五日目 医務室 ロージルさんの生い立ち話
元の世界でも医者という職業と病院はあった。
ウチのメイフルーのように、神官が神聖スキルを使い様々な治療を施すので何から何までも治して貰えるように思われがちだが、神官と医者の施す治療は全く異なるものなんだ。
神聖スキルでの治療は信仰する神様によって微妙に違うらしいのだが、主に外傷と肉体への物理的損傷や疫害、そして、精神の状態異常の治療の二つに別けられる。
外傷は擦り傷や切り傷、軽度の火傷などの軽傷。そして、骨折、重度の火傷、部位欠損などの自然治癒する見込みの無い重傷まで様々ある。前者であれば医者と神官、方法や治癒速度の差はあってもどちらも治癒できるが、神聖スキルが必要とされるのは後者の場合が殆どだ。
状態異常は、主に魔物からくらう毒や石化、呪いに麻痺等々を指し、こちらも神の御業無くしては回復の見込みが無いものばかりだ。
毒はまぁ種類によっては毒消しポーションでの解毒が可能だが、それも神聖スキルほどの即効性があるわけじゃないから、神官様々だったりする。
で、効果が高く即効で治るとなるとやはり重宝され、教会で高位の神官に治療を依頼するとそれなりに高額の寄進をしなければならない。
では、どういった連中が日々神官の世話になるのかというと、圧倒的に多いのが前線で戦い続けるハンターであるが、大半を占めるCランク以下のハンターは押し並べて貧乏人ばかりだ。普通なら教会で治癒を頼めるほど金を持っていないし、現状でも駆け出しハンターはじゃんじゃんバリバリ死んでいたりする。
ハンターギルドとしても最下位のハンターの育成や、中堅クラスのランカーが随伴するなど力を入れているが、現場での突発的な事故などではどうしようもない場面も出てくるし、後進もなかなか育たない。
そういったハンター社会の維持という名目で、教会側はメイフルーの様な若手の神官を派遣しているのだが、実際には神聖スキルを上げるのが目的らしい。
どの宗教も現場でガンガン治癒してスキルを上げて種類を増やし、いずれ何人かが高位の神官に育って教会を支えてくれる事を目論んでいるようだが、このハンター業界、神官がパーティに居ようが死ぬ時は死ぬ。神官も死ぬので、やはり高位の神官は希少なのだろう。
ちなみにメイフルーはレイセリアとハンターになりたくてギルドへ加入した。どれだけ力を付けて成長しようとも教会で高位神官としてのさばるつもりはないらしい。
一方、医者や病院の役割は、先程挙げた軽傷の類いと病気の治療を主にしている。
軽傷の場合は生薬によって自然治癒を促し、数日時間を掛けて治す治療法で、神官に治癒してもらうよりは治療費がずっと安く、主に一般人が利用している。
俺の左腕の大火傷を半分治した中級回復ポーションなどはやはりそれなりに高額なのだ。
初級ポーションですら病院で治療してもらった方が安上がりなので、すぐ治す必要性がなく治癒に時間がかかっても良い場合であれば、大抵の人は病院を利用している。
病気については、今のところよく解っていないってのが現状で、神聖スキルでも効いたり効かなかったりする。
例えば腹痛であるならば、原因が食あたりや服毒からなら解毒のスキルで治せるのだが、内臓そのものが元から悪くて外部からの原因でない場合は、当然解毒スキルも効かない。その患者を診る神官が原因を根本から治癒できるスキルを持っていない限り、完治する見込みはない。
優秀な神官であっても、精々三~四種類の病気を治せるスキルを持ってるかどうかって話だし、持ってるスキルも人によってバラバラだ。治せる神官と巡り会えるかどうかなので、患者の運次第ともいえる。
そこで必要となるのが医学と薬学。悪い部分を取り除く手術や、生薬の力で悪い部分を改善するといった方法で治療をする分野だ。まだまだ発展途上で失敗例も多いが、それでも助かりたいとすがる人々は後を絶たない。
どちらも専用のスキルがあるみたいだけど、俺はそこまで詳しく知らない。でも、神頼みでも治せない病気を人の手で治せるってんだから、やっぱ人間ってすげぇなって思う。
医術を持つ神官か、神聖スキルを使える医者がいれば一番いいんだろうな。それか二者が手を組めば、もっと治療の幅と成功率が上がると思うんだけど……。
ちなみに回復ポーションは錬金術スキルで製作され、錬金術ギルドで販売している。毒消しポーションなどもそうで、薬学の薬師と混同されがちだけど、同じ治療目的であっても、薬とポーションでは作る上でのアプローチが違うんだそうだ。
俺が知ってるのは、薬師は治癒目的の薬しか作らず、錬金術の方は様々な品物を作るのに使える材料なんかも作ってるってことくらいかな?
