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26話-2「ユニーク」

26話続きです。



 でもまじか、あのコボルドがここまできたのか?傷跡も同じで瓜二つだし、間違いないと思うが。


「ぐるあぁ!」


 剣と剣がぶつかり、激しく金属音が鳴り響く。


 その音に思考を戻される。

 くっ!そうだな、今気を抜くと危ない。


 一旦思考を止め打ち合うことに集中する。


 右から左へと、左から右へと、上から下へと、何度も何度も剣と剣がぶつかり、激しく火花を散らす。


 武器と武器で戦うことがあまりないモンスターとの戦闘で始めてまともに戦っている感がある

 それに少しずつテンションが上がって来る。


「はあぁぁぁぁ!」


 僕を倒そうと激しい攻撃を続けるコボルドだが、それを全て受け続ける。

 しかし、コボルドの攻撃を受けるだけではない。受け続け一瞬の隙を反撃の起点にする。

 コボルドにされてきたように激しく打ち続ける。


「ぎ、ぎぎゃ」


 数十秒打ち合ってわかる、スピード、力など強い部類には入るが勝てないレベルではない。


「ぐるあぁぁぁぁ!」


「はあぁぁぁぁぁ!」


 一人と一体の声が響き合い、弾き合う剣と剣。


 何度も何度も打ち合い弾き合う攻撃。

 弾き、受け流し、押合い、そして弾く。それを繰り返す。


 ただそれだけだが、


「ははは!」


 笑い声が漏れる。無意識に楽しそうな声だ。

 ただただ剣と剣がぶつかっているだけなのに何故が高揚する。

 今までにここまで長く打ち合っていたことはなかった。


 戦いがどんどん楽しくなって来る。


 ここまでちゃんとした戦闘は今までにしてないかもしれない。よりテンションが上がってくる。


「やべぇ、楽しい!」


 とうとう、気持ちが言葉として溢れる。


 続く剣と剣の打ち合い。鳴り響く金属音と両方の声。


 しかし、打ち合う攻撃は互角ではない、少しずつ差が出始める。

 押されていくのはコボルドの方で。


「ぐ、ぎゃぁ」


 コボルドの表情が少し険しくなってくる。それがきっかけで楽しかった攻防に終わりが来る。


 一歩深く踏み込む。そしてスパートをかける。力を込めスピード上げていく。

 徐々にコボルドが僕の攻撃を受けきれなくなり、身体に傷を増やしていく。


「ぐ、ぐるあぁぁぁ!」


 声を上げ抗うが、それはただ終わりを伸ばすだけ。

 この戦いでも僕は少し経験値を得ている。どのように攻撃すれば良いのか、少しずつだがわかって来る。


 これが今の僕とコボルドとの差。最初はこのタイミングでコボルドに会ったことに衝撃を受けた。かなり強くなって戦いに来たのだと。それはその通りだったが、やはりまだこの階層のレベルなのだと思った。


「はあっ!」


 そしてコボルドに浅くはない攻撃を与える。


「ぎ、ぎゃっ」


 コボルドが後退する。もうこれで終わる。


 構える。今一番の一撃のために。



「「ぐるあぁぁぁぁぁあ!」」


「あ?」


 その瞬間横から激しい衝撃を受けた。その勢いのまま数メートル飛ばされる。


「が、ぁっ……」


 突然の出来事に体勢を立て直せず地面を転がる。


 はぁ? わけがわからない、どうなってる?

 何が起こったのか理解が追いつかない。体が吹き飛ばされるほどの衝撃。何かにぶつかられたしか考えられないが。


 幸い思っているよりダメージは少ない。地面に倒れながら思考を安定させる。

 コボルドは目の前に捉えていた。あいつじゃない。じゃあ、他の何かになるが、


 素早く立ち上がり飛ばされた方向を見る。


「お、おい。まじか」


 まだこれが来るタイミングではない。モンスターはこの階層にはまだまだ残ってる筈だし、集香草はさっき燃やした。


 じゃあなんで、どうして。


「どうしてこんな数のモンスターがいるんだよ!」



 

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