五日目 適任者の選定
俺達一行はこの建物へ入ってきた出入口から外へ出た。どうやら教会堂とは建屋がつながっていないようだ。裏の方でつながってた方が便利そうだけどなんでだ?
シャルに聞くと、
「しらないんですか? 教会堂は女神様へ礼拝するための建物ですから、わたしたちの暮らしてるさっきの建物とはつながってないんです。教会堂へ入るときはわたしたち神官も正門から入るのが礼儀なんですよ?」
クルリと身体ごと振り向いて後ろ歩きしながら、不思議そうに首を傾げて教えてくれた。
「マビァさんってまさか女神様に礼拝したことないんですかぁ? 異国では様式が違ったりもしますけど、女神様への礼拝の仕方の基本は大体世界中同じだそうですよ? ねぇシャルちゃん」
コニスも俺の隣まで戻り話に加わる。疑いの半眼でこちらを見てきた。
「はい! 緋の国とかはかなりちがうらしいんですけどね。たいりくによっては教会もない国もあるって勉強しました。マビァさんってそっちから来たんですか?」
「え、あぁいや、あったような無かったような? どうだったけかな?」
毎度だが、知らないことを質問すると、それが世界の常識で、知らないこと自体を不思議がられ「お前は一体どこから来たんだ?」と聞き返されてしまう。
特に唯一神の宗教しかない世界なのに、宗教関連の質問は不味かったか?
「サスティリア様は寛大な女神様でいらっしゃいますから、信仰心など無くても恩恵を与えて下さいますよ。ただし当然ですが罪人には神罰が下ることもありますので、お気をつけ下さいね」
下手な言い訳をして誤魔化そうとしてると、エリ公がフォローに入ってくれた。
「さ、マビァはこちらへ。教会堂へ入る為の作法をお教え致しますから」
「あ、ありがとう。助かるわ」
エリ公が手招きするので、正門の前で隣に並ぶ。
こっちの神様には左腕の傷を治してもらった恩があるし、明日もきっと恩恵の世話になるはずだ。ここは真剣に習っておこう。
シャルとコニスも横一列に並んで、俺は教わった印の切り方とお辞儀をみんなと一緒にしてから門を潜り、教会堂への扉を開けた。
教会堂の内部は真ん中に祭壇へと向かう通路に、左右に並ぶ長椅子。大理石の石柱がいくつも並び、明り取りの窓も沢山あるし燭台も暗がりにあるので思ってたよりも明るかった。
奥の祭壇には白い大理石の女神像が祀られ、ステンドグラスからの光を受けて神々しく輝いている。
元の世界ではメイフルーが仕える『戦の女神センティスス』と、別件で『探求の神エギネア』の教会に行ったことがあるくらいだったが、女神センティススの方は戦女神らしく剣や戦鎚、斧に槍等々……あらゆる武器が飾られ、物騒な雰囲気があった。
男の神官なんかみんなモリモリでゴリゴリの武装神官ばかりで、厳つくて暑苦しい感じだったよな。
エギネア神の方は教会堂の中まで入っていないから分からない。でも神官達の対応が厳しかったのだけは覚えている。
ここはあそこらとは違い、和やかな空気に満ちている気がする。
それもその筈、内部にはお年寄り達やおばちゃん達が談笑したり、小さな子供が走り回って遊んでいる。
奥で老人達が打ってるのが噂の『小隊指棋』ってボードゲームか? 立体的に浮き上がったマス目の上に駒が配置されているのが見える。
二十人近い数の人達がそれぞれ楽しい時を過ごしていた。
神官も何人かいて、甲斐甲斐しくお茶を運んだり、子供と遊んだり、お年寄りの相手をしたりしている。いやいやしている感じはなく、楽しそうなので見ていて和む光景なのだが、場所的にどうなのだろうと少し違和感があった。
厳かな礼拝をする場というより、寄合所というか憩の場みたいな感じだな。
「なんかここは教会ってイメージと違うな?」
「よその国だとちがうんですか?」
シャルが興味津々に聞いてくる。しまった。さっきも下手に質問してこうなったのに無意識に聞いてしまった。バカだなぁ俺。また適当なことを言って誤魔化す。
「うん、俺の勝手なイメージだけど、神様に一心に祈ったり、神官に相談したり? もっと厳かな感じなんだと思ったけど、ここはみんな楽しそうだな」
