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36話-3「討伐依頼」

久しぶりに投稿します。


「シルク後は任せたよ」


「わかりました」


 そう軽く挨拶をしてギルドマスターは奥に消えていった。

 僕はシルクさんに続き客室を出て、カウンターで手続きをする。


「では、手続きはこれで完成です」


 いつも通り出された書類にサインをするだけで終わった。

 特に変わったことはないんだな。


「早速ですけど、討伐はいつからできそうですか? できれば早い方がいいのですが……」


「そうですね。でしたら明日にしましょうか。一応兼次さんにも確認しないといけないですけど。たぶん大丈夫だと思います」


「本当ですか! よかったです。早くしないと他の冒険者にも依頼を出さないといけなかったので」


 そういうシルクさんは安心したように胸をなでおろす。

 ユニークモンスターの討伐依頼は成果としてはかなり良いのだろう。


「あ、そういえば、そのユニークのゴブリンはどこの階層にいるかわかりますか?」


 さっき聞いてなかった重要な疑問を投げかける。


「そうですね。確認されたのは、22階層付近ですね」


「22階層付近ですか? 今日潜って来たばかりなんですけど……。そうか、あの時は兼次さん達がいたから出会えてなかったのか」


「たぶんそうだと思います。ですので、この討伐依頼は今のパーティメンバーなら……シュンさんだけになりますね」


 そう言うシルクさんは少し心配そうに僕を見る。だけど、元々ギルドマスターは僕一人に任せるつもりだろうからシルクさんもそこは気にしなくていいと思う。たぶん大丈夫だろう。


「じゃあ1人で23階層から逆にしらみつぶしに進んでみます。1日中探しまわる予定で」


「わかりました。では、また明日お待ちしてます。行く前には寄ってくださいね」


「はい。明日お願いします」


 そう言って僕はギルドのカウンターから離れた。


「おう、俊。どうやった?」


 カウンターから離れた少しミーティングできるスペースで兼次さん達が待っていた。


「すみません待たせて。えっと、スキルオーブを見せたのとユニークモンスターの討伐依頼を受けました」


「「はぁっ!?」」


 僕の言葉に4人とも驚いた声を上げる。


「ユニークモンスターの討伐依頼!? まじか!」


「ほんとに!? ギルドマスターからの直々の依頼!?」


「そ、そうですけど。そこまで驚くことですか?」


 その僕の言葉に大樹さんと小百合さんが目を見開く。


「驚くも何も、ギルドマスターからの依頼って特別に認められた人しか受けられないんだよ!?」


「そうだぞ! それにユニークモンスターの討伐依頼自体が信頼を置ける冒険者にしか依頼されない。信頼ってのはそのモンスターを難なく倒せるかどうか。それを依頼するってことは俊が倒せるって確信してるって事だぞ!」


 なるほど。この依頼をされた時点で僕はギルドマスターにゴブリンを倒せると確信されていたわけか。素直に実力を認められている事はうれしいと感じる。

 そう思っていると少し顔がにやける。


「まあ、俊なら大丈夫やろうと俺でも思うわ。ゴブリンの適正レベルはどうや?」


「えっと、20レベルまでみたいですね」


 手続した時にもらった紙の控えを兼次さんに見せる。


「なるほどな。そやったら俺らは一緒に行動できひんな。俊だけに頼むのも納得できるわ。じゃあどうしよか? 依頼は明日やろ?」


「そうですね。なので、明日は1日このパーティで行動できないと思っているんですけど」


「了解や。ギルドマスターからの直々の依頼やったら断れへんし。ユニークモンスターの討伐は早急にせなあかん。明日は1日俊と別行動やな。3人ともそれでええか?」


 兼次さんにが僕の言いたかった事をくみ取ってくれてすぐに話がまとまる。流石1年先輩でこのパーティのリーダーをしているだけある。安定の安心感だ。

 

「私はそれで大丈夫よ。俊くんの実力も今日で大体わかったから」


「俺もオッケーです。俊とは一緒に行動してた方が面白そうだけど、すぐに合流するでしょうから」


「私も了解です。奥山くん重大な依頼任されちゃったね」


 3人とも了解してくれて、河合さんに至っては僕をからかう様に見てくる。重大な依頼っていえば重大な依頼だからな。みんなの目が期待しているように見えて少し気合を入れようと思う。


「自分なりに精一杯頑張ってきます」


 それを見て4人とも「俊なら余裕で大丈夫やろ」と言ってくれる。


「じゃあ、俊とは次はいつになるやろ? 明日は日曜日やから明後日は……難しいやろ?」


「あ、そうですね……」


 そうか。明日は日曜日か。そう言えばこの連休も明日で終わりになるのか。連休と言っても昨日は仕事して連休ではなくなったんだけどな。

 そう考えたら、また月曜日からいつも通りの仕事が待っていると思うと憂鬱になってくる。いや、明日までは休みなんだから、ダンジョンの事を考えて仕事の事は考えないようにしよう。


「月曜日は仕事なので、来れたとしても夕方以降だと思います。それでもたぶん無理だと思うので来れるとしたら金曜日の夕方でしょうか」


「そっか。今回がたまたま有給取ったって言ってたもんな。真由も次は金曜日になるんやったよな?」


「そうですね。私も奥山くんと一緒で金曜日ですね」


 兼次さんが「わかったわ」と手を叩いて予定を決める。


「じゃあ、次は金曜日の夕方でこのギルドらへんで待ってるわ。仕事が終わったら来れる時間に来てくれたらいいわ。遅くなっても一瞬でも顔出してくれるか?」


「わかりました。土曜日は朝から来れるので、20時ぐらいになったら先にダンジョン潜っていてください」


「僕も了解です。その予定でお願いします。じゃあ、明日は一人でダンジョン潜ってきます」


「おう、頑張れよ」


 そう言った兼次さんは僕の背中を叩く。

 さて、明日は2日ぶりの一人でのダンジョン探索だ。気合い入れてゴブリンを倒しに行きましょうか。


36話終了。次から37話です。

更新日程は活動報告にも書いておりますが、5の倍数の日になります。よろしくお願いいたします。

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