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32話-2「攻略のためのメンバー」



「よっしゃ! ダンジョン攻略だ!」


 昨日の仕事も無事に終わり、しっかり寝て、楽しみにしていたダンジョンに到着し、待ち合わせに指定していたギルド前に着く。


「今日は一段と元気やな。昨日は急に来れへんくなったって言ったからどうしたのかと思ったけど、いい事でもあったんか?」


 僕が思いっきりノビをしながらダンジョンの空気を吸っていると、歩いてきた兼次さんに突っ込まれた。


「あっ、兼次さんおはようございます。えっと逆ですよ。昨日は仕事が急に入ったので来れなかったんで、今日来れたからかなりテンションが上がってるんですよ!」


「はっはっ! そうかそうか! ダンジョンを楽しむってのはええ事やからな! 俊もこっちの沼に浸かり始めたか?」


「まだまだですけど、多分浸かる事になりそうですけど」


 ダンジョンでの会話は仕事の疲れを吹き飛ばしてくれる。

 本当にダンジョンに潜って正解だったな。


「お、もう来てたか。2人ともおはよう!」


「俊くん、兼次さんおはよー」


「おー、2人共おはようさん」


「おはようございます」


 兼次さんと話していたら大樹さんと小百合さんがやって来た。

 同じタイミングとは2人は仲がいいんだろうか?


「今日はもこのメンバーでしたっけ?」


「何言ってるのよ。今日はあの子も来る日だったでしょ」


「そうやな。来るはずなんやけど……って、来た来た。おーい、こっちやー」


 そう言った兼次さんが手を上げて向かってくる人を手招きする。

 

 僕もそれにつられてその方向を向く。

 ……ん? なんか見たことある気が。


「おはようございます。あれ、私が最後でしたか? すみません」


「みんな今来たところやし大丈夫やで」


「そうですか、よかったです。あっ、大樹さん、小百合さんおはようございます」


「おう、おはよう」


「おはよー。今日も真由ちゃんはいい笑顔だねー」


 やっぱりだ……。

 僕が見間違うわけがない。


「何言ってるんですか、そう言いながら抱きつかないでくださいよ!」


 小百合さんが可愛い可愛いと来た女性に抱きついている。

 その行動を嬉しそうに拒否しながら女性は周りを見渡して……。


「で、今日はこのメンバーで……え!?」


 僕と目が合った。


 ……って、そういう僕もかなり驚いているんだが。


「……奥山くん!?」


「河合さん……?」


 河合さんだった。

 昨日会社で話していた、同期の河合真由だ。


「まさか、もう一人のメンバーが河合さんだったとは……」


「……うん。まさか、同じパーティになるとは思っていなかったよ」


 そう言って河合さんが苦笑いする。

 本当にこんな所で会うとは思わなかった。


「ん? お前ら知り合いなんか?」


「あ、はい。河合さんとは仕事の同僚で……って、ちょっと待って! 河合さんダンジョン潜ってたんだ!? 何で言ってくれなかったの!?」


「えーっと、ちょっと話しにくかったって言うか、私もダンジョンに潜ってることは隠しておきたかったんだよね」


 頬を掻きながらそう言う河合さんの言葉で察しがついた。

 あれだ、谷口にバレたくなかったのだろう。

 ダンジョンに潜っている女性ってだけで、イメージが変わりそうだからな。

 内心僕も今日で河合さんのイメージが変わりそうだ。


「あー、そうなんだ。まあ、深くは追求しないよ。まあ、これからパーティになる様だし、顔見知りの方がやり易そうだしよかったわ。よろしく!」


「そうだね。こらもよろしく!」


 そう言って僕らは挨拶をする。


「2人が知り合いなら話が早いな。よし! じゃあ、このメンバーでこれから攻略していくから頼むな!」


「「「「はい!」」」」


「攻略と言っても、まずは俊の攻略階層の引き上げ、それが終わったら俺らのレベル上げや。真由もそれでいいな?」


「はい、大丈夫です。えっと、質問なんだけど、やっぱり奥山くんって今噂になってる奥山くんだよね?」


「……そうらしいけど」


「いつものイメージからは想像できないけど、噂だけ聞いてたら凄いらしいから期待するよ?」


 河合さんの顔はからかう様に言う。

 元の僕の姿を知っていたらあまり想像できないだろう。


「やめてくれ。期待されたらミスる」


「あははっ。そこは奥山くんらしいね」


 そう言って笑う河合さんはいつも通りだった。


「じゃあ、向かうか! 話は向かいながらにしよか。今日の目標は25階層のボスやからな!」


「わかりました!」


 そして僕たちは階層入り口転送ゲートに向かった。












     

まだ続きます。

次回の更新は火曜日の21時ごろです。

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