31話-1「パーティ編成」
お久しぶりです。今日から週1で更新を再開します。よろしくお願いします!
4章始まります!
「兼次さんおはようございます」
「おう、おはようさん」
20階層のボスを倒して、兼次さんにボコボコにされた次の日、ギルド近くの喫茶店で待ち合わせをしていた。
それも昨日話していたパーティメンバーを紹介して頂く為だ。
「えっと、それでこの2人が……」
「そうやな。本当はもう1人いるんやけど、今日は先にこの2人と面識を持って欲しかったからな」
そう言って兼次さんは2人に顔を向ける。
「お前ら、自己紹介してくれ」
「お前が兼次さんが紹介したい新人だな。へぇ、割と悪くないじゃねぇか。俺は佐野大樹だ! 宜しく!」
「宜しくお願いします」
思っているより気さくな方だな。
見た目は30台後半で、兼次さん程ではないが体が大きい男性だ。サラリーマンなんかしてなくて、職人さんみたいな雰囲気だ。
あと、盾と剣を横に置いているから、この人も前衛なんだとわかる。
「次は私ね。私は宮城小百合。パーティ内での役割は弓での遠距離攻撃とバフ・デバフかな。少しぐらいなら回復魔法は使えるわ。宜しくね」
「宜しくお願い致します」
もう一人は20台後半から30台前半ぐらいの女性だ。
お姉さんって感じで頼りになる雰囲気を醸し出している。
どちらも頼りになりそうで、強そうだ。
「えっと、僕は奥山俊って言います。一応魔法と剣を主体に戦っているんですけど……」
「えっ!? 君が奥山君!? あの「虐殺のオーガ」を倒したルーキーの!」
「マジかよ! お前がか!! おい兼次さんそんな大物連れてくるなら言っておいてくれよ!!」
僕の自己紹介に驚いて言葉を被せられた。
「すまん、すまん。お前らが驚くかなって思ってさ!」
「驚くに決まっているでしょ!」
「当たり前だろ!」
「はっはっはっ! 成功したわ!」
「えっ、えっ……!?」
何か勝手に盛り上がり始めて話に付いて行けない。
なんか僕が有名人みたいな感じになっているんだけど……。
「け、兼次さん、どういう事ですか……?」
「ん? どういう事って、俊が有名人だからこいつらが驚いているんだよ」
「えっ? 僕が有名人ですか?」
有名人ってどういう事だ? 今までこんな反応されていなかったけど……。
この前だって道端で絡まれていたし。
あるとしたらギルドでシャロンさんって人に誘われたっけ?
「当たり前だろ! お前期待のルーキーで有名だぞ! あの「虐殺のオーガ」に会った冒険者は少ないんだよ。チュートリアルで殆どの奴らが殺されるオーガだ。それを倒したのは数人だ! お前もその内の一人に入っているんだぞ!」
「そ、そうなんですか」
「えっ? 君、自覚なかったの? 逆に今まで周りに騒がれたりとかあったでしょ?」
「いや、騒がれた事はなかったんですけど……」
「ありえねぇ……」
「うそでしょ……」
僕を見て驚いた顔をする2人。
そんなに驚く事なのか。全く自覚してなかったんだけど。
「それは仕方ないぞ2人共。俺達シルクちゃんが担当だぞ?」
「「あー、なる程ね」」
何がなる程なのか。
「忘れていたわ。シルクちゃん可愛いけど仕事できないって言われてるもんね。本当は仕事できるけど」
「そうだな。シルクちゃんが担当だって事で俺達も見向きされなかったからな」
そうなのか。そう言えばシャロンもそんな事言ってたな。
「まあ、実際俺達がシルクちゃんのトップ攻略者だからな」
「他に比べたら見劣りするかもしれないね」
でも、シルクさんの担当の冒険者達はちゃんとわかっている様だ。
俺も含めてシルクさんの事は理解している。
「まあ、そう言う事や。で、後1人は週末にでも紹介するんやけど」
そう言えば最初にもう1人いるって言ってたよな。
「今日はお前らで様子見って事でダンジョンに潜って欲しいんや」
「様子見ね。了解」
「そりゃ合わせられるか重要だからな」
2人は兼次さんの言葉に同意する。
もちろん僕も、
「俊もそれでいいか?」
「大丈夫です。皆さん宜しくお願いします!」
そう挨拶を返した。
次回は来週火曜日に更新します。