こちらの世界でも医務室があるのなら医者もいるんだろう。神聖スキルが神聖魔法だったのと、ポーション系を錬金術ギルドが作ってない点は違ったけど、医者はどうなんだろうな?
「ここでロージル先輩が倒れたんですよ」
廊下を進んでいると左側の扉を指してコニスが言う。
「で、右の二つ先の扉が医務室なんです。ね? 近いでしょ?」
なるほど、近いっちゃ近いが小柄のコニスがそこそこ長身でスタイルの良いロージルさんを一人で運ぶには無理がありそうだ。
「イルマ先輩を呼んで戻ってきてみたら、ロージル先輩の鼻血、突っ込んだハンカチを真っ赤に染めて床に血溜まり作ってんですもん。こっちが青くなりそうでしたよ」
通り過ぎようとした左の扉の前で思わず止まってしまう。扉を透して血溜まりに横たわって気絶するロージルさんの姿が見えた気がした。
「あ、もうちゃんとキレイに掃除しましたから跡形も無いですよ。証拠の早期隠滅は基本ですよね!」
「なんの基本だよ……」
笑顔で犯罪理論を語るコニスを追って医務室の前まで来た。コニスがノックする。
「イルマ先輩、いますか~?」
「あぁ、入ってくれ」
くぐもったイルマさんの声が扉の奥から聞こえてきたので、コニスに付いて部屋へと入る。
医務室は丸椅子がいくつかと診察をする為の寝台。いくつかの棚には薬と思われるガラス瓶が並び、テーブルには医療器具や筆記用具、本が並び、意外とゴチャゴチャした印象を受ける。
入ってすぐに感じたのは消毒液のような匂いで、人は医者はおろか誰も居なかった。
左側の一画をカーテンが仕切り、その中に人の気配を感じる。と、イルマさんがそこから顔を覗かせた。
「あー、マビァくんも帰っていたか。コニスから話は聞いたか? 驚いただろう?」
火を着けていないタバコを咥えたまま、ニヤリと笑ってみせるイルマさん。
「もぅ! イルマやめてよ!」
奥から小声でイルマさんを咎めるロージルさんの声が聞こえた。良かった、意識は回復したようだ。
イルマさんは医務室に俺達四人の他に誰も居ないのを確認してからカーテンを開ける。
ロージルさんは上着を脱いだ状態でベッドの上でペタリと座っていた。少し恥ずかしいのか、シーツを胸元まで引き寄せて握りしめ、頬をピンクに染めてこちらをチラチラ伺う。その仕草がなんともエロ可愛いが、まずは変な誤解を解かないといけないので気を引き締める。
「イルマさんには確認しないといけない事がありますけど、その前にロージルさん」
「は、はい!」
「俺、ガラムさんとはそんな関係じゃ無いですからね。もしそうだったらロージルさんの後押しなんてしないことぐらい分かるでしょう?」
「え、えぇ。そうですよね、ごめんなさい。冷静になればそうだと分かりますけど、新たな情報に翻弄されたといいましょうか、その……」
「まぁマビァくん、それくらいで許してやってくれ。今回の件は無かったことにするから。それにこの子の恋愛オンチの原因がなんとなく分かってきた気がするんだ」
俺は別にロージルさんを責めてたわけじゃないが、涙目で狼狽えるロージルさんを庇う様に間に入りフォローするイルマさん。
「原因? そんなの分かるもんなんですか?」
