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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

学戦

学戦 1-1

作者: 孤亞

「暑い…」

「そりゃあ真夏に屋上で駄弁っていたら 暑いのは当たり前っしょ そろそろブリーフィングがあるから教室戻るよ」

そう言えば今夜作戦決行だったか…

「戻るか」「おう」夏に屋上で俺と駄弁っている物好きなこいつの名前は裕也

裕也はペア…バディだ 有事の際は命を預け 預けられるそんな奴だ

ブリーフィングでは2つの班が同時突入、制圧、パッケージを確保し撤退 偵察機の情報では敵勢力の人員は20名 武装は不明 建物は三階建て パッケージ数は6、だが位置は不明 作戦決行は2230 作戦に失敗するとパッケージは敵本土に送られ回収が困難になる 失敗は許されない…

班の内訳は各班4名の2班+偵察班2名 計10名で作戦は決行される


作戦決行3時間前 武装を身につけ機内に乗り込む

無線チェック 「こちら01感明を送れ」「こちら02感明よし」1分後全員が無線チェックをおわり 偵察班が先に出発する

裕也が急に真剣な顔になり「なあ 幸太郎 お前さ…」

「なんだ裕也 途中まで言ったなら最後まで言えよ」と俺は笑いながら言った

「いや、なんでもねぇよ、これ終わったらなんか飯食いに行こうぜって言おうとしただけだ」


長年の付き合いがある俺にはわかる 裕也は嘘をついている 裕也には嘘をついたり 後ろめたい事がある時は2回手を握ったりはなしたりする癖があるからだ


「あぁ、いいぞ ただ、他の何かを考えてるんだったらやめとけよ 戦場にそんな物は邪魔になるだけだ それで修平が死んだの覚えてるだろ 判断を鈍らせるんだ 幸いまだ2時間ある それまでに整理しておけよ 何か言いたいことがあるなら吐いて楽になれ」

「はは…幸太郎にはなんでも見透かされてるな…」

「当たり前だろ 何年連んでるとおもってんだ?」

「今年で10年か?小等部からの付き合いだからな」

「そうだ。 もう一回言うが 行く前になにか話しておくことはないか?」

「クソッ 黙っているつもりだったんだがな、 俺風紀委員辞めようかと思ってるんだ…」

「は?こんな時期にか?あと半年で卒業して本社で働けるんだぞ その為に風紀委員に入ってこれまで頑張ってきたんだろ なに言ってんだよ」

「…先月東京校の奴らと合同で任務があっただろ?」

「あぁ」

「あの時 俺たちの目の前で東京校の奴が被弾して死んだの覚えてるか?」

「忘れるわけないだろ 」

「あの時俺を見ながら助けてくれって言ったんだ」

「よくある事だろ 風紀に入って2年半 同じ光景を幾度となく見て来ただろ」

「幸太郎は目の前で仲間が死んだら悲しいか?」

「当然だ」

「そうか… 俺はッ あの時何も感じなかったッ!俺は人としてのネジがぶっ飛んでんだよッッ…お前が目の前で死んじまってもきっと何もかん…」

「裕也ァッ!やめろ。俺は死なない いや、死ねないんだ あいつらを殺すまでは それに俺らはあの頃と違って弱くない 、黙って奪われるのを見てるだけのガキとは違う あの頃は大切なものを奪われたが今はそれを奪い返し 奪った奴らから全て奪う事が出来る 裕也、もう一度言うぞ 俺は死なねぇ 」

「あぁ、そうだな 俺らはこんな所で死ぬわけにはいかねぇ… 喋って少し楽になった、あとは帰って来たらカウンセリングでも受講するよ 」

「あぁ。 作戦開始まで あと1時間半だ、最後の点検始めるか」

「そうだな」

規制子、ピストン、弾倉、槓杆などが故障したら装填不良で隙ができる 敵が目の前にいる状況では命取りになる故障は事前に整備すればある程度のリスクは軽減できる 今回の任務は速度が要求される為必要最低限の装備で素早く実行せねばならない


点検が終わったのは30分後だった。

機内はローター音と装具が擦れる音しか聞こえない…


今回は目標5km手前に空挺降下し徒歩で迅速に移動

攻撃という流れだ。


降下2分前 全員立ち上がり 扉に並ぶ


降下1分前 「全員弾込め」槓杆を引く心地良い音が聞こえてくる


降下30秒前 扉が開けられる


5 4 3 2 1 「降下開始」と静かに無線機で言う

各人が順番に暗い夜空へと身を躍らせる

空気の音、10月にしては寒い


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