三日目 ギルドタグと木工ギルドでの模型作り
受付に行くとコニスが待っていた。
「マビァさん、こちらへどうぞ」
「コニス、まだ仕事上がりじゃないのか?」
夕刻迫る窓の外を見ながらコニスに聞いてみる。
「わたしとロージルさん以外の職員は、マビァさんのこと怖がって嫌がるんですよ。ですからここでは私がマビァさんの担当を致します。早く帰りたいんだから協力してくださいよね」
ああ、嫌な仕事押し付けられたのか……。
「って、何で俺嫌われてんの? 俺そんなに酷い事をしたっけ?」
「自覚ないんですか? 突然やって来て、脅迫紛いにギルドの魔獣ランクを変えたり『幻獣召喚』を職員全員の義務にしたり、冒険者達も脅して従わせたじゃないですか。これまでの常識や仕事の仕方が全て変わったんですよ? 喜ぶ人がいるとでも?」
う、そう言われれば確かに……。
ぐるりと周りを見渡すと、このフロアにいる職員も冒険者もブブブンッと音が聞こえる程に慌てて顔ごと目を逸らすのが見える。
うあぁ全員後頭部しか見せてねぇ……。本気で嫌われているようだ。
「さあさぁ、手短に済ませますよ」
通されたのは受付の隣にある小さめの部屋で、中央には細かい砂の入った一メートル四方程の四角い木枠が腰の高さの台に載っていて、何やらよく分からない道具がくっついている。
その周りには何もなく、人が周りから木枠の中を覗き見るかのような作りになっている。
「この部屋は?」
キョロキョロと見渡しながらコニスに聞いてみる。
「ここはギルドの認識票、通称『ギルドタグ』または『タグ』を、新しい会員に授ける場所であり、ギルド会員の功績を査定する場所でもあります」
そう言いながらコニスは鎖の付いた楕円形の金属板をポケットから取り出すと、さっきのよく分からない道具に嵌め込み、手元の板を両手の指でカタカタと弾き出した。
「これでよしっと」
最後にタンッと板を弾くと、その道具が金色に輝きだす。しばらくするとガチャコンと金属板が出てきた。金属の色が白金色に変わっていた。中央に紫色の魔石のような物が嵌め込まれている。
「これがマビァさんのギルドタグです。SSなんてランクはなかったので調整に手間取りましたが、上手くいって良かった~。さ、これに魔力を注入してくださいね。しっかり満たされるまでですよ」
わざわざ調整し直すくらいなら、別にAランクでもいいのにと思ったが、もう作られてしまったものは仕方がない。渋々受け取りじっくりとタグを眺める。
タグには俺の名前と、クラス戦士、そして大きめにSSと刻印されている。やや黄色がかった銀色はそう派手さはないが、俺に似合っているかと言えば、少し上品過ぎる気もする。
へ~、ほ~、と角度を変えて眺めていると、
「早くしてくださいよ」
と、コニスに叱られた。
「……いや、でもどうやったら魔力を込められるのか分かんなくってさ」
そう、俺は純粋な片手剣の戦士なので、魔力を使ったことがない。元の世界でも誰にも魔力はあるらしいし、将来的には魔力を込めて放つ攻撃スキルを修得したいとは思っているが、今現在は使えないのだ。
「へ? 何言ってるんですか? 火の魔道具で着火したり、部屋の魔灯光をつけたり消したり、お風呂でお湯出すのも魔力を使って出してるでしょ?」
コニスが『何言ってんだコイツ』的な目で見てくる。ホントに遠慮がなくなったなお前は。
そうなのか? 火はつけたことないけど、ウェルの宿ではスイッチの切り替えで灯りをつけたり消したりしてたし、風呂やシャワーでもレバーを捻ったらお湯を出したり止めたり出来ていた。しかしその時も特に魔力を込めたつもりはなかったのだが……。
