二話 治療
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【悪魔魔法】それは本来魔族しか使用が出来ない魔法である。しかし、ダレオはどうしてなのか十五歳の成人のときから人族でありながら【悪魔魔法】が使用できていた。
『特異遺伝変換』という言葉がある。歴史上に数人しかその症状になったことがないため、噂である症状とさえされているほど聞かない言葉である。
しかし、ダレオは『特異遺伝変換』だったのだ。人族が駆使している【純魔法】がまったく扱うことが出来ず、逆に魔族が駆使している【悪魔魔法】は扱えたのだ。
それは暗にダレオが魔族と一緒という存在を意味していた。故にダレオのことは国中に広がり一気に迫害の対象になった。道を歩けば、石を投げられる。「死ね」という言葉を四六時中掛けられ続ける。
ダレオの友達も一瞬にして消えていった。それはダレオにとってすごく辛いことであった。それでも幼馴染や両親は見捨てずに優しくしてくれた。
ダレオは嬉しかった.......しかし、同時に悲しかった。
周りと異質であるからと迫害され、両親も幼馴染自分のせいで馬鹿にされていた。それがダレオは悲しかった。自分のせいで家族が不幸になってしまう。
だから、ダレオは家を出た。
そして魔法を封印した。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「.......どんだけ魔力量あるんだよっ!」
ダレオは彼女の魔力回復をさせるのが先決と判断し、自身の魔力を彼女に与えていた。本来なら人族の魔力を他種族に与えるとダメージは発生してしまう。しかし、ダレオの魔力は魔族と同じ魔力と同じため、彼女に与えてもダメージは受けない。
魔力回復をすることにより自己の修復機能が働くため、治療の際に早く傷が塞ぐのだ。彼女は魔力量が底をついいていたため、修復機能がうまく働かず、通常よりも状況が悪化したのだ。
ダレオは数十分自身の魔力を注ぎ込み続けた。少しでも魔力量が戻れば少しは修復機能が働くのだ。しかし、それすら叶わなかった。
「.......っ! もうこの手しかない!」
ダレオは近くにあるポーション棚に手を伸ばした。
『魔力回復ポーション』
それをダレオは飲み干した。底が尽きそうであった魔力が回復していくのをダレオは感じた。そして、そのまま再び魔力を注ぐ。
しかし、先ほどとは比べものにならないほどの速度でダレオの魔力は吸われた。それがいい面として出たのか、彼女の腹部の抉れからの出血が止まっていた。しかし、修復機能のために魔力を失ったのか彼女の魔力がダレオの魔力を欲していた。
「嘘だろ.......」
ダレオは急いでポーション棚に行き、保持している『魔力回復ポーション』をありったけ出した。合計して、数百本ものポーションが揃った。
そして再びそれを飲み干し、魔力を注ぎ込む。
ほんの少しだけ治る。
そして魔力が底を尽きる。
そしてポーションを飲む。
魔力を注ぐ。
少し治る。
魔力が底を尽きる。
そして気づけば、反復的な治療をして数十時間が経過した。
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