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砂糖蜜  作者: まったりorz
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さながら

放り投げた言葉の片隅に

噛み合わない生温い欲望は絡んで

諦める人はいつも仰向けになるけれど

どこを探っても希むものは掴めない


 例えば二度血を流したその人は

 涙を流す事は無かったけれど

 三度目はきっと涙を流すはずで、

 三度目はないかもしれないけれど


さながら膚を泳ぐ金魚の尾ひれ

白銀の鱗を削り落とすと

零れ落ちて嘘になった飛沫と共に

三つ目の脱皮を迎えた(誰かがそう決めていたはずだ)


 馴染めなければ離れるだけだ

 息継ぎのように、相対的な死を目指す

 横たわる人は目蓋を針で縫いつける

 簡単すぎるもの程、情緒が無いから


薄く出来た水の膜を流れる糸が

溶けているようで膚を伝うのは(楽しめと誰かが云ったはずだ)

乾いた砂が膚を脆弱にしたけれど

潤ませるだけの涙をその人は持っていないらしい



 嘘吐きな標識のせいなのか

 理解力が足りないのか

 安易な精神の問題なのか

 首を絞める綿糸が柔らかすぎるのは(いや、もっと、別の何か――)


 


 ――さながら処女の夢から覚めた心地だ


 


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