二日目 ふたりの新聞記者
『冒険野郎ザンタの店』を出た俺は、出来るだけ目立たぬように街を歩き、教えてもらった格安の服屋に行き、シャツ二枚とジャケットを一着、ズボンを一着買って、店を出たところで 多分正午のだと思われる鐘が街に鳴り響いた。今から食べ物屋を探して食べるよりも、ウェルの宿屋なら早いし確実だから急いで帰る事にする。
宿に返ると部屋の鍵をフロントで受け取り、バッグだけは大きいが、中身はまだ服だけで隙間が多いので、空気を抜いて小さく丸め脇に抱えて食堂に入る。
世話係りさんにいつもの給仕をしてもらい、昼からは激しく動くかもしれないからと、食事は少な目にしてもらう。さすがにおもてなしが徹底されているので、他の客と見比べると随分少なくしてくれた。
食べ終わる頃にウェルがやってきて声をかける。
「よぉ! 出るのは一時でいいのかぃ?」
今が十二時四十分くらいだから装備に着替えてたらそれくらいになりそうだ。それと今朝のお礼と謝罪をしておこう。
「ああ、それでいいと思う。それとこの服改めてお礼を言うよ。ありがとう。これ俺がしんぶんだっけ? の記事で街の人にバレない為の変装だったんだな。気付かなくて一人にバレたけど大事にならずにすんだよ。折角気を回してもらったのにごめんな」
「あぁ、俺ももっとはっきり言やあ良かったよな。ワルイワルイ。でもこの後装備を着ていくよな。どっちにしてもバレるぜ」
う、やっぱりそうだよな。今朝の新聞でみんなの興味を惹いたんだ。街にいて新聞を読んだ人は俺の鎧姿を何気無くでも探しているだろう。だからってわーっと取り囲まれるって決まった訳じゃないが。
「街の気質的にはどうなんだ? 有名女優とかならともかく、新聞に大袈裟に書かれた冒険者風情にわらわらと集まって来ることってあるのか?」
「多分まだサインを求められたり集まって取り囲んだりはないと思うぜ。ただあの記事を書いたヤツか別の記者は外で張り込んでるだろうよ」
確かにまだ直接会って質問されたりしてないから、ああいうこと書くヤツなら、本人からのコメントが一番欲しいだろう。しかも大袈裟に書くヤツだから下手に邪険にすると、何書かれるか分かったもんじゃない。それをウェルに言うと彼も同意してくれる。
「そうだな。どうせまだ何も決まって無いんだし、愛想良くしてまだ何も分からないで通そうぜ。オレとの事を聞かれたら、昔、別の街で知り合って仲良くなってたけど、偶然ギルドに紹介された宿のオーナーとは知らなかったってことにしよう。その辺は俺が上手く話すから、あんたは黙ってて頷いてくれればいい」
なるほど、そういうことならウェルに任せよう。なんせこの世界のことは俺は丸っきり知らないからな。
ここでちょっと疑問に思ったことを聞いてみる。
「俺は今日初めて新聞なんて物を見たんだが、あれ毎日作って売られてるんだよな? しかもあんなに大袈裟に書かれてさ。ウェルも目立つ格好だし若手のやり手実業家なわけだろ? なんか書かれたりしなかったのか?」
そう聞くとウェルはニヤリと笑って答える。
「そりゃ、最初はさんざん叩かれたさ。でもオレは悪役で売っててね。新聞記者にはとことんまで噛み付いてやってんだ。ここは田舎の方だし、この街だけの地方紙しかないから怖くもなんともないね」
向かいの椅子に座ってふんぞり返り、水差しからコップへ水を注ぎ、ぐいっと飲んだ。
「それとは逆にご新規の取引相手や、いつもお世話になってる業者様達にはとことんまで丁寧な対応をして精一杯お互いの為になるよう努力してんだ。そしたら新聞でしかオレの評判を知らなかった人でも、ちゃんと評価してくれる人はオレの誠意を認めてくれる。記事だけを鵜呑みにして取り合ってくれない奴等なんてこっちから願い下げだね。