丸椅子を二つ持ってきて俺に一つ渡しながら聞くコニス。そりゃまぁ、原因があったからこそ現状があるのが理屈ってもんだけど……。
「あぁ、多分この子の姉、リーデルってんだけどな。多分アイツの影響をなんとなしに受けてきたからじゃないかなぁ……くらいなんだけどな」
咥えたタバコをピコピコ動かしながら答えるイルマさん。なんとも歯切れの悪い答えだが、想像の域を越えてないってことか? そういやロージルさんには姪っ子がいるって言ってたな。その母親がお姉さんのリーデルさんってわけか。
「お姉さん……。あー、もしかしてそのお姉さんって『薔薇を愛でる会』のお人なんじゃあ……?」
「察しがいいなコニス。王都出身でお前も同じ学校の出だったらまぁ分かるか」
「そうですねぇ。陰でそれなりに流行ってましたし、熱狂的な方は割りと目立っていましたから」
イルマさんは苦笑し、コニスは肩を竦める。ロージルさんはよく分かっていないようで首を傾げていた。俺もさっぱり分からずについていけない。
「なんですその『薔薇を愛でる会』ってーのは?」
コニスとイルマさんに聞き返すと、コニスは何故か恥ずかしそうに目を逸らし、イルマさんが答えてくれる。
「ある特種な物語の形態を愛し語り合う愛好家達の秘密の団体……ってところか。要するに男同士の恋愛をテーマにした小説などの創作物が好きな連中の集まりなんだ」
「……男同士?」
「あたしもよく知らんのだが、現実味のある物語じゃなくて、なんていうのかなぁ……。『美しい男子達が綺麗に濃厚にまぐわう物語』と言えばいいのか? なぁコニス」
「わ、わたしも読んだことはないので!」
珍しくホンキで恥ずかしがるコニス。
「なんかエロい本みたいですね?」
「いやいや、そう直接的な表現のあるものではないようだ。恋人同士の心の機微や葛藤、周囲からの偏見や誤解を絶妙なタッチで描く起伏のあるストーリーであったり、文学的な美しい描写の表現法であったりと小説としては中々の物でな。愛好家達は妄想して楽しんだり、絵に描き起こして見せあったりしているみたいだ。現実の男同士の恋愛など微塵も感じさせない、女性だけが求める美しい妄想の世界……かな? あたしもリーデルに薦められた一冊しか読んでないから、それ以上は分からんよ」
むぅ……。どんなものか想像できん。俺の頭に浮かぶのは裏町での美形でもなんでもないおっさん達がベタベタイチャついてる姿を思い出すくらいだ。あれはこっちに害がなけりゃ好きにやっててくれって感じだったけど、ああいった生々しいものでは無いってことなんだろうか?
「で、それがロージルさんの恋愛観とどう関係するんです?」
「それな。あたしの記憶に基づいた事しか語れんが……」
そう切り出し、イルマさんが語ってくれた。
◇◇◇イルマさんとリーデル・ロージル姉妹のお話◇◇◇
あたしらは幼なじみでリーデルとあたしが同い年、ロージルとは五つほど離れてるんだ。
あたしら二人がこの街の初等学校を卒業して王都の職業訓練校に入学するまではいつも一緒に遊んでいたもんさ。
なに? マビァくんのところじゃ初等学校も職業訓練校もないってのか? 初等学校は十二歳までに基本的な読み書きや計算と、その他色々と学習させて子供達に進路を決めさせる場って感じかな?
