかった。

そう、この時からすでに僕の学力は人より優れていたのである。

また、この事も確信した。「僕は必ずこのレースで優勝することができる」と。

辺りが明るくなってきた。どうやらそろそろ始まるらしい。

すると、どしどしと人混みを掻き分けながら、

「俺が1位を取る。たとえ1つ目でも、1番最初に俺がティッシュにつく!!」と大きな声で言っている精子がいた。

僕はうるさいなと思っていた。後に分かったことなのだが、あれは「ウンドウ」だったらしい。

そして、徐々に門が開いてきた。どんどんと精子が凄まじい速さでその門に吸い込まれていった。

この吸い込まれる速さは、人のスケールで計算したら、秒速12キロの速さらしい。

この速さに焦りながら僕も吸い込まれた。

レースが始まった。





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