表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/150

31話-3「パーティ編成」



「『ウォーターボール』!」


 いつも通り水球を複数展開しオークに向かって放つ。牽制の役目を果たした水球でオークは一瞬立ち止まる。


 そのまま剣を抜き、走り出す。


「はあぁぁぁぁっ!」


 狙うは首。

 それに対してオークも反撃してくるが、兼次さんを真似して最小の動きで躱し、一体目のオークの首を跳ねる。


「グギャッ……」


「『サンダー』!」


 向かってくるオーク達に範囲攻撃として電撃を喰らわせる。

 するとたちまち動きが鈍くなる。

 あとは、丁寧に一撃で仕留めれば完了だ。


「ほぉ……動きがいいな」


「うん、初めてまだ数週間しか経ってない様に思えないわ」


「やろ? 早速俺の動きを真似してきたな。吸収力はかなりある」


「はあぁぁぁぁっ!」


 そして最後の一体を仕留める。


「ふう……。どうでしたか?」


 剣を払い鞘に納めながら兼次さん達の元に向かう。


「うん、思ってた以上によかったわ」


「ああ、これなら即戦力になるな」


「本当ですか! よかった」


 自分よりもレベルが高い人ばかりだから、評価が低かったらどうしようと思っていた。

 思ったより高評価そうで安心する。


「と言うか、兼次さんよく引き入れられたな!」


「ほんとに。シルクちゃんが担当になった事にお礼を言わないと」


「そうだな。で、どうだ? これで50階層のボスも倒せそうか?」


「充分でしょ! 今のままでも戦力になれるのに、鍛えたら兼次さんでも勝てなくなるんじゃない?」


 笑いながら小百合さんがそう言った。


「いやいや、僕なんて一回兼次さんにボコボコにされてますから。まだまだ勝てませんよ!」


「まだまだって事は将来的に勝つ気なんだよな?」


 僕が否定したら大樹さんが意地悪そうに言う。


「あっ、いや……まあ」


「否定はしないのか! はははっ!」


「はっはっはっ! そう来ないとな! まあ俺も負けないようにするけどな!」


 敢えて否定しなかった。

 将来的にはこの人は超えないといけないだろう。何となくだがそう思ったからだ。


「よし! じゃあ次は俺らがやるか!」


「そうね。私達もかっこいい所見せないとね!」


 そして丁度良いところにゴブリンらしきモンスターが数体やってきた。

 ……いや、いつもより大きい?


「おっ、ホブゴブリンか。いいね!」


「うん。この階層ならオーバーキルになるけど、いつも通りの戦い方を見せるわね」


 そして2人が準備を始める。


「ホブゴブリンってゴブリンの進化系ですか?」


「ん? そうやな。まあ、そこまで強くは無いんやけどな。オークより少し強いぐらいやな」


「へぇー」


 もう一度ホブゴブリンに目を向ける。

 いつも戦っていたゴブリンに比べて一回り大きく、武器も棍棒などではなく刃こぼれしているが剣を持っている。


「いくわよ大樹。『ファーストアップ』!」


 小百合さんが魔法を唱え、大樹さんを赤い光が包む。

 多分身体強化魔法だろう。


「おう! 牽制は任せた!」


 そして大樹さんが走り出した。


「了解! ポイントシュート!」


 それに合わせて弓を構えていた小百合さんが矢を放つ。

 見事に先頭のホブゴブリンに命中し、動きが止まった瞬間に大樹さんが追撃して首を跳ねる。


「グガァァァァァッ!」


 自分の仲間が殺されたことに怒り叫ぶホブゴブリンだがそれも束の間、


「おいおい、俺ばっかり見てていいのか?」


 小百合さんの矢が次々命中していく。


「ナイスアシストだ小百合! スラッシュ!」


 小百合さんが弓でモンスターの気を引き、大樹さんが止めを刺す。そうする事で無駄が無く攻撃も食らわず倒することができる。

 この2人の動きだけでどれだけパーティを組む事が重要なのか理解できた。


「どう俊くん?」


「中々だろ?」


 全てのホブゴブリンを倒して戻ってきた2人が聞いてくる。


「はい。ここまでスムーズに攻撃も食らわずに倒し切ることができるって凄いですね! 兼次さんのソロの戦いっぷりを見た時も驚きましたが、2人の動きも洗礼されてて、流石です!」


 少なくともこの2人は中級冒険者だとわかる動きだった。


「1年冒険してたらこれぐらいはできなダメだからな。まあ、褒められて嫌な気分にはならないけど」


「期待のルーキーに褒められるのも悪くないわね。でもこれぐらいは息を合わせないといけないから、俊くんもすぐに慣れてもらうけどね。特に魔法も使えるから中衛でバランスよく立ち回ってもらう事になるから」


「バランスよくですか……。それって、割と重要なんじゃないですか?」


「うん、重要よ」


 普通に小百合さんが大樹さんに矢を当てていなかった事が凄いと思っていたのに、それに似た様な事をしないといけないのか。

 まあ、できないとは思わないけど。魔法の精密性の訓練になりそうだ。


「わかりました。今出来る範囲でやってみます」


「おう! じゃあ、次のモンスターから3人で合わせてみるか」


「そうね。俊くんの戦い方もわかったから、作戦を練ってみましょう」


 そして今日の目的である3人でモンスターの討伐が開始となった。





    

パーティーメンバーが集まり出しました。どのようなメンバーになるのか楽しみです。

次回の更新は土曜日の12時頃です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