無自覚でやっていたことをいざやれと言われても、よく分からない。何となく意識を集中してみたり、「はあぁぁぁーっ!」と気合いを入れてみたりしたけど、どうにも上手くいっていないようだ。五分程あれこれやってもうダメかと諦めかけて力を抜いた時に、やっと石が光り出した。
感覚的な変化は一切感じないが、どんどん魔力が引き出されているようで、すぐにタグ全体がほんのりと光を帯びる。結局魔力を込めるコツは掴めなかった。
「やっと終わりましたか。マビァさん魔力の扱いが不器用すぎませんか? じゃあ、この魔道具のここに差し込んでください。それでこのギルド支部への登録が完了します」
差し込むとまた輝き出す魔道具。そしてまたガチャコンと出てきたので受け取る。
「この魔道具は冒険者の行動や成果を査定する物です。マビァさんは初回ですので無反応ですが、これからはどのように動いて何時どこで魔獣を討伐したか等がタグに記録されていきます。見てもらった方が早いですね。これは説明用に作られた昔の冒険者のタグです」
そう言ってコニスは別のタグを魔道具に差し込むと、木枠の中の砂が動き出して立体的な地図が出来上がった。カレイセムの街とその周辺が大まかに造られ、ギルドのある位置から青い光のラインが街の外へと走り、近くの畑で丸く光ると、その場に光の文字が空中に現れる。『アオムー 3』と現れ、その下に時間と年月日らしき数字が出た後、光のラインは元来た道を戻ってギルドまで帰ってきた。
「おおー! 何これおもしれぇ!」
全く見たことのない技術に興奮する俺。角度を変えながら木枠の中を見る。
「この様にこの冒険者は、いつどこでアオムーを三匹狩ってきたのかが分かりますね?
同じ様に採取の依頼を受けた場合にもどこで何を取ってきたのか記録されますので、もし不正があった場合……、例えば他の冒険者から横取りしたとか、生殖地でない場所に出向いたのに依頼品を持っているとかですね。そういうのもすぐに分かります。
また、窃盗、殺人なども記録されますので犯罪行為はダメですよ? この平和な街ではそんな記録ないですけどね」
確かにこれは首を紐で括られたようなもんだ。最初にそう説明されていては、そうそうバカな行動に出る冒険者もいないだろう。
でも元いた世界だと、この仕組みの隙を突くような事を考える犯罪者がいてもおかしくはないだろうな。俺が感じるだけで何か隙がありそうな仕組みだから、悪知恵の働く奴なら何かを思い付くかもしれない。まぁ、元の世界にはない物なので考えるだけ無駄なんだけど。
「冒険者って誰でもなれる職業なだけに、こういった縛りが少しきつかったりもするんです。教育を受けておらずモラルの低い方も稀にいますから、そういった方への最低限の社会的な常識の教育と、犯罪への抑止はギルドの責務なんですよ。
……マビァさんの非常識さと、犯罪ギリギリの暴れっぷりは抑止出来るか不安ですけど」
またコニスにジト目で見られた。
「俺は何も悪い事はしてないだろ。お前らにとって非常識って言われても仕方ないのは戦闘面においてだけだし、暴れたってのも絡んできた冒険者を捩じ伏せただけだ。俺は悪くない」
腕を組んで胸を張る。コニスは「はぁ~~」と大袈裟に溜め息を吐いた。
「マビァさんの場合、相手を煽って怒らせたうえでから捩じ伏せてるじゃないですか。遣り口がゲスいんですよ。もうちょっと穏やかなやり方を考えてください」
「それは相手にもよるな。大尉達の時はちゃんとやってたし上手くいっただろ? 俺が煽るのは端から相手を見下している奴だけだ。初対面の人間を見下してくるような奴にだけ、それ相応の対処をしてるんだよ」