家業を継いだり職人を目指す者はそこを卒業したらそれぞれの場所で見習いとして修行に入るんだが、あたしらみたいなギルド職員や銀行員なんかの公務員や事務経理職員、それに王宮の政務官を目指す連中は上の学校に進級する必要がある。
コニスも含めあたしらが通った職業訓練校『グリーンヒル女子学園』はその名の通り女子だけの寄宿制の学校で、まぁ当たり前だけどあたしとリーデルはロージルを残して先に進級する事になった。
あの時は淋しがるロージルに泣かれて大変だったよ。あぁ怒んなってロージル。多分ここも今のお前にとって重要な部分なんだ。
王都まではギャロピス車で五日間ほどの距離があるからそうそうカレイセムへは帰ってこれない。妹を可愛がっていたリーデルもあたしもこの子の事ばかり気に掛けていて、冬休みや春休み、夏の学年末には必ずここへと帰って来ていた。
ロージルも友達を作るのが下手な方で親友と呼べるのもあたしくらいのもんでさ。王都で訓練代わりに行かされる各ギルドでの研修で出る僅かな給金で、この子にお土産を買って帰るのが二人の楽しみでなぁ。それぞれ何買うか秘密にしてたっけな。
マビァくんには想像し辛いかもしれないが、女だけの寄宿学校ってのは独特な空気感ってのがあるんだ。上級生が下級生を妹の様に可愛がったり、変わった趣味の子が集まってサークルを作ったりな。そんな中でリーデルが惹かれたのが『薔薇を愛でる会』だったらしい。
あまりにもコッソリと入会してたみたいで、あたしも在校中は気が付かなかったくらいでさ。よく本を読んでて時々綺麗に微笑むもんだから、
「何がそんなに楽しいんだ?」
ってきいても、
「秘密♡」
って教えてくれやしなかった。まぁその時はあたしもあまり本を読む方じゃなかったし? たぶんロージルへの土産に面白い本でも選んでいるんだろうくらいにしか考えていなかったし。
でも今から考えりゃ当たらずとも遠からずって感じかねぇ。
で、今ここでロージルから聞いた感じだと、あたしには秘密で本を土産に持って帰っていたらしい。
その内容がどれも男の子同士の友情とも愛情ともつかない、淡い物語の物ばかりだったみたいで、子供には分かり辛い文学的表現や性的描写の無いソフトなストーリーだったようだが、僅かずつながらでも今へと続く影響を与え始めてたんだろう。
あたし達は三年で卒業してカレイセムに帰ってきて就職、二年後に今度はロージルが一人で進学。娘が二人して職人の道を目指さないもんだから、あんたらの両親も少し淋しがってたよな。
まぁロージルは勉強するのが大好きで、王宮の政務官へのお誘いがかかるくらい優秀だったのに、こっちでこんな職についちまってさ。料理も凄い上手いクセに商売が好きってわけじゃなかったから料理人は目指さなかったんだよな。王都で店を持てるぐらい腕が良いのに、趣味でいいなんて言うんだからさ。
あぁ分かってるよ。都会は苦手だし幹部候補者試験も受ける気無かったし、幹部になっちまったらどの街の支部に配属になるか分かんないもんなぁ。あたしがここに居たからここを就職先に選んだんだろ?
で、ロージルが卒業して帰ってきてリーデルが結婚して家を出たわけだ。旦那さんとの新居が実家のすぐ近くだし、しょっちゅう会ってるから出たって感じもしないけどな。なもんで、リーデルの部屋はそのまま残ってるし、例の本達も本棚に置きっぱなしになってて……。
あー、今から考えりゃ三人でカフェなんかで寛いでいた時に、通り過ぎる可愛い男子達を見かけてはロージルになんか吹き込んでた気がするなぁ。
……なるほど? ロージルさんの生い立ちについては大体分かった。でもそれが何でここまで恋愛下手にさせたんだ?