つまりオレは新聞を利用して、人をちゃんと見れる愛すべき尊敬できる人達と手を結び、噂や記事を鵜呑みにして自分で考えない付き合う価値の無いクズどもをふるいにかけて落としてんのさ。お互い全く知らないゼロから探り合うより、クズは会ってもくれないから無駄がなくていいぜ~?」
彼にとっては新聞に酷い記事が書かれていたとしても、利用して広告がわりにしてるんだ。勝手に書かれるから広告料も要らない。かなり得してるそうだ。
「それにクズな奴らは僻みや妬みが好きだろ? オレの悪口が書かれてりゃ、それ見たさに新聞が良く売れるってわけでよ。新聞屋も儲かるって寸法さ。損してるのは人の悪口を読んで僅かな優越感に浸ってるクズだけよ。まぁクズは何故自分が損してるか分かってもないからクズなんだけどな」
彼の言動や格好も『ふるい』なんだろう。第一印象で人を見下すようなヤツなら話す価値がないってことなんだろうな。良かった俺ちゃんと対応しといて。
「おっと熱くなって話しすぎちまった。マビァ、急いで着替えてきな」
おっともうこんな時間か。席を立ち、そこでお願いしたいことを思い出す。
「あ、そうだった。ウェル、魔獣の生態に詳しい知り合いっていないかな? 出来れば今日ギルドに来てもらいたいんだけど」
「オーケー。一人飛び切り詳しい教授がこの街にいるぜ。昨日フィールドワークから帰ってきたばかりだと聞いた。その人にお願いしてみよう」
「急に無理言って悪い。宜しく頼むよ」
「いーって。お互い様さ。着替え急げよ」
席を立ちながら手を振ってくれるウェル。いいヤツに出会えてホント良かったな。俺、人との縁には結構恵まれてる気がする。そう思いながら部屋まで急いで帰った。
着替えてフロントに戻ると、ウェルが待っていた。
「オーケィ、行こうか。記者は二人いるみたいだ。一人はデイリーカレイセムの女記者クレア。こいつが今朝の記事を書いたヤツだ。もう一人はタブロイドカレイのゲス野郎ハンセル。ゴシップが売りのつまらん嘘だらけの新聞社の記者さ。オレのお得意さんだよ。いいか? クロエはともかく、ハンセルはお前やオレを怒らそうとふざけた質問ばかりしてくる。お前は案外切れやすそうだから注意しとくが、笑顔でサラッとかわせよ。怒りを表情に出すな。わかったら行くぞ」
俺が頷くのを見て先に立ち扉を開けて出るウェル。俺もついて出た瞬間にババッと強い白い光が目を焼く。
なっなんだぁ? と目の前に手をかざし、ゆっくり目を開けると、なにやら妙な道具を持った男女が話しかけて来てた。
「貴方が昨日冒険者ギルドで実力検査の試験に全て突破し、カレイセム史上初のAランクで新人デビューではないかと、噂されているマビァさんで宜しいでしょうか?!」
女の方、クロエが手帳を片手に捲し立てる。まだ二十代前半に見える若さで、昨日の夜に取材をして、あれだけの長文を記事にして売り出すのに間に合わせるなんて、新聞の仕組みを全く知らない俺でさえ、凄い労力だってのは分かる。しかし彼女は長い金髪を綺麗に纏め上げ、徹夜同然だろうにも関わらず型崩れしていないシャツとスーツに身を包んでいる。唯一靴は柔らかい革の薄底のショートブーツで、よく走り回っているのか少しくたびれ、汚れと傷が目に付く。目元に少しクマがあるが熱意に満ちた表情でこちらを見つめる。その姿勢は嫌いじゃないがあまり大袈裟に書かれるのも困るんだよね。ギルドに向かいながら答える。
