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優越王

巨乳のエルフに助けられなんとか無事に足の骨を直す事ができた、だがエルフの恐ろしさがよく分かった。おまけに面目は丸つぶれである、先程まで緊張感が漂う面持だった門番のエルフの扱いは雑になっていた。

 

「とっとと来いヒューマン」

「おい、仮にも俺は客人……」

「くく、楽しみなこった、貴様を処刑する日はいつになるやら」


 といった形に舐め腐った態度へ変貌したのは全てにおいてあのクソガキのせいである。

 何かあったらという事で一応豊満な胸を持つエルフの少女には付き添ってもらっていた、ここからでも漂う匂いはまるで花のように甘い香りである。

 そして豪快に出している谷間、これは目の保養にはなるがガン見するのはヒューマン全体の威厳に関わる事なのでできるだけ抑えてはいるのだが。

 城塞都市は広い、歩いて10分は経ちようやく目的地の城にへと辿りついた。

 ここにこの街に王様とやらがいるのだろうか、厳重な警戒は外からでも如実に表れておりエルフほぼ全員が銃や剣などの武器を持ち立ち伏せている。

 

「いいか? くれぐれも失礼のないようにな」

「そちらもな……」


 小言のように聞こえるか聞こえないかくらいの声量で呟くが恐らく聞こえていないようだ、面目は丸つぶれで強く言い返す事ができなかった。これじゃあヒューマンとしての威厳が損なわれる事間違い無い。

 なんとかこの門番ではなく王に会った時はしっかりとした面持で立ち合おうと思っていた処、城の中に入ると共に待っていたのは一人の幼き女。

 彼女は王冠を頭に付けていた、決して椅子に王座にいる様子もなく入口前で立っているのだ。

 まさかとは思うがこの偉そうでは無い姿の少女がこの城塞都市を支配するエルフというのではあるまいな。


「あなたが生き残りのヒューマンか、そこのジューム、門番の男から聞いたぞよ」

「ぞよ? ていうかあんた一体なんなんだ」

「こらっ口を慎めエテ公! 彼女はこのリュークエンド城塞都市の2代目王であるアルフクルネ様だぞ!」


 こりゃあたまげた、まさかこんなロリガキがエルフを牛耳る王だとは、

 そういえばエルフは人間と違って歳を取りにくいんだったか、ていうことはこいつの年齢は……。


「今あなたが考えてる事読めたぞよ、ひょっとしてガキと思ってバカにしとるな」

「なんだ、ガキじゃないのか?」

「威勢のええガキぞよの、お前ら人間と違って私達は長生きしとるのだ、歳は250、この街では最年少にあたるがお前ら人間共と違って長生きしているからそこは弁えろ小童」

「小童……」


 っぐ、胸がズキズキ痛む、なんだこの痛みは。

 まるでそれを認めたと同時にやってくる苦痛、ひょっとして彼女が今自信気な顔をしているのが証拠であり人間を見下した事によって勝ち誇ったのを認めてしまったからだろうか。

 まさか言葉の力というユニークスキルが俺のメンタルにも突き刺さるとは、もしそれが本当ならとてもまずいことだ。

 俺はネット上で様々な伝説を作る程の議論を重ねてきたのだがメンタルだけは弱い、常に攻撃に徹してたいたせいで弱メンタルになっているのである。


「どうした? 苦しそうだな、少ししか寿命のない劣ったヒューマンとは聞いておったがお前はもう寿命なのか?」

「へへっ、冗談きついぜ王様よ、俺はまだ21年しか生きてねえんだ、こんなとこでくたばってたまるか」

「まだ21だったか、それにしては随分と老けてるな」


 老けてる……ぐぐっ、この俺が老けているだと?

