表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/150

24話-3「再戦と再会」



 光の粒となり消えていくオーガを見届ける。


「今思うと、弱かった、な」


 比較するのはチュートリアルのオーガ、ギルド内での呼び名は虐殺のオーガ。多くの冒険者を葬ってきたモンスター。


 そいつと比べるのはあれだが、同じオーガとして比べていた。


 今回の小ボスのオーガは、攻撃も簡単に通りスピードも遅かった。反撃させる暇を与えなかったわけでもなく、雑な攻撃にもかかわらず、僕はダメージを受けていない。

 精神的にはかなり疲れたが。


 あと思うことは、チュートリアルのオーガとは違い赤くなる事がなかった。

 たぶん最後に吠え時、あのシーンが思い出され焦っていた。その焦りが最後のラッシュに繋がったのだろう、実際は赤くならなかったが。


 もしかすると赤くならなかった事は普通のことで、チュートリアルのオーガが特別だったのだろうか。

 モンスターや個体によって能力は違うという事か。


「ん? こいつは……はあ……」


 そんな事を思いながらオーガが落としていったアイテムを拾う。それが爪だという事にがっかりするが、売れる事には間違いないだろう。


「さて、どうするか。キリがいいし一旦戻るかな」


 4階層進み時間が経っている様に思うが、ここまで来て実際はまだ半日ぐらいしか経っていないはず。しかし思っているより疲れを感じている。


 クエストの薬草もかなり摘んだし、15階層というキリもいい。

 一度戻ったとしても、また来たかったら16階層から始められるし、戻る事にデメリットもない。


 歩きながら考える。


 奥の扉を抜けるとすぐに期間ゲートと階段の前に着く。

 いつも通りの光景に安心するが、決めていた通り、迷わず帰還ゲートに飛び乗ることにした。





「シュンさん、おかえりなさい」


 ギルドに入るといつも通りシルクが迎えてくれた。


 今思うと大抵いつも迎えに来てくれている。ということは、この子は暇なのだろうか? いや、タイミングだろうな、タイミング。


「思ったより早いお戻りですね、まだ半日経ったぐらいですよ?てっきり一日中攻略されてるのかと」


 シルクは近づいて来て声をかけてくれる。


「そうですね、ちょっと早かったかもしれないです。まあ、一旦戻ろうかと思って。クエストもクリアしたので」


「薬草摘みされたんですね。じゃあ早速受付の方で手続きを済ませましょう!」


 そう言ってシルクは受付へ走って行く。その後を追う様に僕も受付へ向かう。


「この量なんですけど……」


「……おー、かなり摘まれましたね。えっと、10kgですね、質も悪くないですね」


 シルクが驚いている。少し量が多かったか?内心、取りすぎたと思っていたが、道中暇だったから仕方ない。


「量は置いといてですね、これでクエストクリアになります。報酬は回復ポーション五つです」


 そう言うシルクからポーションを受け取る。

 五つか。これでしばらくポーションは買わなくて済むな、クエスト受けてよかったわ。


 今回この薬草クエストを受けたのは良いことが多かった。次も受けられるなら常に受けておきたいと思う。


 その後、ここまでの攻略についてシルクに報告する。集香草についてやオーガについて話した。オーガは僕だけだが、集香草は割と他の冒険者も出会っているみたいだ。中にはそれでリタイアする冒険者もいる様子だった。


 しかし、色々話しながらギルドで少し休むことができた。なんだろな、シルクと話すと元気がでた気がする。


 さて、休憩もできた事だし次の行動はどうするか。ゼロ階層に一度戻ると少し気分が晴れたし、もう一回潜っても良いかもしれない。


「シルクさん。やっぱしもう一度潜ろうと思ってるんですけど……」


「ですよね、まだ半日ありますから、行けるところまで頑張ってください!」


「はい。ありがとうございます。行ってき……ん?」


 シルクに挨拶をしようとしたところギルド内で怒鳴り声が聞こえた。


「おい、何ぶつかってきてるんだ小僧。アタタタ、こちとら今ので怪我してしもうたやんか。どうしてくれるんや?」


「……は?」


「おいこら聞いてるんか!? どうするかって聞いてるんや!」


 な……まじか、またあいつか。懲りない奴だな。

 そいつの見覚えがあるというか、行きしなにあった大柄なおっさんの声が響いていた。





 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