俺の完全無欠な持論の展開にコニスはムーっと唸る。
「とにかく、相手が誰であれ怪我をさせれば傷害罪で犯罪者です! その辺は弁えて行動してくださいよ? 私が担当する冒険者の中で一番何するか分からないのがマビァさんなんですから」
腰に手を当ててプンプンと怒るコニス。俺は「はいはい」と適当にあしらいながら首にタグをかけて服の中に納めた。
「じゃあこれで説明は終ります。明日はもうムチャしないでくださいよー?」
「ああ、今日のは起こっちゃいけない事故だったからな。この後もその件で話し合いだ。じゃあ急ぐから行くわ。ありがとなコニス、お疲れ様」
そう言って手を振ると、コニスは少し困り顔で微笑んで見送ってくれた。
ロージルさんが用意してくれた金を受付で受け取りギルドの外へ出ると、夕暮れが終わりかけていたので、急いで服屋に走る。
閉める準備をしていた店主に無理を言って服を三セット程買わせてもらい、少し色を付けた値段を払うと、持ちやすいように紐で縛ってくれた。礼を言ってから木工ギルドへと走る。
どちらも街の東側にあったので、五分とかからずに木工ギルドに着いたが、辺りはすっかり夜になっていた。
門を潜りロビーに入ると昼前とは違って商売の活気はなく、灯りも少し落とされて数名の職員が作業しているだけだった。
当たり前か、もう通常業務は終わる時間だ。冒険者ギルドや軍は緊急時に対応しなければならない時もあるので二十四時間営業だが、商業系ギルドは普通の時間帯しか営業してないよな。
受付に近付くと、昼前に対応してくれた受付嬢さんがこちらを見付けてくれて会議室へと案内してくれる。
「マスターと職員達を守って戴きありがとうございます。マビァさんは命の恩人だと、皆大変に感謝しておりましたよ」
と、深々とお礼をされる。
「いや、色々運が悪かったし、みんなで頑張ったから助かったんです。俺がしたことなんて大したことないし、むしろ木工ギルドの人達を巻き込んでしまいましたから、お礼なんていらないですよ。こちらが謝らなくちゃいけないくらいで……」
俺はワタワタ手を動かしながら言い訳をする。同じ事言ってばっかりだな…。
それを見た受付嬢さんは「謙虚なんですね」とくすりと笑い、後は黙って案内してくれた。
会議室の扉を入ると大勢でガヤガヤと議論の最中だった。シヌモーンギルドマスターとナン教授、ガラムさんの他は、昼に葦原に行った職員三人の他に職人達が十人程いて、大きなテーブルの上に何枚も置かれた図面に書き込みながらあーだこーだと言い合っている。図面から顔を上げたガラムさんがこちらに気が付いて手を振ったのでそちらに行ってみる。
「よぉ、遅かったな。そろそろこっちは大詰めってところだな」
「ガラムさんごめん。さっき剣と盾のお代払うの忘れてた。いくらだった?」
近くの壁際に武具と買った荷物を下ろしながらガラムさんに謝る。
「あぁ。そういやそうだったな。なかなか楽しい仕事だったしこっちは別にタダにしてもいいんだけどな。ダメか?」
「あれだけ良い仕事をしてもらったのにそれは悪いよ。……それに、ワニの討伐でかなりの荒稼ぎをしちゃってさ、どうせあっちには持って帰れないから、かなりぼったくってくれた方が助かるかも」
後半をガラムさんだけに聞こえるように囁くと、
「あぁ、そうなのか」
と、苦笑して俺の肩をぽんと叩いた。
「帝国時代の俺の相場なら、二万ってところだな」
「じゃあこれで」