 ついこの間までは未成年故に酒なんかも一人で買うときは身分証明書を見せなければ買えない程店員には童顔と思われていたのだ、それがまさかこんなクソガキの容姿をしたババアに老けていると思われているとは。


「ヒューマンの男はガキっぽいと嫌われるもんでな、お前に老けていると思われるのは丁度いいくらいの歳の取りかたしてるって事だな」

「私達からしたらその歳の取りかたは劣っているとしか思えんがな」

「そんな事はどうでもいいんだよ、俺はヒューマンの代表としてお前達と同盟を組む事を提案しにきた、だが残念だな、最近のヒューマンはロリコンが多いもんでよ、しかもそれがロリ王となるとロリコン共がお前をネタにしてオカズにしてしまいそうだぜ」

「オカズ……? 私をネタにしてオカズだと……!? なんて下劣極まりない言葉!!!」


 やはりエルフにとっては幼い年齢の年頃のエルフ、顔を赤らめて胸辺りを押さえつけている。

 計画通りだ、平静を一生懸命保とうとしているのが丸わかり、ネットじゃ効いている姿が分からないからこうやって目の当たりにするのは最高ってもんだ。


「貴様ァ! いくら代表者だからといい言っていいことと悪い事があるだろう! ヒューマンの分際で!」

「お前達エルフの代表はそのヒューマンというゴミみたいな分際に顔を赤らめて辱めを受けているんだ、故にお前達エルフ全てヒューマンよりたった今劣っている部分を露わにしたんだよ! 違うか?」

「ぐ………」

 

 気が付けば辺り全体、胸を押さえつけその場で倒れ込んでいた。

 言葉の力の威力が強烈なのは間違いない、少しでも精神的ダメージを食らえばここまでのエルフを支配する事ができるのである。

 そして対等と言われるレオナが俺と同じ言葉を言ったとしてもどうしようも無かっただろう、何故ならエルフは心底ヒューマンを見下しているのだ。だからこそヒューマンに見下されているという事実がどうしても許せないのであろう。


 だがたった一人、その場に倒れていないのは先程俺の怪我を治療した巨乳エルフである。

 彼女は決して俺に敵対心剥き出しという訳ではないが何故か倒れていない、エルフにも人間を見下していない珍しい奴もいるって事なのか。

 

「貴様……一体何をした?」

「何もしていないさ、だがその胸の苦しみは地位に対するコンプレックスから生まれるという事を覚えておくんだ?」

「コンプレックスだと……?」

「優越コンプレックス、お前達が優越に浸っているという事はその逆もまた存在不可欠、だからこそお前達は優越感に浸っていた相手に見下された事で劣等感と優越感が交互に対立している状態、言葉の力によってそれが如実にお前達の身体の異常となって具現化したという訳だ」

「何を訳の分からない事を……」


 今は退去した方がいいだろうか、仮にここで待機したからといってこいつらとの関係は悪化しただけ、ヒューマンとの対立関係は増々深くなってしまったのだ。

 だがしかし城塞都市の門出口までは走っても3分はかかるだろう、それまでにエルフに捕らえられれば監獄行きは必至である。


「はあ、確かにあなたの言う通りエルフは終わってますね」

「へ?」

「見事あなたの思惑通りエルフの街はヒューマンによって支配されました、だって現王がやられたんですもの、二代目とは言え国を代表するものがやられればその国が終わりっていうのは仕方のない事ですよね」

「お前一体何を言って……」


 急にぶつぶつと独り言を呟いた女がいると思えば、それは足を治療してくれた付き添いになってくれている巨乳エルフである。

 彼女だけ何故ユニークスキルが通用していないのかがようやく分かった気がした。


「お前まさか……わざとか? わざと弟に俺の膝を壊させた、そしてそれを利用して接近した、そうだな?」

「フフフフフ」


 不適な笑みを浮かべるその姿はあまりにも不気味、それはロリエルフからは全くといっていいほど感じられない支配者のようなオーラだった。


「改めてようこそリュークエンド城塞都市へ、私はこの都市の初代王、アルフエンドと申します」

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