「朝の礼拝が終わってからは、夕方までご近所の方たちにここを自由に使ってもらってるんですよ。サスティリア様はわたしたち生きるもののありのままを尊重して下さってるんですよ」
走ってくる子供達とハイタッチをしながら説明してくれるシャル。コニスも知り合いでも見つけたのか手を振っていた。
「ありのままってどこまで許されるんだ? さっきエリ公は罪人には罰が下るって言ってたけど」
「端的に言えば、今は滅びたナクーランド帝国の所業ですね。魔獣でも人でも大陸単位で滅ぼそうとしたり、一種を急激な絶滅に追いやったりすれば神罰が下ります」
エリ公が振り返って説明してくれる。なるほど、ガラムさんから聞いたヤツか。
「強盗や殺人なんかの犯罪や、戦争とかには神罰は下らないのか?」
「それらは人の法で裁けるものですから。悲しい話ですが、サスティリア様にとってはそれらは『人の普通の営み』の一部なのでしょう。
例え国と国が戦争したとしても、両国共に人が全て滅ぶようなものでない限りは女神様の介入は無いかと。世界の生態バランスがおかしくなるような場合以外は神罰は下されないでしょうね。……まぁ、例外もあったりするのですが……」
「それはその聖書のことか? あんたがコニスにしてる変態行為みたいな小さいのには力を貸すんだな?」
コニスが俺達から離れ、見付けた知り合いのおばちゃんの方に行ったので、我ながら意地悪だとは思うが、エリ公だけに聞こえるようにチクリと嫌みを言ってやる。
シャルは目を見張って俺を見たが、エリ公は腹を立てることもなく深く頷いた。
「えぇ、それだけではないのですが、これには大変助けられています。作ってくれた大神官様とシャル、そして御力を貸して下さるサスティリア様には感謝の念が絶えません」
聖書の神器を胸に抱いてジェムにそっと触れ目を瞑る。
「こらー! 神官長! またあんたコニスちゃんにオイタしたんだって? こっちにおいで! 私達が説教してやるわ!」
大声が聞こえたのでそちらを見てみると、コニスと話してたおばちゃんだった。他数人のおばちゃん達と一緒にエリ公の事を睨んで手招きしてる。
コニスはおばちゃんを止めようとワタワタしていたが無理そうだ。諦めて苦笑を漏らす。
「はい! 一仕事終わりましたらすぐにそちらに参ります!」
エリ公はピシリと直立しておばちゃん達へお辞儀をする。
「おー、エリィ来とったのか。そっちが終わったら一局付き合え。今度は負けんぞ!」
今度は対局中のじいさんが呼び掛けてきた。
「はい! 手加減無しでお願い致します」
今度はそちらへと向いて一礼。
「やーい、エリィ兄ちゃんのすけべー」
「しんかんちょーのへんたいー」
「ぎゃはははは!」
後ろから駆け抜ける子供達が次々とエリ公の尻を叩いていく。
「いた!? いたいいたい! こらっ! ペト、ニタ、ナット! 私は脆いんですよ! 叩かないで下さい!」
尻を摩りながら拳を振り上げて子供達を追いかけ叱るエリ公。……叱ってないな? 頼んでるや。
どうやらエリ公がコニスにやっていることは知れ渡っているらしい。それでも嫌悪感を出してる人はおらず、誰もが笑い話程度にしか捉えていないみたいだ。説教すると言ったおばちゃんも、今は他のおばちゃん達と談笑している。多分いつものことなのだろう。
「ね? みんなに愛されているでしょ?」
隣まで戻ってきたコニスが同意を求めてくる。子供を追いかけ出して僅か数秒で息切れして踞っているエリ公を見てくすりと苦笑した。
「エリィお兄様は見た目びだんしさんなんですけど、ぜんぜん気取ったりしませんからねー。からだの弱さのせいで外でのお仕事はできないんですけど、治癒魔法の使い手としてはちょー一流なんですよ? 今まで何人もの命を救ってきてるんです。だから街の人たちからの信頼はあついのです!」
反対隣でシャルが腰に両手を当てて自慢げに頷く。
シャルとコニスが言うには、こんな平和で小さな街でも事故などで年に数人は大怪我を負う者が出る。特に大きな木材を扱う林業で働く者の割合が多いらしい。どんなに万全を期してもちょっとのミスで大怪我につながることになる。
