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ルルとの散歩道  作者: dek
6/6

退屈6(依頼2)

モドッテコレター

朝日が昇り始める少し前に少年とアズハは街の入口で馬に乗っていた。ルルは少年の頭の上で気持ちよさそうに寝ている。


「 そろそろ出発するけどいいかしら?」


「 大丈夫です。」


少年は特に何も持っていない状態でアズハに言った。しかし、アズハも背に小さい鞄を背負った程度の荷物しか無い。少年はこんな装備で大丈夫なのだろうかと考えたが、アズハが何も言わないので良しとした。


「目標は南の村よ。ここ最近、南の村の先で人々が魔狼に襲われてるの‥。南の村は今から出てゆっくり向かっても日が沈む前には着くわ。今日は着いたら休んで、明日準備ってところかしら。それじゃ、出発しましょう。」


少年とアズハは南の村に向かって移動を始めた。


南の村まで街道が続いている。偶に森の近くを通るので野生の動物や魔物が出てくるらしい。運が悪ければ盗賊に襲われるが滅多に無いとの事。


「 少し魔狼について説明するわね。基本は5頭前後の群れで行動、普通の狼と変わらないのだけど、身体能力が大幅に上昇しているわ。また、ボスとなる魔狼は能力持ちの事があって、能力は遭遇しないと分からないわ。」


「 能力が分からないのは怖いですね。」


「 そうね、基本持っていても能力は1つかな。調査で能力を確認、対策を考え討伐する事が多いの。複数の能力持ちは貴方に協力を依頼した魔狼ぐらいよ。」


「それは倒すの大変そうです…。」


「 何か聞きたい事があったら言ってね。協力してもらう側だし、答えれるだけ答えるわ。」


「 聞きたい事が出てきたら聞きますね。」


ある意味定番の返事をした少年だった。その後は、雑談等をしながら南の村に向かって進むのであった。



ーーーーーーーーーーーーーー


 特に何事もなく順調に進み日も落ち始めた頃、村がある方角の空に煙がたっているのが見えた。


「 嫌な予感がするのですが……気のせいですかね……?」


「 気のせいじゃない、南の村で何か起きてる可能性が高いわ、急ぎましょう。」


  アズハは急いで馬を走らせようとしたその時、少し前の木の影から1頭の魔狼がゆっくり出てきたのだった。一瞬で場の空気が変わった。出てきた魔狼は黒い瘴気を纏っておりこちらを見ていた。気がつくとアズハは背丈ほどの槍を持ち、汗をかき動きを止めていた。全く気配を感じられなかった。しかし、相手には位置を把握されており待ち構えられていた。不利な状態での遭遇である。内心穏やかではないはずだ・・。


「 何故、お前がここにいるの?」


「 お嬢様に他の魔狼と関係がないのを証明しようと思ってね。君は強いからあまり追われたくないのだよ。今、最近できた魔狼の群れが村を襲っている。私が奴らを退治して、それで証明をしよう。そして私を追うのを控えて貰いたいのだがね。」


「 前にも言ったわ、魔狼の時点で討伐対象よ。結果は変わらない。それに、魔物の言うことを信用する方が無理だわ。村が襲われているのも事実か不明だし、罠の可能性だってある。無理なお願いね。」


「 まぁ、確かに君の言うとおりだ。そうなると理性のある魔物はどうしようもないと思うが・・・。それならそれで、こちらも対応を改めなければいけないな。命の存続の為に・・。が、そこの不思議な少年を巻き込むのは本望ではない。またの機会としよう。」


魔狼の体から瘴気が溢れ出て体を覆い尽くす。数秒後にはもう魔狼は居なくなっていた・・。


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