「はい、俺がマビァですが、Aランクなんてあり得ない話です。今朝の記事を書かれたクロエさんですね。大方事実に基づいてますが、あんなに大袈裟に書かれると誤解を与えかねません。貴女は真実を追及する記者に見えますが違うのですか?」
まーた俺はペラペラと柄にもない喋り方でにこやかにクロエを見つめる。うん、俺今、詐欺師スイッチ入ってる。
「あ、いえその通りです。今朝の記事で不快な思いをさせてしまっていたらごめんなさい。私にとっては人生初の大スクープに遭遇した喜びで、筆が走り過ぎてしまいました。マビァさん本人の話を聞くことでより正確な事実をお伝えできると誓います」
クロエも捲し立てた勢いで俺の本当の表情や本音を引き出そうとしたみたいだが、こちらが余裕でサラッと受け答え、さらに記者魂を擽るような事を言われたから冷静さを取り戻したらしい。次は少しはまともな記事にしてもらえそうだ。
「ありがとう。宜しくお願いしますね」とクロエに微笑んでおく。すぐ隣にいた男の記者がハンセルか。彼はクロエに先取されたが焦ることなく、先程の道具をこちらに向けたまま歩いていた。あの道具、光ったのは最初だけだったけど、なんだったんだろう? クロエも手帳になにやら書いた後それを弄りはじめた。そこでハンセルの質問がくる。
「いやぁ、見事な受け答えですなあ。見慣れぬデザインの武具にその言葉使い、どこか高貴なものを思わせます。いや、申し遅れました。タブロイドカレイのハンセルです。どうぞ宜しく」
ハンセルはクロエとは正反対の格好で、よれよれのシャツにズボン。上着も安物を着古したようにくたびれて、髪もボサボサで少し長め。無精髭に少し酒臭い四十代おっさんだ。
孤児院出身の俺の何処が高貴だか。言葉使いはあの頃に必死で稼がないといけないから、色々と身なりのいい人の会話を盗み聞いて覚えて練習した付け焼き刃だ。どうせハンセルもこちらの反応を見るために適当に褒めてみただけだろう。だから俺も表情を崩さずににこやかに答える。
「こちらこそお願いします。ハンセルさん」
俺はウェルほど交渉上手でもなく、相手の力も無駄なく利用出来るほど策士でもない。もっと単純で短絡的な思考だからウェルのようには立ち回れない。だから打ち合わせ通りにのらりくらりと避けることにする。
「まずはマビァさん、ご出身はどちらか聞いても宜しいですか?」
「申し訳ない。俺の一存では答えられない質問です。もし可能でしたら当て推量による書き方もご遠慮願いたいものです」
「ほう! まるでやんごとなきお方のお忍びの様ではないですか。まさか何処かの王族か何かで?」
「王族を詐称する事は大抵どの国でも死罪なのでは? 俺は嘘は吐けないが、その質問に答える権利もないと言っているだけですよ」
「随分とウェルゾニア氏と親密な関係におありの様ですな。付き合いはいつからで?」
「彼とは以前他の街で会って以来の友人ですよ」
ここでウェルも割り込んでくる。
「そうそう。昨日ギルドの子が連れて来たって聞いて驚いたぜ。こいつもあの宿がオレんとこだって知らなかってな。今朝再会してお互いビックリさ。出会ったのは二年前に隣のヨーグニル王国に出張に行った時だったかな? あんたもオレのこと色々書いてくれてたのに、こいつのこと知らなかったなんてな」
と、ウェルは俺の肩に腕を回し、ニヤリとハンセルを睨む。しかしハンセルは怯むことはなかった。
「はーあの頃の出張でしたか。それでしたらやはり無理してでも追いかけるべきでしたかな? いや残念なことをしました」
「先程マビァさんは自分がAランクとしてスタートする事はないと仰いましたが、テストに合格してギルド側も貴方のAランクを否定していません。その強い否定の根拠はどちらにあるのでしょうか?」 クロエもちゃんと食い付いてくる。
