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35話-2「中級冒険者へ」



 どの武器のスキルも覚えられるってかなり凄くないか!? 訓練すればするだけ強くなれるわけだろ?


「俊もゲームや漫画をするんやったらこのダンジョンの仕組みに疑問を思った事はあるやろ? 職業ってのがないって」


「っ!! そう言えば……!」


 兼次さんの言葉に今まで気づかなかった事に驚く。


「今気づいたんかい! まあ、まだ1ヶ月経ってないもんな。仕方ないか」


 そんな根本的な事にも気づかなかったって、何も見れてない人見たいだ。それだけダンジョンに潜る事に集中してたんだと言う事にしよう。


 とにかく、ゲームならあるような職業が無いと言うことは、


「で、職業がないって事はゲームみたいに職業補正ってのが無いし、他の武器が持てないってのは無い。いつでもどの武器を使えるし、覚えられる」


「と言う事は、このダンジョンはゲームに比べてリアル寄りなんですね。普通なら職業についても他の仕事が出来ないわけでは無いですもんね。まあ、会社によっては副業禁止てのはありますけど」


 仕事に例え、笑いながらそう言う。

 とにかく、制限があるゲームに比べては物理的な制限がないこのダンジョンの仕組みはリアルに近い。


「そうやなー、リアルっちゃリアルなんかな? 何でもできるってのはリアルやな」


 健治さんは「自分ができる事、才能がある事に限るが」と付け足す。


「まあ、話戻すけど、その色のスキルオーブはどのスキルでも手に入れる事ができる。スキルレベルも関係なく見た事があるら全てのスキルをな」


「全てのスキルを……」


 それってほんとやばくないか?

 普通は武器スキルのレベルを上げて、1レベルごとにスキルを覚えられるはずなのが、それの制限もない。とにかく見たスキルを全て覚えられるって……チートだろ……。


 そう考えるとそのレベルのスキルオーブってかなり貴重になるはず。誰もが喉から手が欲しい代物だ。だったら、


「ちなみに、これ売ったらどれぐらいになりますか?」


「売る!? 何言ってるの奥山くん!? 売るなんて勿体ないよ!!」


 河合さんが俺の質問に驚いて声を上げる。


「例えばだって。売るのは勿体ないから使うだろうけど、もし売ったらどれぐらいなんかなーって」


 どれぐらいの金額になるかは気になる。

 冒険者になる、ダンジョンに潜るって事は、稼ぎに来ているわけだからな。


「そう考えるのもありだな。その選択肢は無いわけではないからな。まあ、俺なら売らないけどな」


「そうやな。俺でも売らんな。ちなみに小百合どうやろ? いくらぐらいや?」


「そうね。実際の単価はわからないけど、多分1年は余裕で暮らせるぐらいにはなると思うわ」


「1年……」


 1年余裕って約500万ぐらいって事か!? かなりの値段だな!

 余計売る選択肢が僕の中で濃厚になるぞ?


 ……いやでも、冒険者としてはかなり重要なアイテムだから、冒険者として生きていくなら持っておくべきか。


「河合さんの言う通りですね。売る選択肢は今のところ無しですね」


「当たり前! 大切に考えて使うのが普通だから!」


「そうやな。じっくり考えて、色んなスキル見て選ばなな」


 自分で使う事が大前提の考えが普通なんだな。


「ちなみにオススメとかありますか?」


「オススメかぁ。沢山あるな。少なくとも自分が使わへん武器のスキルの中で使用できるスキルの方がいいな。それこそ「咆哮」とかはありやと思う。ターゲット絞って使ったら牽制としては十分なスキルやからな」


 なるほど「咆哮」か。1人で戦うときにも使えそうだな。


「まあ、スキルによって使うSPが決まってるから自分のSPを超えるスキルは取らへん方がいい」


「それもそうですね」


「それと俊はまだレベルも低いし、もっとレベル上げてから考えてもいいかもしれへんな」


 そうか今すぐ使わないとダメってわけじゃないんだからな。

 だったらSPが増えるまで待ってもいいよな。

 例えば剣スキル10のスキルを見れたとして覚えてもSPが足りなかったら使う事もできないし。使えたとしてもその1発だけでSPが枯渇するのなら、一人では戦っていけないし。取る必要が無くなる。


「わかりました。色々ありがとうございます。今のところは使わずにじっくり考えます」


「そうやな、じっくり考え」


 健治さんは「じゃあ行こか」と言ってスキルオーブの話が終わり、僕達は転移ゲートに乗る。


「じゃあ戻るか」


 そして25階層を後にした。


 













       

次回の更新は火曜日の昼ごろです。

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