翼をください の巻
【15年前、うちは当時高校生やったけど、その時、1つ年上の翼くんに想いをよせていた。あれは秋の紅葉が綺麗な頃やった。】
ミーはセーラー服を着て、鴨川沿いを歩いていた。その際、人にぶつかり後ろによろけた瞬間、持っていた学生カバンが飛ばされた。それが鴨川に落ちてしまった。
ミー「あ・・・」
その時だった、鴨川に飛び込みカバンを拾いに行ってくれる青年が。
青年はカバンを拾い、川からあがってきた。
ミー「すいません。ありがとうございます。」
桂川「あーでも教科書とか濡れちゃったなあ。ごめんね。」
ミー「え・・教科書・・・」
【それが翼くんとの出会いやった。翼くんは自分が全身ベタベタになってんのに、それよりもミーの教科書の心配をしてくれた。うちはもうその時から翼くんに惹かれ始めていたんや。】
ミー「すいません。ベタベタにして、着替えを、うち近くなんで・・・」
桂川「いいわ!大丈夫やで。」
そう言って立ち去る桂川をミーは引き留めた
ミー「でも悪いです。うちの為にベタベタになってもうたから。」
【それから、うちたちは近くの高級ホテルの最上階スイートホテルに行ったねんけど、それは日頃のうちでは絶対行けへんような世界やった。うちはそこで翼くんの服を洗濯していた。】
ミーは乾燥機がついた、大変広い浴室で桂川の服を干して、部屋に戻っていた。
ミー「ホンマにありがとうござました。」
桂川「いやいや。こちらのほうがありがとう、洗濯までしてもらってな。」
そんな会話をしながら、ミーは広い部屋を浴室から桂川がいるところまで歩いている。
ミー「いえそんな!お礼を言うのはうちの・・・・」
そこにはホテルの備え付けのダウンを着た桂川がいた。彼の前には、絢爛豪華な料理が並んでいた。えびのロブスターからキャビアにフォアグラ、それだけではなく京都の高級懐石料理も並んでいる。ミーが日頃食べることなどできない料理の数々である。
桂川「これは洗濯してもらったせめてものお礼や。食べてってなあ!」
ミー「そんなこんなのうちいただけません。」
桂川「そんなこと言わんで。」
【うちはそこで翼くんに触れてだんだん好きなっていた。】
料理を食べながら楽しそうに話す二人。テラスにでて景色を見る二人。そして寄り添う二人。
それから鴨川の会った場所で、ミーと桂川は待ち合わせしていた。
【うちと翼くんはそれからよく会うようになった。そのたんびに、日頃経験できないことをたくさんしてくれた】
嵐山の夜景を見渡せる高級旅館で高級料理を食べたり、普段入れないような料亭で食事したりする。桂川はそこの常連で大将と話をしている。京都の町をリムジンで走ったり、京都タワーを貸切、夜景を楽しむ。
ラジオからは、スカイスワロウという窃盗団のニュースがやっている。宝石店を窃盗し、62点、総額2億7500万円の宝石が盗まれたとのことだ。
桂川「ミー」
ミー「なあに。」
桂川「今日はミーにプレゼントがあるんや。」
ミー「え・・・でも誕生日でもなんでもないで。」
桂川「いいや。俺がミーにあげたいんや。」
そう言って取り出したのは、なんと20カラットダイヤ!ミーは人生で見たこともないものだ。
ミー「え・・・ダイヤ?・・・いやこんなのうちもらえへん・・・」
桂川「いいだよ。ミーは何も気にしなくて。俺がミーにあげたいんだ。」
ミー「でも・・・」
桂川「俺はミーにならなんだってしてあげたいんや。ミーのためならなあ・・」
ミー「翼くん・・ありがとう」
そう言って桂川は20カラットのダイヤをミーの指につけた。
【うちはめっちゃ幸福を感じていた。これが幸せっていうやつだと。】
桂川「ミー、他になにかほしいものあるか?」
ミー「そんなんない!もういいよそんなん。」
桂川「俺がそうしたいんや。ミーが欲しいものは俺が全部手に入れてやる!」
それからも桂川はミーに色んなプレゼントを重ねた。高級ブランドバック、高級な食べ物、服、雑貨などだ。
またものだけでなく、高級なホテル、ほとんどが最上階、高級車に乗ったり、遊園地とかもすべて貸切だった。
しかしそのたびにニュースでは窃盗団スカイスワロウのニュースが流れている。
【うちもこの時、スカイスワロウの名前は知っていたが、それが翼くんだとは夢にも思わへんかったし気にもしてへんかった。だから、そのうちに自分から欲しいものをねだるようにもなっていた。】
ミー「ねえ、翼くん。今度ね、シャネルの新作がでるんだけどあれが欲しいねん。」
政人「いいで!ミーの欲しいものは俺が手に入れてやる。」
テレビではニュースが流れている。
キャスター「昨夜、京都府上京区にあるブランドショップYOFUKAに窃盗団スカイスワロウが現れた模様です。押収された品は、シャネルなどの高級ブランド品、計156点。総額にして1億3000万円相当が盗まれました。現場には、羽のマークの付いたカードが置かれており、そこには、捕まえれるものなら捕まえてみろ!犬のおまわりさん!窃盗団スカイスワロウと書かれていました。・・・・続いてのニュースです。」
女性キャスター「さーついにクリスマスシーズンですね。街も賑わってきました・・・」
桂川「はいミー。」
そういって、新作のシャネルを渡した。
ミー「ありがとう翼くん。うちこれが欲しかってん。」
桂川「ミーの喜ぶ顔が見れてうれしいで。でもな、ミーもう1つプレゼントがあるねん。」
ミー「えー何!まだあるん。」
桂川「屋上に行こうか。」
ミー「屋上?」
そう言って2人は屋上にきた。雪が降りつもり、夜景がとてもきれいだ。
ここは360度京都中が見渡せる。
白い息をはきながら桂川は時計をみながら話した。
桂川「そろそろ時間や。ミーあの山を見て。」
そう言って東側にある東山如意ケ嶽を指さした。
そこに、火文字で『メリクリ』と文字が浮かび上がった。
ミー「え?すごい!」
桂川「ミー驚くのはまだ早いで。」
そう言って桂川は松ヶ崎山西山と松ヶ崎東山を指さした。
そこには火文字で『ミー』と浮かび上がった。
ミー「え!!!」
桂川「次はこっちや!」
そう言って西加茂船山を指さした。
そこには火文字で『大』の文字が浮かび上がった。
ミー「え・・・大・・・?」
桂川「今度はこっちや!」
そう言って大北山を指した。
そこには火文字で『好』の文字が浮かび上がった。
ミー「好・・・・」
桂川「最後はこっち!」
そう言って曼荼羅山を指さした。
そこには火文字で『き』の文字が浮かび上がった。
ミー「き!・・・てことは」
桂川「メリクリ!ミー大好き!」
そう言ってミーを見つめた。
桂川「おれの本当の気持ちや!」
ミー「・・・翼くん・・・」
見つめ合い、2人は抱き合った。
2人を中心に360度周り、『メリクリミー大好き』の文字が輝いている。
薄暗い部屋に、桂川とミーが寝ている。
ミーは起き上がり、桂川の寝顔をみている。
上半身裸の胸には、翼の形をしたネックレスがある。