「その件はこれからギルドの皆さんと改めて検討する為に向かっているところです。本当は昨日の時点で終わらせるつもりだったんですが、俺が疲れ果ててましてね。無理言って今日に延長してもらったんですよ。検討の結果はお互いが納得いく形に持っていきたいと思います。ですのでまだお話できる段階ではないですね」
「バーンクロコダイルと貴方とギルド。私の長年の取材によると、ウェルゾニア氏は儲けに成らないことには首を突っ込まない方だと理解しておりますが、今回も大きな利益を見込んで貴方を利用しているように感じます。それを聞いて貴方はどうお感じで?」
なるほどねー。こんな感じでウェルとハンセルはやりあってんだね。
「別に何とも? 俺は俺の考えがあって動いてます。俺の進む道を彼は助けてくれている。感謝してその恩に報いるように動きたいとは思っていますが、ただ単に利用されてるなんて思ってもいません。それはあなた方もですよ? ハンセルさん、クロエさん」
そう彼らに言い終わった時にギルドの入口に着いた。「それではまた」と一礼してギルドロビーに入る。ウェルがニヤッとして「お前もなかなか上手いもんじゃねぇか、最後のハンセルには効いたんじゃねぇか?」と笑った。俺は「なんとなく流れでハッタリかましただけだよ。何がどう効果あるなんて考えてないや」と肩を竦めた。
前を見るとコニスとギルマスが立っていた。
「お待ちしておりました。会議室の方には既にラクスト隊長と昨日のケラル伍長がいらしています。ところでウェルゾニアさんはどうしてこちらへ?」
不思議そうにウェルを見るギルマス。俺はなんて説明しようかなと考えているとウェルから切り出した。
「ウェルでいいよコリバトさん。オレはバーンクロコダイルの対処のところまで話が進んだら参加させて貰うつもりなんだ。なに、ギルドや軍の邪魔をしようってんじゃない。力になれると思ってね。お互いにとってきっといいはずさ」
「そうですか。それはなにやら頼もしそうですな。では取り敢えず、会議室の方へどうぞ」
ギルマスとコニスに導かれ、会議室とやらへ向かう道中、俺はウェルに小声で聞く。
「なぁウェル。さっき頼んだ魔獣の教授さんはどれくらいで着けそうかな?」
「あれからすぐに使いを出したから…、後三十分くらいかな? もし留守だったら来れねえからそん時はワリィな」
「いやいや、こっちが急なお願い事をしたんだ。その時はウェルが知ってることだけでも教えてくれると助かるからさ」
そう言って俺はコニスが開ける扉を入って行くと、ラ…大尉とケラルくんが窓際に立ってた。座っていたらしき席にはお茶が置いてあったから、落ち着かなくて座っていられなかったんだろう。
「お待たせしてすみません。ちょっと記者に捕まりまして」
一言謝ると大尉さんは手を上げて苦笑した。
「ははは。一晩で有名人になってしまいましたな。このケラルも軍人でありながらペラペラと喋りおって、どうせ記者が美人だったのだろう? こちらこそすまないことをした」
大尉さんはケラルくんの背中をバンッと叩いて「申し訳ありませんでした!」と謝らせた。
「さっきは聞き間違いかと思ったが、隊長さんってラクスト大尉のことだったんかよ。こりゃ結構話が早そうで助かるかもな」
ウェルが少し驚いてた。分からずなんで? と聞いてみる。
「そりゃお前、ラクスト大尉はこの街の駐屯地のトップだからさ。あの人に話を通せりゃ、この街の軍人に反対するヤツはいないからな」
ほー。この街の軍トップの人だったんだ。でも何であの時門番やってたんだ?