そんな事故の際の治癒にエリ公は大活躍なんだそうだ。腕が押し潰されて千切れてたり、内蔵が破裂したりなどの部位欠損がある大怪我でも、破損した肉体と命さえ残っていれば、数人纏めて癒してしまえるというのだから驚きだ。
「そりゃとんでもない治癒魔法だな。じゃあこの街の殆どの治癒を彼が受け持ってんのか? 俺の時はシャルが来てくれたけど」
「出張のきょりが遠い時と、すぐ死んじゃうような大ケガじゃない場合は今でも他の神官が行くんですよー。むかしのエリィお兄様は長い時間ギャロピス車に乗っていられませんでしたから」
数年前、木材の伐採所の事故でエリ公が初めて派遣されたらしいのだが、馬車の振動であちこちの骨に罅が入り、現地に到着するまでに三回馬車を止め、他の神官に治癒されるという醜態を晒したそうだ。それでも彼にしか癒せない怪我人が数名居たため、無理を押して現地に赴いたらしい。幸い怪我人は全員命を取り留め、彼の文字通り身体を張った献身的な行いに街の人々は大いに感謝し、今もその美談がよく語られるそうだ。
「なるほど、そりゃクロブと並ぶ街の英雄だな。そういや低姿勢なところといい、穏やかで優しいところといい二人は良く似てるな? 見た目が全然違い過ぎるけど」
「あははっ。そうですね。持つ能力や身体の頑丈さや見た目は真逆なのに、中身はそっくりかも」
コニスが笑って同意する。
「そうなんです。わたし、小さいころからクロブさんに会うたびに泣いてたんですよ~。ものすごい大きくて怖い顔してるんですもん。でも何年か前になんかお兄様に似てるな~って思えて、それからは怖くなくなったんですよ」
シャルが恥ずかしそうににへらと笑う。クロブは怖くて当然だ。大人でもファーストコンタクトで気絶する人がいるくらいなんだからな。十一歳のシャルが何年か前に克服してるのが凄い。
「はぁ、さて、選定を済ませましょう。シャル、お二人をこちらへ」
「はい!」
エリ公はなんとか持ち直し、祭壇へと向かう。俺達もそちらへと向かった。
エリ公は女神像へ向かって印を切り一礼すると、手前の変わった装飾が施された演壇にこちらを向いて立つ。演壇の上に聖書を置き、コニスから受け取った依頼書を置くと両手を軽く上げた。
すると、演壇を中心にして囲うように薄い光の柱が立ち上る。次に変わった装飾だと思った部分が演壇から離れ円環になり宙に浮いて、エリ公の腹の辺りを中心にゆっくり回り始めた。
「おお……、なんだあれ? すっげぇな」
その神々しい光景は声を出すのも憚られ、つい小さく呟いてしまう。さっきまでにぎやかだった周りの人達も、今は静かにその様子を見守っていた。
「こちらが依頼した仕事に最適な者を、女神様が選定して下さるんですよ」
そんなことをわざわざ女神が? 訝しんで小声で教えてくれたコニスを見ると、コニスは自分の唇に人差し指を当てた。黙れということだろう。
「女神様、慈悲深く気高き我らがサスティリア様。我が名はエリンテル。我の心を捧げます。此度の依頼に必要な魔法は『ギャロピスの永走』『ゴステロスの硬壁』『ライデンマンドルの被膜』。女神様の御力による導きにて、ふさわしき者をお示し下さいますようお願い申し上げます」
エリ公の祈りに光の柱が少し輝きを増し、依頼書が宙に浮き光出す。
回る装飾円環から一枚の薄い板が生えてきて、エリ公の周りを一周したあと円環が止まり、エリ公の前で板が宙に浮く。
光の柱はゆっくりと下に消えていって、装飾円環も元の位置へと戻り、残された板をエリ公が両手で恭しくそっと受け取った。
「ありがとうございます。きっと良い働きをしてくれることでしょう」
エリ公は振り向いて印を切り、石像へ一礼。
これで儀式は終わりらしい。
「シャルンティン。此度の派遣は貴女に決まりましたよ」
「は、はい! 謹んで拝命いたします」
シャルはエリ公の元へ駆け寄り、嬉しそうに依頼書を受け取った。
