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25話-3「階層とレベル」



「ふう……」


 次はどういう感じで戦おうか。さっき通り魔法やスキルは使いながら戦うとして、他にも面白いことしたいよな。

 魔法で倒すより剣で倒した方がいい気がするしな。剣だけでなく体術もまた組み込むか。まあ、思いつくこと全て試してみるしかないな。


 そんな風に休憩しながら考えていく。



「さて、休憩もしたし、もう一丁頑張りますか!」


 立ち上がり気合いを入れる。

 次の階層でも同じ事をしようと思っている、これは気合いを入れないと戦えない。


 しかし、ここまでの階層で思ったことは少しずつだがモンスターも強くなってる気がするということ。今戦うと多分10階層のオークと16階層オークでは差を感じると思う。

 自分も強くなっているはずなのにそこまでモンスターの強さが変わらないと感じている、ということはモンスター自身も強くなってると仮定できる。

 そういっても雑魚なのは確かだけど。


 モンスターが強くなっていくことは経験値がもらえるわけで、レベルアップにも繋がるわけで嬉しい事だ。

 つまり、進めば進むだけ強くなれるということだ。


「考えてるだけでは始まらないし、行きましょか」


 今はとにかく先に進む。







「ちょっときついか?」


 モンスターの異様な集まりに対処が仕切れなくなってくる。17階層では16階層より異様にモンスターの集まりが早かった。それに加えやっぱり強さも上がっているようで、完璧な対処を取れなくなってくる。

 集まりすぎるとより難しくなるわけで。


「くそ、この調子じゃ間に合わんな。一旦ここで切るか。『ウォーターウォール』」


 魔法を使い物理的にモンスターとの間を切る。

 対処しきれなくなる前に違う行動をとる。

 つまり、モンスターが集まらないようにすればいいわけで。


「燃やそう」


 そう思い「ポケット」に手を突っ込む。取り出すのは集香草。


「『ファイアボール』」


 それを目の前で燃やす。燃やし尽くせば匂いも出なく、集香草の効果はなくなる。後でまた探せばいい。


 これでこれ以上は集まって来ないだろう。


 今集まっているモンスターを見渡す。どれぐらいの数かしっかり把握してから、両方向に手をかざす。

 イメージは左右を風で吹き飛ばす様に。


「『ブロウ・ウィンド』」


 風による衝撃。左右のモンスターが風の力で吹き飛ばされる。牽制にしかならないがここはそれでいい。


 そのまま正面に手を構える、目的は威力を大きく。


「『ウォーターボール』」


 はじき出される様に飛び出した水球は一番前のオークに当たり、周りのモンスターを巻き込み倒れていく。

 そうなればあとは剣でとどめを刺していくだけ。


 まだまだモンスターが出てくるならこの方法は使いにくいが、これだけで終わりなら思い切った行動が取れる。


 次々とモンスターを倒していく。行動が早かったおかげか対処が楽だ。

 魔力を込めて威力を上げる魔法はタメに時間がかかるのであまり使わず、魔法は牽制のみに使う。それでも関係なしに向かってくるオークもいるがそいつらぐらいは剣で対処できる。

 ここまでの戦いで急所を狙うことは慣れているので、問答無用に攻撃する。


 何も危ない場面もなく倒す。徐々に数を減らしていくモンスターたち。

 やはりこのレベルのモンスターなら楽に倒せてしまう。


 数が減っていけば魔法に力を入れることができるし、一体一体の対処がしやすい。

 距離が離れている奴には、


「瞬動」


 新しく覚えたスキル瞬動で一気に距離を詰める。

 オーガを倒してから少しして剣スキルがレベル2に上がった。まあ、レベルアップに時間がかかった気がするが。

 一瞬で距離を詰めると殆どのモンスターは反応できない。相手が反応できなければそのまま切り飛ばす。

 中々スラッシュと瞬動の相性はいい。


 残り数十体。このままなら、大技を使わずに倒しきれる。剣で倒していく。


 後、十体を切った。周りから他に集まる気配もない。危ないところはない、このままで大丈夫だ。


 残り五体。やっと終わる。そこまで疲れたわけではないが、あの多数からのこの数には安心できる。


 よし。ラスト三体!


 最後は切りよく三体同時にスラッシュで倒すか。

 深く構える。


「スラッ……っ! うおぉ!」


 直後、激しく鳴り響く金属の音。


「っ! なんだ!」


 残り三体のゴブリンを倒そうと構えた瞬間、後ろからの違和感に振り向き咄嗟に剣を振り上げた。

 その瞬間振り下ろされた剣とぶつかり激しく火花を散らした。キャンセルしたスキルは意味を無くし、ただ振り上げるだけの一撃になる。


 突然の出来事に、スキルを放つ威圧に下がっていたゴブリンに背を向け、そうさせざるを得なかったモノに向き合う。


「ぐるあぁ!」


 構え、向き合った瞬間、叫びながら襲いかかってくるモノ。


「うお! っく!」


 避けることができず正面で受け止める。

 こいつ速い!


 剣と剣がぶつかる音は絶えず、相手からの乱撃が激しく襲い掛かる。


 くそ! 先手を取られてる。まだ捌けるスピードだが、後ろのゴブリンも戦闘態勢に入ってる。

 だが、


「おおおおぉぉぉ!」


 襲いかかる乱撃の隙間を縫い、相手の鳩尾辺りに蹴りを食らわせる。


「ぐぎゃ……」


 攻撃に全力を注いでたのだろうか、踏ん張りが効かなかったそいつはそのまま数メートル飛んでいく。


「はあ、はあ、なんだこいつ」


 明らかに今までのモンスターより強い。小ボスレベルはあるんじゃないか?


 息を整え、すぐに起き上がるそいつに目を向ける。


「っ、こいつ。コボルトか……」


 起き上がりすぐさま剣を構えるそいつは、今まで会ったコボルトとは違う空気を放っていた。





 

25話終わりです。次は26話。

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