と、大銀貨四枚を渡す。俺的には金貨を渡しても惜しくはないんだけど、あまり金額を上げすぎると返って失礼に当たるし突っ返されそうだ。
渡されたガラムさんは少し困り顔で大銀貨を見たけど、「毎度あり」と懐に納めてくれた。
「で、どんな感じになってんの?」
「取り敢えず、木剣の金属製作は全部鍛冶ギルドに回すことになった。
俺はこの罠に使う細かい金属部品とコカトリスを入れる籠の製作をする。
年中日光と風雨に曝されるわけだから防錆と防塵、耐劣化の加工が必要でな。これはこの街の鍛冶ギルドよりも帝国の技術の方が上だから俺がやることになった。
太い鎖造りや仕掛けに使う細長い鋼線はウチの工房じゃあ手狭だから、鍛冶ギルドの大工房を間借りしてギルドの連中に教えながら造ることになるかもな」
手元の紙にガリガリと図を描きながら説明してくれる。
基本動く箇所の部品は金属で造らないとならないようだ。木だと防腐処理や耐劣化加工をしたとしてもやはり磨耗が激しいのと、処理に錬金術の技術を使うのでコストが割高になるらしい。
この罠は可動箇所が多いので同じ部品を何個も造る必要がある。更に罠は六つ造る予定なので、かなりの大仕事になるそうだ。
「これ……。すっげえ大変なんじゃない?」
素人の俺でも分かる膨大な仕事量に呆れてガラムさんに聞く。
「俺の店はあまり儲かってる方じゃないからな。正直こんな大口の仕事はありがたいんだ。機械部品の製作は帝国時代でもちょこちょこやってたから技術的にも問題ない」
ガラムさんの造る調理器具は物が良いので、下手すれば一生買い替える必要がない場合もある。
こんな小さめの街だと、一定数売れれば売上がガクンと下がる。五年目の今がその時期に入っているようで結構暇なんだそうだ。
そういえば店には三回行ったが、他の客を見たことなかったな。
ガラムさんが他の職人達に話しかけられて忙しくなってきたので、ナン教授の方に行ってみることにする。教授は職員の質問に答えながら木彫りのワニを彫っていた。
「教授、それは?」
「おうマビァくん。これはバーンクロコダイルの十分の一スケールの模型を彫っているんだ。まずは罠の模型を造ってみて実際に使えそうか試してみんといかんからな。ワニの体型に詳しいのは俺しかおらんから俺の仕事ってわけだ」
俺と一緒に街まで帰ってきて、荷馬車とコカトリスを片付けてからこっちに来たんだから、俺より少し早くここに着いたくらいだろう。それなのにワニの形は粗方彫れていた。めっちゃ仕事が早い!
「随分手慣れてますけど、普段から作ってるんですか?」
「うむ、彫物師の真似事は俺の趣味みたいなもんでな。好きな魔獣を彫っては俺の部屋に飾ってある。ウチのかみさんが邪魔だってうるさいから部屋をいくつか増設してやったわ」
ガハハと笑いながら鑿と木槌でガンガン彫っていく。今日は朝から動きっぱなしだろうに、元気なおっさんだ。
趣味はまた別腹なのか、楽しそうに彫っているのでまぁいいか。
「さっきウェルの使いの者が来てな。三日後の大振舞いが終るまでは西の葦原に行くのは中止にしたそうだ。そのかわりに土木ギルドに頼んで東の葦原に道を造らせるのと、石にしたワニの回収を明日行う。俺もその時に行ってワニの測定をしようと思ってな。もうワニは居らんと思うが、マビァくん一応護衛してもらえんだろうか?」
「いいですよ。明日は特に予定入ってませんし、土木ギルドの人達にもあまり迷惑かけれませんからね」
「ありがとう。君がいれば万が一にも対処できるから安心だ。ガハハハ!」
話しているうちにもワニの形がみるみる掘り出されていく。このおっさん彫物師を本職とした方がいいんじゃないか?
