表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

1.嵐の襲来

第三弾、始まりますよ!

「やっほー! 莉那(りな)ちゃんいますか〜?」

(われ)は莉那ではなく、黒の邪神・ユースティティア! 名を間違る愚か者、我の眼前にひれ伏すがい……って、柑奈(かんな)先輩!?」

「元気にしてた? ……それよりもまだそれ続けてるのね?」

「まだ言うなし!」

「それに相変わらずちんまいねぇ……♪ はぁ……前にも増して可愛くなっちゃって……食べちゃいたいわ♪ もちろん性的な意味で」

「あなたも、……ごほん。そなたも相変わらずだな」


 生徒会室にいた自称・黒の邪神ユースティティア、櫻井莉那(さくらいりな)の下へ駆け寄ってきて後ろからガバッと抱きついたその主は、三年以上前、莉那が中学生の頃、一方的に絡まれ続けてきた先輩である湯足柑奈(ゆたりかんな)だ。

 散々迷惑をかけられて、気付いた時には卒業してしまっていた柑奈の再来に、莉那は嫌そうな顔をしながら手にしていたペンを机に置いた。


「ちょっとは成長したんだから! 具体的には今の莉那ちゃんくらいの娘がターゲットなだけで」

「……はぁ、全く変わらぬな。いい加減にせんか? ここは生徒会室だぞ?」

「つれないなぁ。……おねーさんと三年前の続き、したくないの?」


 一瞬ザワつく室内。五人ほどいた生徒会役員と莉那が連れてきた風紀委員の娘たちが、チラチラとこちらを見つめながらこそこそ何かを話している。


「なっ……! あ、あれはただあなたが卒業して寂しいから手を繋ごうと……!?」

「なーんだ、覚えてくれてるじゃない」

「……。どうしてのこのこ舞い戻ってきたかは知らぬが、此処は我の聖域だ! 出て行くが良い!!」


 ガタッ! と音を立てて莉那が立ち上がると、そのまま柑奈の背中を押して教室の外へと追い出すと、思い切り扉を閉めた。そして「ふんっ!」とマントを翻しながらくるりと振り返ると、元の席へと戻って仕事を続けるのであった。




 一方、追い出された柑奈は……


「ふふ、莉那ちゃん、元気そうで良かった。……相変わらず、邪神のくせに聖域とか言ったり、設定ガバガバなんだから」


 とつぶやき、三年前の、初めての あの(・・)感触を思い出し、夕日に照らされながら微笑んでいた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