退屈5(依頼)
「 ルルさん、どの依頼がいいと思います?」
「 いい事を教えてあげるよ。報酬金額の欄を見ればいいよ?」
「 稼ぎに来たのだから、当たり前ですよね!!」
少年は依頼ボードの前に立って、どの依頼を受けるか悩んでいた。
「あれ、丁度良い事に魔狼調査の依頼がありますね。内容は、南の村付近に魔狼の群れが居た形跡あり。群れの位置と規模を調査し協会に報告と……。依頼ランクは上から2番目のAですか……、って高くないですか?」
「 そんな事は気にしたら負け!!金額を見るんだ!!」
「 報酬金額は75万ルーツ……、焼鳥が1本100ルーツ……。これにしましょう!!即断即決これ大事ですよ!!」
少年とルルは目を輝かせながら受付に行ったのだった。
「 この依頼は受ける事は出来ません。」
「なんですと……?」
少年とルルは愕然としていた。依頼ランクA以上は協会登録と依頼成功実績が無いと受ける事が出来なかったのだ。当然といえば当然だが……、
「お姉さん、こんなトラップで僕を虐めないでください……。」
涙を流しながら少年は受付のお姉さんに訴えていた。そこに、
「あれ、何してるのルル?」
「え?アズハさんこそ何しているのですか?」
アズハが受付の奥から出てきたのである。
「私は、例の魔狼を倒す準備と総合協会に討伐依頼を受ける為に来たのよ。ルルこそ、何してるのよ。」
「焼鳥を食べる為に来ました。」
「能力以外に発言もよく分からなくなってきたわね……。何々、魔狼調査の依頼、調査専用の刻印術がないと出来ない依頼じゃない。そんな事も出来るの?」
アズハが受付のお姉さんが持っていた依頼内容を見て驚いたようだ。
「 いえ、協会登録していないので断られました。この依頼は専用の刻印術が必要なんですか?」
「専用の刻印術がないと、先に魔狼の群れに見つかって襲われるわよ……。」
魔狼の群れは、元々狼の為、嗅覚が発達しているのに加え魔狼になった影響で索敵能力がさらに上がっている。能力が無い人は気が付いたら既に群れに囲まれているらしい。しかも、1回囲まれるとベテランの魔物狩り刻印者でも逃げ切れないとの事。だから、報酬が高いのである。あれ、アズハさん群れを1人で倒せるって、アズハさん凄く強くない……?
「んー、予行練習しようかと思いまして……。」
「あー、そういうことね。いいわ、私と一緒に行きましょう。私なら調査じゃなくて討伐で依頼を受ければいいし。」
「あ、討伐ですか……。ちなみに討伐だと依頼ランクと報酬金額は…?」
「 もちろん依頼ランクはSで報酬金額は500万ルーツよ。」
「 ぜひ、お願いします!!」
正直な少年だった。
少しづつでも更新できますように。