バックヤードの女の子。
自動ドアというものは、入り口前についているセンサーで横切るもの、前に立ったものに反応してドアを開閉します。
つまり、ある程度の高さにまで舞い上がったゴミとかにもたまに反応したりするわけです。
そういったこともあるので、当店にも犬やゴミなど、人間以外のお客様もたま〜にいらっしゃることもあるんです。
一度、乗り手のいない自転車だけが自動ドアに突っ込んできたこともありました。どうやってそうなったのかはいまだに不明ですが。
誰も通っていないのに勝手に自動ドアが開閉する時もありました。
もしかすると、私たちには見えないお客様が通っていたのかもしれません。
……そうです、たま〜に霊的なお客様もいらっしゃるみたいなんですよ。
本屋さんにはお客様の知らない秘密の小部屋が存在します。
商品在庫を保管したり、入荷してきた商品などを運び込むバックヤードと呼ばれる部屋です。
そのバックヤードで返本作業をしてる時、たま〜にですが視線を感じる時があるんです。
――気のせい?
――気のせいあんに?
――気のせいにしとけ。
――気のせい以外ありえんやし。
――気のせいだってばよ。
という感じで気のせいにしたかったんですが、どううやら視線を感じていたのは私だけではなかったみたいです。
しかも実際に『見た』と言う人まで現れたのです。
一体その人は何を見てしまったのでしょうか?
話を聞いた限りでは、バックヤードのすみの方に小さな女の子がいたそうです。
やばいです。やばすぎです。
店員しか入ることの出来ないバックヤードに女の子がいることなど普通はありえません。
レジカウンターか荷物の出し入れをする運搬室からしかバックヤードには入れません。
レジカウンターには当然のように店員が。運搬室にはカギがかかっています。そのカギも数人の店員か社員さんしか持っていません。
……じゃあその女の子はどうやってバックヤードに入ってきたのでしょうか?
私は今のところその女の子を目撃したことはないんですけど、たまに感じる視線がその子のものではないとは言い切れません。
返本作業をしている時に机の下からニュッと手が出てきたりしたらどうしよう、とたまに想像してプルプルしてる毎日です。
以上、バックヤードにひそむ女の子のお話でした。
続報があれば追って報告いたします。