プリプリ兄弟の来店
他の本屋さんでもそうでしょうが、うちの本屋さんにもお子様連れのお客様はよくいらっしゃいます。
親御さんがお目当ての雑誌や書籍を品定めしている最中、お子様は構ってもらえずにヒマです。退屈を貪っています。
さて皆さん、お子様の退屈度がある一線を越えるとどんな行動に出るかお分かりですか?
……はい、そうですね。その通りです。
お子様 is Running!!!
お子様は突如店内を走り回ります。
ご兄弟でのご来店だとなおのこと嬉々として走り回ります。
生きる喜びを体現するかのごとく走り回ります。
その足音や「きゃっきゃ☆」と言う輝かしいお声は店内に響き渡ります。
個人的には、楽しそうだしそのまま走っていてもいいとは思うんですけど、さすがに店内ということもあってそういうわけにはいきません。
足音から推測して出現地点を予測。そのまま待ち構えていると、予想通り元気な男の子が二人やってきました。
【私】
「ニーニーなんかさー、ここにはオジイとかオバアとか、ニーニーなんかよりも小さい子もいるわけさー。ぶつかってケガさせる前に、走り回るのやめとこうね〜」
【お子様'S】
「わかった〜!」
うん、いい返事。
素直は返事に満足して業務へと戻ると……。
ダダダダッ!(足音)「きゃっきゃっ☆☆」
……デジャブ?
さっきまで聴こえていた輝かしいお声がリフレインです。
っていうか、また走り回ってるばあのワラバー(ガキ)らよ!
しかし、さっきはチラチラ見えていたその姿が今度はなかなか見えません。
どうやら私がいる辺りには来ないようにしているっぽいです。
しかしそこは年の功……イヤ、いろんな経験の差で勝負さ!(意味同じ?)
さっきと同じ方法で出現位置を予測して先回り!
【お子様'S】
「きゃっきゃ……ッ!!」
【私】
「…………」
予想通り角を曲がって現れた弟くんを睨みつける私。
さっきまで向こうの角にいたはずの私がいることに相当驚いたのか、すごい顔になる弟くん。
そして次の瞬間――!
弟くんは走るのをやめて、ちょこちょこと早歩きへと変わりました。
そして少し遅れて現れたお兄ちゃん、私の顔を見て驚きながら、
弟くんと同じようにちょこちょこ早歩き。
二人は次の曲がり角までお尻をプリプリさせながらまるで競歩のように早歩き。
そのまま消えていく二人を眺めつつ、思わず噴き出してしまいました。
ちくしょう、人を萌えさせやがって。
その後は改心したのか、それとも親御さんの買い物が終わったのか、走り回る二人を見かけることはありませんでした。
今でも店内を誰かが走り回っているとあの兄弟を思い出します。
以上、プリプリ兄弟のお話でした〜