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33話-3「最大の攻撃と最速の行動①」



 起き上がれていない僕に目掛けて、一直線に迫り来る水のレーザービーム。


「っ!!」


 その攻撃が当たれば確実に僕の命を刈り取るだろう。

 だったら、当たるな! 一瞬でも時間を作れ!

 起き上がる前に地面に手をつける。


「『アース・ウォール』!!」


 瞬時に魔力を込め岩の壁を作り上げる。

 しかし瞬時に想像した形はただの壁では無く、レーザービームに向かって四角錐になる様にする。

 そして少しでも長く保つように、より固くするために、少しでも多くの魔力を込める。


 そしてレーザービームが四角錐の岩の壁に当たる。


「よしっ!」


 そして想像通り水が分散される。

 しかし、それも一瞬だけだ。


 でも、起き上がる時間さえ稼げたら、逃げられる!


「瞬動!!」


 その場から全力で離れる。

 すると案の定作った岩の壁が粉砕された。


「はぁ、はぁ、はぁ……」


 しかし、避けることができたわけだ。命は繋げられている。


「ガメェェェェ!」


 カメは僕を仕留められなかった事で怒っている様に見えるが、攻撃をする気配は無い。


「連続で2回も撃ったんだ、流石にインターバルはあるのか」


 でも連続で放てるとは思わなかった。

 流石にあれは初見殺しだ。スピード重視か防御重視、又は僕みたいに魔法も使えないと対処できないだろう。……ぎりぎりだったが。


「でもここまでやられたら対処法は考えられるな」


 3回ともぎりぎりでも避けられた攻撃だ。予備動作がある攻撃なら、焦らなければ避け切れる。


「ふぅ……『サークナ』」


 自分自身に魔法を使い自分の魔力量を確認する。一々ギルドカードを出している暇はない。


 さっきの防御で割と使ったが、まだ余力はあるようだ。

 だったら試してみるか。

 相手も攻撃してこないなら、今しかないだろ。


 そして右手を構える。

 イメージは水の塊。

 カメに負けじと正面から戦ってやる。


「『ウォーター・キャノン』!!」


 今までよりも一段と魔力を込めた水球が放たれる。

 その水の塊はいつもの水球の数倍の大きさと密度でカメに向かって飛んでいく。


「ガメェェェェッ!!」


 そして俊敏ではないカメに見事に命中する。


「さて、威力の方はどうだ?」


 様子を見る。


「ガメェェェェ!!」


「少しは効いたか」


 攻撃が当たったが元気にしている様だ。

 でも少しダメージは入ったみたいで、甲羅が少し欠けている。


 このまま攻撃し続けてもいいだろうが、こっちの魔力が尽きるのが早いだろう。

 それに魔法は水魔法だけじゃない。


 一応全ての属性が使えるんだ、このチャンスにぶち込んでやる!


 そう思いながら一直線にカメに向かい走る。

 そして右足に力を入れる。


「瞬動!」


 「瞬動」は直線に高速で移動できるスキルだ。

 その原理は足で一瞬爆発的に地面を蹴る事で移動する。

 だから後は方向を決めるだけで好きな方向に一直線に移動できる。


 カメに近づき「瞬動」の勢いで高く飛び上がる。


「ガメェェェェェ!!」


 その行動にカメは反応し、瞬時に手足と顔を甲羅の中に引っ込める。

 しかし、こっちにとってはその行動は関係ない。懐に潜れないとわかっているなら、潜るわけがない。

 下じゃないなら上から攻めるだけだ。


 そう考えながら着地したのは、カメの甲羅の上。


「さて、これなら食らうか?」


 カメの甲羅に右手を当てる。

 某有名RPGみたいに相性などがあるとは思わないが、大抵の生物にこの攻撃は効くだろう。

 外が固くて攻撃が通じないなら、関係ない攻撃をすればいい!


 魔力を右手に込める。


「食らえ! 『サンダー』!!」


 右手からカメの甲羅に向かい目に見える光を放ちながら電気が流れる。


「ガメェェェェェ……ッ!!」


 その攻撃は食らったようで、思わずカメが甲羅から顔を出した。

 成功だ!


「よし、いける! って、うおっ!!」


 カメはその場で僕を振り落とす様に揺れ始める。

 それに対して甲羅に張り付くように僕はしがみつく。

 ここで振り落とされたらまた最初からになる。それにモンスターと言っても学習能力はあるだろう。もう一度甲羅の上に乗れるかはわからない。

 あと、ここにいれば攻撃が当たる可能性が低い。


「それに、これで決める!!」


 振り落とされそうになりながらも右手に魔力を込める。

 電撃が食らうことはわかった。ならそれに威力を込めればいい。もしこの攻撃で倒せなくても甲羅じゃない面が出れば勝てる攻撃はできる。

 少しでも動けなくなれば追撃可能だ。


 さっきよりももう一段魔力を込める。

 イメージは雷!


「『サンダー・ボルト』!!」


 さっきの「サンダー」よりも激しい光を放ちながら、僕の右手から放たれた雷は甲羅を伝いカメを感電させる。


「ガメェェェェェ……」


 そしてカメが手足を投げ出しながらその場に崩れた。





     

次回の更新は火曜日の昼ごろです。

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