「この街は平和過ぎてな。最も国全体でも近隣諸国でも戦争どころか領土の小競り合いすら何百年と起こっていない。あの時は見回りで西門に寄った時に火災の報告があってな、コイツらを送り出して戻ってくるのを待つ間ヒマで、ああしてたって訳だ」
ヒマでって、仕事取られる部下の身にもなれよ。上官が自分と並んで働いてたら息が詰まるぜ。
「俺なんか所詮尉官だよ。この街の軍トップなんてただの閑職さ。ああして検問でもしてた方が仕事をしてる気になれる。部下達には悪いがな」
ありゃ、表情を読まれたか。
「しかし、なんでまたウェルくんと一緒なんだ? いやウェルくんならどこで繋がってても不思議じゃあないんだが」
「オレはワニの対策の話になってから、口出ししたいことがあってね。それは追々分かるから、まずはこいつの昨日の件なんだろ?」
そう言ってウェルは俺に耳打ちをする。
「大尉はウチのレストランのお得意様なんだ。新しい目玉になる食材となりゃよろこぶぜ!」
それでウェルは勢い付いてんだな。確かに気心知れてる分、もう攻略したも同然だ。
「では皆さん、お集まり戴いたところでどの様に進めていきましょうか」
ギルマスがみんなに声をかけたところで、それぞれ席に着き始める。コニスはお茶の準備をしていた。
「昨日はマビァくんに、あのワニをどうやって倒したのか聞こうとして時間切れになった。あの続きからでいいのではないか?」
大尉は腕を組んで最もなことを言う。しかし俺の我が儘を時間切れなんて言い換えるとは、なかなか気が利く人だ。
「じゃあその前に、俺からギルマスへの質問です。昨日俺がギルドに売ったワニのジェムはまだありますか?」
「ん? ああ、まだ貴重なんで保管してますよ」
「では続いて、あのジェムから昨日みたいに魔法で幻を出して対戦することは可能ですか? そしてあの魔法は使用制限はあるんですか?」
俺の立て続けの質問に少し戸惑うギルマス。
「そうですね。あの魔法はジェムから魔物の思考パターンを取り出し、再現するものですから、特に加工も必要なくそのまま使えます。それに再現にはジェムの魔力は使いませんから、私の魔力が尽きればその日はもう使えません。ですから対戦の長さとジェムの大きさにも寄りますが、バーンクロコダイルのジェムなら、1日八回ほどでしょうか?」
「では他にあの魔法を使える人は? また、今から修得しようとした場合、どれくらい時間がかかるもんなんですか?」
「今は私しか使えるものがいませんが、修得事態は簡単です。ただジェムが大きくなるほど難易度が上がっていきますが、弱い魔獣の再現であれば何回か練習すればすぐにでも可能でしょう」
なるほどなるほど。これだけ分かれば始められることもあるかな。
「次に大尉に質問します。バーンクロコダイルが最初に確認され、大量発生だと分かった経緯とこれまでの被害を教えて下さい」
また突然に質問相手を変える俺。大尉は昨日のことを思い出したのかちょっと嫌そうな顔をする。
「…まず、春のまだ始め頃だったかな。南の船着き場で釣った魚を捌いて、内臓や血、鱗などを川で洗っていた漁師が襲われた。その漁師は慌てて魚が一杯入った籠を海にひっくり返して落としてしまってな、そのお陰でワニは魚の方へ食らい付き、無事に逃げれたんだそうだ。その報告を受けて兵士が街の付近を捜索、結果街の東西と対岸の川縁に結構な数の奴等が住み着いていることが分かった。それから漁師が釣竿で釣った大物が丸かじりになったとか、追い込み漁に使ってたコロットセイが食われたなんて被害がちらほらあってな、治安を守る軍としては動かんわけにはいかんので、東西の川縁の比較的近いワニを追い払おうとしたんだが、火炎を大量に吐かれてあちこちに引火して、火を消すことで手一杯だったよ。それからはもう言った通りだ」
ふむふむ、後は魔獣の教授さんに詳しい生態を聞かんと分からんかな?
「色々分かりました。実際のこの街でのバーンクロコダイルの討伐については、ウェルに呼んでもらった魔獣に詳しい教授がこちらに来てからで、詳しい生態を聞いた後にまた話を進めたいと思います。
なので次は皆さんお待ちかねの、俺がどうやってあのワニを倒したのかの説明と、試験場での実演に移りたいと思います」
そう言うと、この場のみんなが息を飲むのを感じた。
次回ちょっとバトルあります。あれ? あったっけ?
7月5日(日)正午に更新予定です。
よろしければ読んでみて下さい。