「お、おいおいちょい待てよ。今回の依頼は危険な仕事だって聞いたぞ? この前東の沼に俺の火傷を治しに来てくれたのとは訳が違うんだ。それにシャルはまだ見習い未満なんじゃないか? ほら、さっきイルマさんが言ってた……」
「十二歳になってないから初等学校を卒業してないんじゃないか? ってことですか?」
「そう、それ!」
コニスのフォローにビシリと指差す。
「マビァさんはホントに常識がボッコンボッコン抜けてますよねぇ。シャルちゃん一家は代々神官の家系ですし、幼い頃から神官を目指す子は初等学校へは通わずこの教会で教育を受けるんです。神聖魔法の修行もありますから初等学校よりも勉強や修練は厳しいんですよ」
俺の無知に呆れて教えてくれるコニス。悪かったな常識が穴だらけで。
「それにシャルは優秀ですから、もう見習い課程は修了しています。此度の依頼に必要な魔法も全て修得してますし、魔力も大人の神官以上に有していますから、最少人数で挑むのであれば最適な選定と言えるでしょう。いざ逃げるとなれば軽いので誰でも担いで逃げられますしね」
冗談混じりにコニスの後を継ぐエリ公。シャルは俺とエリ公の間で見上げ、やり取りを見てる。
「いや、それは便利だけどな? そうじゃなくてさすがに実戦経験は無いだろ? 作戦の進行具合によっちゃあ、戦闘中に付与魔法をかけ直さなきゃいけない場合もあると思うんだ。無数の魔獣が攻めてくるって話だし、もちろんシャルじゃなくても全力で守るが、そんな怖い状況で魔法の管理なんてできるのか?」
元の世界でのハンターの神官でも、混戦になった時にも冷静に立ち回れるようになるには、かなりの実戦経験を積む必要がある。
付与魔法の効果が切れる時間や各回復系の魔法をかけるタイミングの管理を、切羽詰まった状況で行うのはそれだけ大変なことなんだ。
いくらシャルが優秀とはいえ、子供に任せて良い仕事ではないんだけど。
「それでしたら問題ありません。私達神官の中で実戦経験のある者は殆どいませんから」
「問題だらけじゃねーか?!」
惚けた返事をするエリ公にイラッとして、つい怒鳴ってしまった。
「まぁまぁ、落ち着いて。シャルだけが選ばれたのには理由があるんですよ」
……お前に怒らされてんだけどな。納得できる理由があるってんなら聞くけどさ。
「此度の依頼内容を聞きながら、私は頭の中で適任者を探していました。自慢するつもりは無いのですが、私はこの教会に所属する神官と冒険者として活動中の神官。その全員の能力と修得している神聖魔法の数や魔力量、実戦回数や人柄まで把握しています」
すげぇなそりゃ。こっちに来てから俺が関わる人間はやたら優秀な人が多い気がする。かといってヤーデン中尉のような残念極まりない連中も山ほどいるんだが。
俺と同程度の程良い一般人は居ないのかよ。
「残念ながら実戦経験のある冒険者の神官の中で、今回条件にある三つの魔法の内のどれかを使える者は二人。どちらも防御力を上げる『ゴステロスの硬壁』だけでして、冒険者ランクもE。魔力量も大したことないので、使えて四~五回。序盤で力尽きるだろうと判断致しました」
Eランクだと『鐘』の効果でビビってガクブルするだけだろう。実戦経験ったって、戦闘前に防御上昇魔法をパーティにかけておいて、戦闘中は安全な後方で見守り、戦闘後に治癒回復って役割だったろうから、素人連れていくのと大差ない。
確かに足手まといにしかならない大人より、もし使えなくなっても持ち運べるシャルの方がマシかもな。
「そして、教会に所属する他の神官からも候補を挙げてみましたが、一人目は『ギャロピス』使いですが、普段は事務担当で戦闘なんて怖くて大キライので除外。
二人目は『ゴステロス』使いですが、一人ずつしか付与できず、非常に効率が悪い上に魔力切れが早いので除外。
三人目は『ライデンマンドル』使いですが、魔法の『被膜』のヌルヌルに包まれると興奮する変態でして、刺激を求めて魔獣の電撃を受けるために前衛よりも前に出るかもしれないので除外しました」
……なんて使えねぇヤツらだ。特に最後の変態はなんだよ! 教会って聖職者の集まりだよな? なんでこうも立て続けに変態の情報が集まるんだ!?