「これ見てたら教授が造った他の彫り物も見たくなってきました。今度見せてもらえませんか?」
「おう、だったら明日にでも見に来るか? 君が来れば孫たちも喜ぶ筈だ」
「じゃあ明日の帰りにでも寄らせて下さい」
ナン教授とは明日の朝九時半に東の門で落ち合う事を約束してその場を離れる。
次にシヌモーンさんにも話を聞いておく。大勢の職員職人によって何枚も書かれていく図面を見ながら、完成予想図の絵を描いていた。
へぇ、こんな感じになるのか。罠は木の壁に囲まれた内側にあるので外観を描いただけでは何の建物かさっぱり分からない。
各場所が分かりやすいように何枚にも分けて描かれている。これなら確かにナン教授の説明だけでは分かりにくかった部分も想像出来て分かりやすい。
「これは思っていた以上に大掛かりな罠になりそうですね」
最初の少し高い台にワニを誘い出して、下から仕止めようっていう簡単な罠とは全然違う。
地面には『こんくりーと』っていう、固まると石のようになる素材で高さ二十センチのベタ基礎(木材をシロアリや湿気による腐敗から防ぐらしい)を造る。
左右の壁と沼側の頑丈な壁、沼側と街道側の扉、見張り台にリールのある場所まで昇る梯子、石にしたワニを運び出す台と線路に移動式クレーン……。
「これ……。造った後で上手く使えませんでしたってなったら大損になりませんか?」
俺みたいな素人でも分かる、結構な予算のかかりそうな建物になった罠は、凹型の枷で上からガッチリと押さえ込むというなかなかピーキーな仕様だ。動く動物を上から五つの枷で同時に押さえ込めるかは時の運も絡んできそうな気もするけど……。
「まずは模型造りからですが、安全性を守りつつ徐々に簡略化とコスト削減を目指します。このままこれを実物大で作ってしまうと一基に一千万カルダはかかりそうですからね」
とんでもない金額を口にするシヌモーンさん。それが六基で六千万カルダか! 今の俺だとワニ一頭の討伐で十二万カルダだから……、五百頭!!
不可能な数じゃないけど絶滅させるわけにはいかないから何年もかかってしまう。
……あ、いや、俺が稼ぐ必要はなかった。あまりの金額に少しパニクった。
「そ、そんなに製作にお金がかかって元が取れるんですか?」
「このままだと大赤字でのスタートになって採算を合わせるには何年もかかりますね。
この図はあくまで、絶対的安全を追求して今ある技術で出来ることを詰め込んだ理想図です。
一度模型を造ってみて動かして見たら簡略化やコストダウン出来る場所も見えてくるでしょうから、最終的には半額以下に抑えられるかと思いますよ。」
若くして木工ギルドの長になるだけあって、シヌモーンさんはやはりやり手なようだ。話なからもガシガシと図面に書き込んでいく。
「じゃあ、教授が彫ってるワニもその模型用です?」
ナン教授の方を見ると、更に木彫りがワニらしくなっていた。背中のゴツゴツした感じを見事に彫り出していっている。
「いやぁ、お恥ずかしい話でナン教授がいらっしゃるまでは、ワニの模型代わりを長方形の角材で済ませようとしていたんですけど、叱られましてね。『それなら俺が彫ってやる』と意気揚々に仰るのでお任せしたところご覧の通り素晴らしい腕前でして……。
ありがたいことに我がギルドの職人にも火がつきましてね。みんな徹夜でもしそうな勢いなんですよ」
確かにガラムさんやナン教授と一緒にガヤガヤと話し合いながら図を書き込んでいってる。ガラムさんは大詰めだと言っていたが、職人同士が意見を出し合えば新たなアイデアが浮かぶようでとても終わりそうにない。
「みんな楽しそうですね」
「ええ、私もナン教授の彫り物を見る度に新しいアイデアが湧いてくるので、図面を書き直してばかりです。久々の大仕事でもありますから私もかなり熱くなってますね」
シヌモーンさんも興奮気味でガリガリと線を引き直している。こりゃ俺の居場所はここには無さそうだ。
「俺は邪魔にならないように退散した方がよさそうですね」
「邪魔だなんてとんでもない! いや、居て戴いても構わないのですが、マビァさんは我々を守って下さるという大役を果たされたのですから、休息を取るべきですよ。ここは我々にお任せください」
確かにパンはパン屋だ。俺はみんなに軽く挨拶を済ませて宿に帰ることにした。
会議室を出る前に柱時計を見ると七時前。ウェルがそろそろ軍駐屯地にワニ肉を運び込む時間だ。
ウェルとの情報交換も必要なんだけど、忙しそうだし会えるかな?
とにかく今日は色々ありすぎた。俺自身も頭の整理が必要だよな。
次回は二月十四日(日)の正午に更新予定です。
よろしければまたお付き合い下さいませm(_ _)m