「幼少期から頼れるのはイルマさんとお姉さんだけ。友達もいなければ男子を好きになることもなく、お姉さんに与えられた物語は男の子同士が仲良くする物ばかり。進級した先は女の園で勉学に明け暮れ、こっちに帰ってきてからもゆるゆるとお姉さんによる洗脳…………。怖い! お姉さんどこまで計画的なんですか?!」
冷静にイルマさんの話を分析し、恐れおののくコニス。
「リーデルは昔っから清楚に見えて、長い付き合いのあたしですら気付けず暗躍されたことが度々あったからなぁ。多分ロージルが『グリーンヒル女子学園』に入学して『薔薇を愛でる会』に入会させるのが本来の目的だったんじゃないか? その為に進級前からあんな感じの本を読ませてたんだろうね。下地が出来てればすんなりと馴染みやすいからさ。
ただ誤算だったのがロージルの恋愛観の無さが致命的にポンコツだったってことだろう」
イルマさんがロージルさんの頭をぺしぺし叩きながら言う。
ここまで聞くと俺でも話が読めてきた。
「つまりお姉さんが普段からロージルさんが男の子同士の恋愛に興味を持つように何気な~く働きかけ、自分の部屋の本棚に興味を持つように誘導し、ソレ系の本を読んじゃったから、ロージルさんは俺とガラムさんの濃厚濃密イチャコラを妄想しちゃったってこと?」
俺の答えにイルマさんとコニスもうんうんと頷く。ロージルさんも顔を真っ赤にしてなんとか答える。
「は、はい。わたくしにはかなり刺激的な作品でして途中で読むのを止めてしまったので、具体的な行為までは想像していないのですけれど……。その、作中の二人の関係や雰囲気がガラムさんとマビァさんに似ていたものですから、勝手に妄想が膨らんでしまって……」
なんつーハタ迷惑な姉と小説なんだ。全く関係ない俺まで巻き込んでリーデルさんの計画が長い年月を経て完成しようとしている……。
「でもまぁそれだけじゃ、今のこの子の異常を解明できてるとは思えないしね。まだまだ解らないことだらけさ」
肩を竦めて苦笑するイルマさん。
確かに感情が昂ったきっかけがその小説だったってだけで、なぜ『無自覚痴女化』するのかは別の問題としか思えない。リーデルさんの洗脳がなければ、もう少しまともな恋愛脳になっていたかもしれないが、自分がモテていることに全く気が付いていないこのポンコツ具合は、これまた別の原因がありそうだ。
「でも変ですねぇ? あの薔薇系の小説って圧倒的な美少年や美青年が主人公なんですよね? なんでマビァさんなんかで妄想できたんでしょ?」
「なんかって……」
いや、自分が美形じゃないことぐらい重々承知してるけど。言い方酷いなおい。
「ガラムさんはワイルド系のいい男と言えるんだけどなぁ。どうしてだロージル?」
イルマさんあんたもか?! 残念そうな視線をこっちに向けてくんな!
「わたくしの妄想の中では、マビァさんのお姿はタブカレの写真をベースに再現されていた様でして……」
申し訳無さそうにこちらをチラリと見てから俯くロージルさん。……憐れまないでくれるかな?
そしてハンセルの仕事がまたここで出てくるか! アイツのせいで俺がどれだけ女性にガッカリされてんだよ。
「あーー! あれなら本人の三割増しって感じですもんね!」
「いや、もうちょい……五割増しってところが妥当じゃないか? あの写真のキラキラ感が本人には全くないんだから」
納得! とばかりに手を打つコニスと、フフンと嗤いタバコをピコピコ動かしながら、ここぞとばかりに攻めてくるイルマさん。
「もーわかったよー。容姿で人を貶すなんてサイテーだぞー……」
俯き両手で顔を覆って咽び泣く俺。
大体この部屋での美形格差があり過ぎるんだよ。美女美少女三人相手だと平凡な俺の面が稀少なブサイクに思えてくるくらいだ。普段顔のことなんか全然気にしない俺でも傷付くぞ。
「まぁ、冗談はこれくらいにして。何か話があったんじゃないのか?」
まるでさっきまでのことが無かったかのように話を変えるイルマさん。……腹立つわー。