「とは言っても、彼らも普段は治癒魔法しか使いませんから優秀な神官なんですよ。治癒回復以外の魔法の修得は本人の適性が大きく影響しますから、修得しているからといって、使う機会があるとは限らないのです。ですから我々教会の神官はほぼ実戦経験が無いんですよ」
「確かに、ここまで聞くとシャルが一番守りやすいし上手くやってくれそうな気がしてくるな」
下にあるシャルの頭に手を置いてワシワシと撫でる。
シャルは「へへへ~」と笑い、にへら~っと顔を緩ませた。
「でしょう? 私もそこまでの結論を出したのですが、やはり幼く可愛い妹を死地に送り出す訳にはいきません。ですから、こうしてサスティリア様にお伺いを立てた次第にございます。シャルを送り出すべきか? 他の神官に代わりができるのか? それともこの依頼は断るべきか。というわけでして……」
そう言って、先ほど出てきた板をこちらに見せる。
そこには『シャルンティン』と名前が彫られていた。
「なるほどね。依頼の人選になんで神頼みまでするのかと思ったら、お墨付きをもらうためか」
「はい、それにこの札にはシャルを守る恩恵を与えられています。シャルがこれを身に付けていれば、いざという時に身代りとなってくれるのです」
身代りの護符とは驚いた。元の世界でもあるって噂は聞いたことあるが、こっちではこんな辺鄙な地の教会であっさり手に入る物だとは。
まぁ多分、シャルにしか効果が無いんだろうし、この依頼が終われば使えなくなるんだろうけど。
「そこまで女神様に至れり尽くせりだと認めるしかないよなぁ。シャルはそれでいいのか? すっげぇ怖~い思いするかもしれないぞ?」
俺の言葉に眉間にシワを寄せて、目をギュッと瞑り俯いたあと、小さな両拳を胸の前で握って振り、顔を上げる。
「はい! せいいっぱいがんばります! みなさんのお力になりたいです!」
決意の籠った強い光を湛える大きな瞳が俺を見つめ返す。
こんな目をするヤツが半端者の訳がない。だったらこちらも覚悟を決めて、その力を借りるまでだ。
「よし分かった! 俺らもシャルを全力で守るし、シャルもいっぱい力を貸してくれ。よろしくな」
「はい!」
俺の差し出した右手を両手で握ってぶんぶん振り回し、ピョンピョン跳び跳ねるシャル。
予想外に可愛らしい神官を雇えたが、こりゃ責任重大だな。
やれやれ、と苦笑を漏らすとコニスと目が合った。
コニスはニッと微笑むと、拳をこちらにぐっと突き出す。契約が上手くいって嬉しいんだろう。
俺も応えるように拳を突き出してみせた。
予告なしの更新です。申し訳ありません。
年末のあれこれが一段落ついたので、忘れられないよう一話だけの年内の更新です。
後は年末いっぱい仕事三昧……orz
良いお年を。




